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学校に行かない権利を
山下 敬子
ゴールデンウィークは,子どもたちと朽木でキャンプをしました.お天気に恵まれ思いっきり魚つりをしたり,水遊びもしました.
5/12(月)〜5/15(木)まで,建築家の奥村さんのお世話で岩倉山の家でカヌーをつくる合宿をします.よかったらひょっこりあそびに来て下さい.
近ごろ野外での活動が主になり,やっぱり「野におけ子どもたち」という感じです.将来わく星学校で畑仕事や,田舎暮しの手仕事なんかやって,それで子どもと生活できたらなかなかグーだと思うのですが.お味噌,しょうゆ,うめぼし,どぶろく,パン,やさい漬物などやりはじめています.子どもたちが体験学習なんてのはもうあきて,自立してしっかりかせげて,おいしく食べられて,スリルのある本物の生活をしたがっているのがわかります.「自然と人」との出合いが本当に大切だと思っています.
東京シューレやオルタナティブネットの方から児童福祉法改正案の見直しを求める要望書,署名用紙が来ました.くわしくは,別に吉浦さんに書いてもらいましたが,この改正案が通りますと,ますます,学校を拒否して生きるという選択は許されないことになり,学校に行かない権利を認めてほしい私達にとってはますます不利な状況が予想されます.それぞれの子が自分にあった場所と方法で学ぶことを認めてもらうためには,もっと学校に行かない権利を主張すべきだと思うのです.
私たちのところにやって来た子どもたちの多くは何らかの人権侵害があって登校拒否になった人がたくさんいます.いじめ(子ども同士もあるし教師からのいじめもあります)・体罰・差別・校則を守らなかったといって退学をせまられたり学校に来るなといわれた人もいます.学校が身体的・精神的に安全であればこんなに苦しむことはなかったのにと思うケースがたくさんありました.学校に行かないと決めた私達が,学校に対してどう変わってほしいなどと,もう言うつもりもないという子や親もいます.けれども私は子どもと接する人が子どもの人権についてもっと敏感にならなければ子どものこの苦しみは終らないと今頃感じています.
例え話になりますが,お湯をわからないよう少しずつあつくしていくと熱湯になるまでわかりません.今の学校のやり方はこれににています.親も,先生も,子どももその中にどっぷりつかっていて感覚がマヒしているようです.生徒に誓約書を書かせておいて守らないといって退学をせまったり,髪の毛が黒でないと学校行事に参加させなかったり,「学校」という枠の外からみると明らかに子どもの権利条約に違反していることが堂々と行なわれている.しかも,親も子も,地域もその中で市民としての人権感覚はどこかに見失ってしまっているのではないでしょうか.「子どものため」といいながら「学校」という工場の能率のために「一人一人違った個性をもった人間の成長を助ける」という本来の学校の目標を見失っていないでしょうか.
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