2004年の総目次へ / わく星通信のページへ戻る
わく星学校文化祭に参加して
R.I
今年も11月21日、22日、23日の3日間わく星学校の文化祭が開かれました。
21日のオープンスクールには仕事の都合で参加できませんでしたが、22日、高野の市障害者スポーツセンターでの講演会から参加させていただきました。
今年の講演会には、わく星OB、OG、スタッフ、親の会の方々が集まり、わく星学校が日頃お世話になってる動物学者の川道先生に講演していただきました。先生のお話は、「シマリスとともに30年」と題して、シマリスとの出会い、観察地の北海道斜里町の地勢とその成り立ち、シマリスの生態などスライドを用いられながらわかりやすくお話しいただきました。中でもこれまでシマリスにとって一番危険と思われていた冬眠の期間が一番安全であったことやシマリスの雌雄の冬眠時期のずれの理由を初めて知りました。その他にも、シマリスの生息するミズナラの森の保護運動、観察地となったその森との愉快な出会いのお話などたいへん楽しい2時間を過ごさせていただきました。
講演の最後に、スタッフの小坂さんが「先生は観察中どんなことを考えているのですか」と質問したところ、川道先生は「終わったら何を食べよう」などとお答えになりました。この答えに小坂さんはじめ子どもたちのうなずく姿に、「メダカ調査」という観察の対象こそ違え野外観察をしている者同士の共感が感じられました。私のように快適な部屋で研究の成果だけを聞く者と実際に野外調査をしている者との間に、大きな違いがあるのだろうなと思いながら、「メダカ調査」に参加したある子どもの言葉「暑かった」をつい思い出してしまいました。
翌日23日は岩倉の学校で、わく星学校生徒による「メダカ調査」の発表、昨年も演奏してくださったミル・メルカドス、婆娑羅太鼓のみなさんによる演奏会などが行われました。
当日、朝早くから親の会のみなさんは焼きそば、おにぎり、ぶた汁の準備を手際よく始めておられました。ガスも水道もないなか、庭に作られた竈にあっという間に火をおこすお父さん、肉、野菜を調理するお母さん方に圧倒されました。
その準備が終わる頃からお客さんが次々と集まりはじめ、ほぼお客さんで庭がいっぱいになった頃、わく星代表敬子さんの挨拶、その後、子どもたちによる「メダカ調査」の発表が始まりました。
今年の「メダカ調査」(詳しくは「わく星通信」第105号 2003わく星めだか調査(岩佐集平・湯本悠樹・吉浦潤))は、年長と年少の子どもたちがペアになり発表しました。年長の子どもたちの堂々とした発表、年少の子どもたちのきびきびした資料の提示や結論の発表に感心させられてしまいました。テーマごとに登場し発表するタイミングにリズムがあり、だれることもなく始めから終わりまで緊張感がありました。途中発言メモを見る場面もありましたが、発表のリズムを崩さずにそれができたのはきっと体験に根ざした内容とこの3年間の積み重ねだと思います。
昨年までの成果「めだかの生息条件」から「川幅が広く、流速のある賀茂川にめだかはいるだろうか」という疑問、仮説の設定、調査、めだかの確認、さらに「増水時は…」と次から次へとテーマが発展していく様に興奮しました。教科書、手本もなく、結果もわからないなか手探りで課題を見つけだす体験をしている子どもたちが、学校時代結果のわかっている実験、観察、つまり実験、観察の方法しか習わなかった私にはうらやましい限りです。前日講演していただいた川道先生も余談で「動物の観察は、最初の1年間無駄骨に終わります。最初から課題を持って研究しても長続きしません。」と話されており、子どもたちが、「わく星めだか調査は永遠に不滅です」という言葉で発表を締めくくったのも、「手探り」で始めた体験があったからではないでしょうか。
「めだか調査」発表の後は昼食休憩に入り、親の会のみなさんの活躍が始まりました。焼きそばの係、おにぎりの係、ぶた汁の係と一斉に忙しくなり、わく星OGにも手伝ってもらいどんどん捌けていきました。
親の会の店の横で、今年初めて子どもたちの店も出店し、OB,OGや校外からの子どもたちで賑わい大盛況でした。スライムの店、焼き板の店、そして、お化け屋敷ととても楽しい店が並び、小売業に従事している私から見てもなかなかの応対ぶり、宣伝ぶりでした。
スライムの店では、お客さんにスライムの作り方を懇切丁寧に指導し、小さな子どもたちに人気がありました。また、焼き板の店では廃材を利用して加工するのですが、店のご主人はたいへん親切で材料選びから完成までつきっきりで指導していました。
お化け屋敷はまず提灯に目を奪われました。受付横にかかった提灯に描かれた、力強い筆致の幽霊の絵は宣伝効果抜群でした。受付で切符を買い、次に切符を渡して屋敷へ案内され、扉を開けて中へ入ったとたん目の前には竹藪、その先には墓そして幽霊達。後ろで戸の閉まる音、効果音が鳴りだし恐怖は頂点、という具合でした。
スライム、焼き板、お化け屋敷。これらはみんな限られた条件のなかで子どもたちが考え、作り出したものだそうで、発想のおもしろさや商売のうまさを感じさせられました。校外からの子どもたちにもうけていたようです。
昼食の後は、昨年も来ていただいたミル・メルカドス、婆娑羅太鼓のみなさんの演奏で沸きました。
パーカッション、ピアニカ、アコーディオン、そしてギターによるミル・メルカドスのみなさんの演奏は華やかで子どもから大人まで楽しめ、最後には全員で手拍子をうち大いに盛り上がりました。
力強い響きとともに始まった婆娑羅太鼓のみなさんの今年の演奏は少し趣向が変わっていました。いつもの豪快な演奏の後、わく星代表の敬子さんの舞踊と婆娑羅太鼓さんの競演、親の会の方による横笛の演奏が加わり、豪快さと華やいだ雰囲気を感じました。
敬子さんの創作舞踊「さくら」はおかめ、ひょっとこの面を交互にかぶりながらの踊りで、ユーモラスなかにもたおやかさがありましたし、横笛を演奏された親の会の方は今年6月から練習を始められたそうで、あまりの上達の早さに驚きました。
婆娑羅さん演奏の締めくくりは、観客参加の太鼓のレッスンと盆踊りでした。
太鼓のレッスンにはわく星の子どもたちはじめ腕に自信ある方々が参加され、その他の人たちは手拍子で練習をしました。全員が太鼓、手拍子を打つと部屋全体が震えるようでした。
最後の盆踊りは敬子さん振り付けで始まり、初めのうちは太鼓のリズムと踊りが合わなくなかなか乗り切れないようでしたが、2回3回とくり返すうちにうまく乗れるようになり、なかでもスタッフ小坂さん、親の会のお母さんの華麗な踊りに感心してしまいました。
盛り上がった盆踊りの後、スタッフ石井さんのギターの弾き語りのなか今年の文化祭も終わりを迎えました。
今年の文化祭では、講演していただいた川道先生、演奏してくださったミル・メルカドス、婆娑羅太鼓のみなさん、わく星敬子さん、スタッフ、親の会のみなさん、そしてわく星OB・OGのみなさんの真剣さに支えられ、それに答えるわく星の子どもたちを見ることができました。来年の文化祭ではどんな子どもたちの姿を見ることができるのか楽しみです。
2004年の総目次へ
わく星通信のページへ戻る