神奈川県XXX市XXXXXXXXXXX 上 告 人 甲A 神奈川県XXXX郡XX町XXXXXX 被 上 告 人 乙B 平成一二年 五月一六日 右 上 告 人 甲A 東京高等裁判所 御中 上 告 状 右当事者間の横浜地方裁判所第九民事部 平成一二年(レ)第九号 敷金返還請求事件について、 同裁判所が同年四月二八日言い渡した左記判決は全部不服であるから上告を提起する。 訴訟物の価額 二万六二五〇円 貼有印紙の価額 一、〇〇〇円 原 判 決 の 主 文 一 本件控訴を棄却する。 二 控訴費用は控訴人の負担とする。 上 告 の 趣 旨 一 原判決を取消す。 二 被上告人は上告人に対し、金二万六二五〇円及びこれに対する平成一一年五月一日から支払い済 まで年五パーセントの割合による金員を支払え。 三 訴訟費用は第一審、第二審、第三審とも被上告人の負担とする。 との判決及び仮執行の宣言を求める。 上 告 の 理 由 一、上告人は、原審において、「ハウスクリーニングに関する特約は汚損が通常の使用によらない程度 の場合のみ、業者にハウスクリーニングを委託する趣旨であること」を仲介業者の発言および 建設省住宅局民間住宅課監修の「賃貸住宅の原状回復をめぐるトラブル事例とガイドライン」を 援用し主張した。   仲介業者の発言は、平成一二年二月二五日付準備書面二の第四款一項の中で、「借主が業者による ハウスクリーニングの債務を負うことが、通常の原状回復義務を超える義務である」と記載し、 右準備書面を口頭弁論において陳述した。これは、右特約の趣旨に関する主張であり、 同項の仲介業者の発言は、右特約の趣旨を具体的に主張するために、上告人が援用したものである。 原審における上告人の主張は、仲介業者の発言を勘案して右特約を合理的に解釈すると、 同特約は、通常の原状回復義務として考えられる範囲においてのみ、業者にハウスクリーニングを 委託する趣旨である旨の主張である。 通常の使用によらない程度の汚損のみ、賃借人が現状回復義務を負うのは、賃貸借契約が目的物を 賃借人に使用させる契約であることから、当然のこととされている。   同特約の趣旨に関しては、上告人は、建設省住宅局民間住宅課監修の「賃貸住宅の原状回復を めぐるトラブル事例とガイドライン」図表(甲七)を援用している。これは、右特約の趣旨を 「汚損の有無にかかわらず業者にハウスクリーニングを委託する」と解釈すると、明らかに不合理で あるため、その趣旨の合理的な解釈として提出したものである。 原判決は、この主張に対し、右特約の成立を認定したにとどまり、右特約の趣旨について何らの 判断も示さないままに、ハウスクリーニング費用を敷金から控除することを認めている。 これは、上告人の右主張に対し、何らの判断を示さない審理不尽、理由不備の違法があるとともに、 もし同特約の趣旨を汚損の有無にかかわらず業者にハウスクリーニングを委託し、その費用を 敷金から控除すると解釈したのであれば、それは明らかに経験則に反する。 二、上告人は、原審において、汚損の程度がハウスクリーニングを要しない通常程度の軽微な汚損で あることも主張している。   平成一二年二月二五日付準備書面二の第四款二項において、「なお、実際の当該貸部屋の汚損は、 専門業者の作業完了証明書(甲四)のとおり、通常程度の極めて軽微なものであり、 建設省住宅局民間住宅課監修の『賃貸住宅の原状回復をめぐるトラブル事例とガイドライン』 の図表(甲七)の[賃借人が通常の住まい方、使い方をしていても発生すると考えられるもの]の 分類項目から漏れるものはない」と記載し、口頭弁論期日に陳述した。   原判決は、この主張に対し、何らの判断を示さない審理不尽、理由不備の違法がある。   よって原判決は、破棄を免れない。 以 上