五代将軍徳川綱吉が発した「生類憐みの令」は、基本的には生類を哀れみ大切にする趣旨であるが、綱吉の後継ぎの男の子供に恵まれなかったことと、取巻きの影響、更に行過ぎた犬の保護、取り扱いによって犬の飼育費用が莫大になり町民への負担増となったことや、また犬を殊更重んじるようになった結果、犬を傷つけた者は遠島に処せられたり、殺したものは処刑される事態にまで至った最悪の御触れとして悪名高い。現在、誰の目にも不条理な令と映る迷惑そのものの令であった。
第二次世界大戦の日本の敗戦と敗戦後の日本への連合国による占領政策に基づく統治。その後、1951年9月8日にサンフランシスコ講和条約が締約されて、連合国と日本との間の戦争状態が終了するとし、日本の完全な主権が承認されることになった。
この条約の締約の後に、同日に場所を移動して、日米二国間で5か条からなる(旧)日米安保条約が締約された。この(旧)条約には、アメリカ合衆国の軍隊の日本国内及びその附近における配備を規律する条件は、両政府間の行政協定で決定するとされ、日本の国会で批准されたのは中身のない安保条約のみであり、これが成立したのであった。一方、後に決定された行政協定の内容についての詳細は批准の対象外とされて、官僚達によってうまく煙に巻かれてしまったのである。まさしく不条理な安保条約の締約と、内容の議論が為されなかった日米間における駐留米軍に関する不条理な行政協定であった。
その後、条項の内容が改められて1960年の(新)安保条約が締約(このとき地位協定調印)された。この条約では、「・・・この条約が十年間効力を存続した後は、いずれの締約国も、他方の締約国に対しこの条約を終了させる意思を通告することができ、その場合には、この条約は、そのような通告が行なわれた後一年で終了する。」となっている。与党は決して解約を主張しないので、現在1年ごとに自動的に更新されているのが実情。日本国民の人権が蹂躙され続けているのに、何も手出しができない現状に誰もが疑問視するのであるが、政府も国会議員もそ知らぬ顔をして平気でいられるのである。誰のための国会議員であるのか認識できていないようだ。彼らの精神構造はイカレテいるのか、あるいは、相当に鈍く、且つ頑強であるのかいずれかであろう。否、その両方の場合がある。
このサンフランシスコ講和条約や(旧)安保条約が締約される時点から時を遡って、1947年9月20日マッカーサーへの昭和天皇の「所謂、沖縄メッセージ」があり、天皇のアドバイザー寺崎が天皇の意思をマッカーサーに伝えたものであるが、ワシントンの公文書公開文章によると、簡単に言うと、将来の琉球列島や沖縄について、天皇が米軍に無期限で駐留することを望むとの意向を表明したものである。
1951年2月10日、昭和天皇と国務長官ダレスとの会談では、アメリカの条件で基地を無期限で無償でリースしてもらってよいという同意を与えている。しかし、1946年11月に日本国憲法が公布され、翌年5月に憲法が施行されており、このとき天皇は既に天皇大権が剥奪された象徴の立場であり、この天皇の行為は日本の国会を無視した行為である。この後の1951年9月の(旧)日米安保条約締約と更にその後の行政協定締約へと向かうのである。
ダレスは日本に憲法改正、再軍備、軍の総指揮は米国の最高指揮官に委ねることを謳うことなどを要求。
日米安保条約には国連の集団的自衛権の行使条項の集団的自衛権を明記、米軍は極東の有事に対応できることを明記。米軍による日本の内乱を鎮圧することの正当化、内政干渉にあたらないことを明記。しかし、日本の憲法改正、再軍備と軍の総指揮は米国の最高指揮官に委ねることなどは条約からとりあえず除外することとなった。これらの扱いについてはどこに潜り込ませたのだろうか?その他の隠された取り極めはないのか?・・・そのうち姿を現す・・・
尚、参考として、この集団的自衛権については、アメリカにとって必要であった事情からアメリカが条項に追加を主張した内容である。
1951年9月のサンフランシスコ講和会議で吉田総理が演説し、連合国に非武装の日本を集団的に保護することを希望し、占領政策終了後にアメリカの軍隊を駐留することを日本が希望して求め、アメリカがこれに応えたことを説明し、アメリカ以外の連合国の調印国に了承してもらう主張を行ったのであった。(なぜなら、主権が回復すると占領政策は終了しなければならなくなるので、占領国アメリカ軍が継続して駐留することは非難されるべきことに当たるので、これへの対応と言える。)
