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めだか調査をふりかえって
こさぴっぴ(スタッフ)
この夏、昨年に引き続き「めだか調査」を行った。京都市近辺におけるめだかの生息状況を調査するというのが目的だ。
わく星の子どもたちは、何故か淡水魚にうるさい。知識も豊富である。私には同じに見える魚群を岸から一目見て、あれはカワムツだのアブラハヤだの事細かに教えてくれる。うかつに間違うと何をいわれるか分からない。ちなみに、猫のチビ亡きあとわく星学校の現校長は熱帯魚である。
昨夏の調査の経験は大きい。めだかが絶滅危惧種に近い貴重な存在になっていると聞き、私はすぐさま川の汚染と結びつけて考えた。と、いうことは、きれいな流れが残っている所‥そう、清流を探さなあかんはずや!京都市でそういう所を探すとなると向かう先は北方面に限られてくる。思い込みがその方針を決めた。
しかし、これがさっぱりであった。見かねたおじいちゃん(16歳)が教えてくれた琵琶湖近辺の生息地を訪ねてみることで、重要なのは水のきれいさよりも、流速と水温であることが分かった。それを受けて、よどんだ小川を求めて京都市から南の方面に向かってみた。すると、意外な所にめだかが生息していた。保護のためここでは地点名を明かすことができないが、確かに京都市のそばにもめだかは生息していることが分かった。‥と、ここまでが昨年の成果であった。
今年は、昨年の教訓を得て、最初から南に向かった。しかも、昨年は果たせなかった京都市内でのめだか生息の確認が、まず最初の目標である。方針は簡単。ごく近くまでその生息は確認できている。だから、そこから京都市内に入り、条件が合いそうな小川を探せばいいのだ。新しい田んぼの用水路は三面張りの上、汲み上げた水は流れも速く、そんなに温みがないので問題外。それよりも、そのそばにあって昔、用水路として利用されていたような小川を‥、あった!どんよりとしたドブ川が。車を止めて、さっそく調査だ。
果たして、初日から簡単に目的は達成された。調査のためとはいえ、足をつけるのがためらわれるような汚い川の水面に、めだかたちは確かに生息していた。唱歌にも歌われ親しまれてきためだかは現在、生活からは切り離され人々に忘れ去られたドブ川にひっそりと暮らしている。それが今のヒトとめだかとの共生の図なのである。
次に、その川を市の中心に向かってさかのぼることにした。ある地点で生息が確認できれば、だいたいさかのぼったどの場所でも生息していることが分かった。その川の源が絶えれば、近くの水系に移って同様の調査を繰り返した。昨年は最終日にやっとお目にかかれためだか様だが、今年は初日から連戦連勝でめぐり会えた。京都市内にも結構めだかは生息していたのである。ただし、それらが本当に昔からその川にいたものかどうかはあやしい。ただ、いえることは、新たに放流されたものかもしれないにしても、相当数のめだかが確実にそこで暮らしているということである。
昨年からのバージョンアップを図るため、今年の調査は「客観性」を高めることに気を使った。水温、流速、水深、植物の様子など、その測定方法から記述のし方に至るまで、なるべくその時の気分に寄らないよう統一のとれたものにした。その成果は、いつか発表されると思うので、それに期待していただきたい。
現地でのフィールドワークで活躍が目覚ましかったのは、やはりおじいちゃん(16歳)である。自分の趣味で参加している「魚の会」での経験が生きていたのだろう。また、川の汚さにも怖じ気づくことなく飛び込んでいく気概もたいしたものだった。つき合わされた私やYんたは、パンツに浸水して幸せな気分になった。一方、TしやJんは一体なにをやってんねん!と思っていたら、出来上がった写真の数々がなかなかの力作であった。職人たちは自分の仕事をそこに決めていたようだ。Mぐちゃんは得意の口で応援?が仕事だった。本当に暑い日差しの中、みなさんよく頑張ったと思う。いつも調査の終わりの氷菓子が待ち遠しかった‥。
最後に、私の雑感をひとつだけ。先にも述べたように、京都市において今めだかがいるのは、とても子どもたちが遊ぼうなどとは思わないような汚い川だけである。かつては親しい隣人であった生き物たちとのこの隔絶は、たいへん寂しいものだと思う。まず率直にその気持ちを共有したい。現代日本の農業のあり方を含め、めだかの減少をめぐる構造的な問題はたいへん根深いものがある。しかし、様々な立場からその人なりの取り組み方があるように思う。もちろん、私自身も一生活民として自分の暮らし方・取り組み方を今後も考えていきたい。めだか調査という経験を子どもたちと一緒にできたことは、私にとってもたいへんうれしいことであった。いつか、その先の思いや取り組みでもこの子たちと肩を並べられるような日が来ればいいなと思う。
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