ケナフ栽培とパルプ化の取り組み
現在、東南アジアの森林を切り倒すことで成り立っている
『紙消費文化』、その打開策として、やせた土地でも育てられ、
生育が早く1年で約4mにまで育ち、毎年刈り取って紙にできるのではと一躍脚光を浴びはじめているアオイ科の
草本である『ケナフ』。そして、このケナフは二酸化炭素吸収量も多く、環境に良いといいことずくめと言われている植物である。
すでに一昨年より関心を持ってプランタ−で栽培し、プランタ−でも約3mに育つことがわかっていたが、
この草よりパルプを取り出す方法については、未知のままであった。
そうした今年度初め、守口市公園緑地課よりケナフ栽培委託の話が寄せられた。本校高等部東側に隣接する守口市の
公園緑地課が管理する土地500uにケナフを栽培してみないかという内容で、M市立わかすぎ園(通所更生施設)と共同で、
用意していただいたケナフの種子を5月28日に蒔き、春から秋にかけて本校とわかすぎ園の生徒が水やり等の世話を行った。
部分的にうまく芽が出ず、種子の蒔きなおしをしたり、夏場には大きく育てと汗だくで水やりをしたり、台風のシ−ズンには
倒れないようにとビニルひもを張り渡したりといろいろ手間をかけ、11月19日に大きく育ったケナフを収穫することができた。
刈り取ったケナフは枝を落とし、乾燥させた後、公園緑地課の方が大阪ガス姫路工場へ運び、そこから愛媛県川之江市の
製紙工場へ運び、1度パルプにし、乾燥させてシ−ト状にしたものを返して下さるということになっている。
そこで、ケナフのパルプであるが、私たちが日常使っている紙は洋紙と言われるものであり、木材をチップ状にし、
溶かして1ミリより短いパルプにしたものを紙にしたものである。次世代の紙の材料として期待されるケナフも
その洋紙の材料として考えられており、製紙工場のような機械力、化学力のある所では、樹皮から内芯まですべてを
1ミリ以下のパルプにしてしまう。当然牛乳パックのように手で漉いて紙にすることができるが、手で漉いて出来上がるものは、
こしや強度がなく、そしてまったく表情のないただの白いペ−パ−になってしまう。
本校の紙工作業では、楮といった和紙の材料を使うことで、楮の長いパルプ繊維(約1cm前後)を漉き上げる中で
揺すって絡ませ、こしがあり、強度があり、そして繊維の模様といった表情の加わった紙を作りだしている。
手で漉くからには機械で作れる表情のない洋紙を目指すのではなく、機械で作れない紙を目指すべきである。
その中から生み出されるのは、繊維の流れによって作り出される紙の表情であり、暖かみである。
今回、ケナフの試みでは、このケナフからいかに長いパルプ繊維を取り出すかということが、課題であった。
収穫したケナフのうち、約2割を学校に残し、まずパルプ繊維の短い内芯は無視し、パルプ繊維の長い樹皮を乾燥させたのち、
短く切り(2〜3cm)、弱アルカリのソ−ダ灰で炊き、楮の処理と同じように木槌で叩き、繊維をほぐそうとした。しかし、
楮と異なりケナフのパルプ繊維の構造は強靱であり、これまでの方法では難しいことがわかった。樹皮をロ−ラ−等で
物理的に擦り潰しながら、パルプ繊維にほぐしていく工程が必要であることを知り、いろいろ試行錯誤した後、
たどり着いたのが乾燥した樹皮をプラスチック粉砕機にかけて、パルプの長さを5〜6mm程度までばらして短くしてしまう。
そして、次に弱アルカリで炊き、木槌等で叩いて1本ずつのパルプにさらにばらしていく方法である。まだ、試行的段階であるが、
脚光を浴びているケナフが紙漉きの材料として加われば幸いである。
ケナフの生育
本校M養護学校では昨年、M市
緑地公園課からの委託を受け、学校に隣接する遊休地500uの
土地にケナフの種子を蒔き、栽培を行った。
昨年1999年の 5月28日に
種まきを行い、11月19日に刈り取りを行った。
5/28.ケナフの種まき |
7/16.50p〜1mに生育 |
8/12.2〜3mに生育 |
9/24.3mに生育、開花 |
10/16.3〜4mに生育、花満開 |
11/19.刈り取り |
枝を払ったケナフ |
種の入った実をとる |
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