敗戦の処理によって、戦後に日本国民は天皇と軍部による絶対的支配から解放され、憲法が制定され、国民が主権を有する立憲民主主義の社会体制が成立したことになっているが、実際は、日本の官僚達が米国との安全保障関係を中心として国民に対しては徹底的に情報を隠蔽・秘匿し、徹頭徹尾国民を騙すことを行ってきているのである。よって、表に現われない所で何が取り極められているのか国民は知るよしもない。
この日米安保条約は、ソ連邦を敵視した冷戦状態のもと駐留米軍の活動、対応がとられてきたが、ソ連邦のゴルバチョフ書記長が、1991年8月24日に共産党中央委員会の解散を勧告し、書記長を辞任。1991年12月21日にソ連邦の共和国による独立国家共同体(CIS)の創設宣言が行われ、1991年12月25日にソ連最高会議がソ連邦の消滅を宣言。つまり、冷戦の終結によって、ソ連邦の軍事的脅威が消滅したのである。そうなると、本来の目的が消滅したので、今度は安保条約に於いて別の目的を付与しなければならなくなる。そこで、1996年に橋本龍太郎首相とクリントン大統領はアジア・太平洋の平和と安定のために新たに日米安保条約を定義づけ、日本周辺地域における米軍の存在を約束し駐留が継続され、又、日米防衛協力のための指針の見直しが行われ、米軍と自衛隊との関係が一体化、共同の軍事訓練が進められていくことになるのである。
昭和天皇の約束どおり、米国が撤退を表明しない限り米軍は日本に駐留を続けることができるのである。なぜなら、駐留米軍は日本での美味しい駐留の味を覚えると放棄しないのである。暴力団でも美味しい状況を決して手放さないことと同じである。そして、明らかに日米間の安全保障の新たな段階に突入させていくのである。それを担うのが、憲法違反と確信される自衛隊と日米安保条約・その他取極めである。
小泉元総理は、イラクへの航空自衛隊派遣事案で、憲法違反、特措法違反、刑法違反を犯し、安倍元総理(2019年現総理)、福田元総理、麻生元総理、当時の防衛庁長官・防衛大臣、関係した自衛隊員は犯罪者にあたるが、政府が警察・検察権を牛耳っているので逮捕されないでいる。
安倍総理は、
憲法違反の自衛隊をアメリカのために戦争するための憲法違反(本来無効となるべき)と目される戦争法を成立させた。(日本のナチ党にあたる自民党が協力。彼らは、憲法の内容さえ理解できていないか、あるいは憲法無視を敢えて行う族。)(腑抜けの司法は決して憲法裁判をやらない)
当時、防衛大臣は、自衛隊が核爆弾や劣化ウラン弾などを輸送することも憲法では禁じていないと説明していた。戦争法には禁じるとは明記されていない。
また、安倍総理は、ミサイル防衛システムを秋田県と山口県に配備するとした。実際は、アメリカ本土及びアメリカ領のグアムを防御するためであることは明らかであるが、まぁ、アメリカが自らの武器・装備を日本に存在する米軍基地に持ち込んで配備するなら現状の取り極めでは拒めない状況であるが、そうではなくて、アメリカから超高額な迎撃ミサイルの装備を日本がアメリカの言い値で買って、日本に配備させることを、日本の総理がトップ会談で決めて、アメリカの大統領を上機嫌にさせるということを行う総理(イラク事案の犯罪者と筆者は敢えて呼ぶ。なぜなら、司法が本来行わなければならない職責を放棄し、機能していないからである)には、退陣してもらいたい。
それに、何が何でも、沖縄の辺野古に新たな飛行場を作ると頑固一徹、決して曲げない日本政府。それは、もう意地の世界。抜いた刀は直ぐには鞘には戻せない面子に過ぎないと筆者には受取れる。憲法の内容は簡単に曲解するのにである。
この政府及び駐留米軍による日本国民への人権蹂躙問題は、北朝鮮の人権蹂躙、日本の法律では犯罪にあたる拉致問題、イスラム国の支配地における人権蹂躙問題と何等変わらない性質のもである。
このような状況は、正に「生類憐みの令」に見るように、不条理、人権を無視する行為であり、日本のどこかに金が余っているのか(まさか、年金を剰余金として、将来の年寄りには年金を支払わずに死ぬまで働け!という策を思い描いているのではないだろうなぁ!しかし、日本政府の行いを見ていると、さもありなん)、打出の小槌で金が生まれる秘策があるのか筆者には推し量れないが、このままの状態 { 中国の軍事力に対抗しての日本の防衛費の増大(中国の軍事費、軍事力、装備に見合うだけの対抗など決してできない)。アメリカとの共同の戦争による戦費の負担増。日本の財政悪化が止まらない状況。} が継続すると、綱吉の犬のために莫大な費用の支出が発生したように、日本の財政悪化は加速し、更に法の支配を護らない政府役人達によって日本の独裁化も強固になり、いつか日本は沈没すると考えられるのであるから、そのときは護るべきものが既に崩壊しているので、一体何から日本を守るというのか全く理解できないでいる筆者である。これらの日米間の事案は本当に厄介な困りごとにあたると筆者には映る。
(2019年2月)