医笑同源笑部屋

(しょうるーむ)ようこそ(笑)

ホームへ


ご挨拶

笑いを医療に活かしたい

雄(形成外科)

 診察や看護に「笑い」生かそう。医療の現場で「笑い」活用。浜松労災病院で試み。こんな文字が紙面で躍っています。「浜松労災病院支部」発足を報じる新聞記事の見出しです。今年の4月、「日本笑い学会浜松労災病院支部」がスタートしたのです。 

 「笑い」に関する総合的・多角的研究を行い、笑いの文化的発展に寄与することを目的として、日本ではじめて設立されたのが「日本笑い学会」です。これまで「笑い」は、笑芸の研究から、哲学、心理学、社会学、文学、民俗学、医学などにいたるまで、多岐にわたって論じられてきましたが、それぞれの専門分野の中だけでは捕らえきれない部分がありました。そんな学際的テーマである「笑い」を、全国の、そして世界の同好の士とともに語り合い、認識を深め、研究・研鑽する「場」として、「学会」が生まれたのです。

 日本笑い学会の入会案内書にはこのように書かれています。 

 私が入会したのは1995年のことです。入会してみて、医療関係者の会員が多いのに驚きました。そして、何冊かの本を読んでみました。米国のジャーナリスト、ノーマン・カズンズが、自身を襲った難病を「愛と希望と信頼の気持ちを持ち続け、そして大いに笑うこと」で克服してその体験をニューイングランド医学誌に投稿し、その結果、カリフォルニア大学医学部に教授として迎えられたこと、日本では、岡山県の伊丹仁朗医師が末期癌患者に対して、ユーモアや笑いを活用した「ガンの生きがい療法」を実践して成果を上げていること、などを知りました。

 学会の会則に「10名以上の会員が申請すれば支部を作ることができる」との条文があります。今春、12名の連名で申請して「浜松労災病院支部」が承認されました。会員数約1000名の日本笑い学会には、現在13の支部があります。その大部分は特定の地域を基盤としてできたもので、「職域」にできたものは2つだけ、病院の支部は「浜松労災病院支部」が全国で初めてです。

 最初の支部例会を開いた5月24日、テレビ局が取材に訪れ、4日後に放映されました。その後、病院内外に会員が増えて発足時の2倍になっています。これから「総合病院の支部」という特長を生かした活動を展開して行きたいと思っています。

 ある種の癌にみられる自然消退現象や末期癌患者の延命など、笑いがもたらす精神免疫学的効果は医学的に興味のあるところです。メンタルヘルスケアの一環としてのストレス対策にも「笑い」が大いに役立つでしょう。映画評論家の淀川長治氏が、入院していた病室のドアに、「この部屋に入るときは皆さん笑顔でお願いします」という張り紙を貼ったところ、病棟中が明るくなったというのもお手本にしたいところです。

 「笑い」は「前向きの生き方」「プラス思考」の1つの表現です。「たのしみは朝起き出でて昨日まで無かりし花の咲ける見る時」と詠んだ幕末の歌人、橘曙覧(たちばなあけみ)のように、常に「たのしみ」を見つける姿勢を大切にしたいものです。

 いつの日か「笑い」の医学的効用が認知され、「笑い療法士」が病院内を闊歩する、そんな夢のようなことを考えています。

(「ろうさいフォーラム」2001年11月号より)


日本笑い学会 浜松労災病院支部