ワタナベセイサクジョ コンテンツ始まり

とりあえずガラスの作品をアップするまで、バーナーワークについて書いておいてお茶お濁します。
いずれこのページでガラスの作品が見られる予定です。

バーナーワークについて

バーナーワークとは、ガラス細工の技法のひとつで、ガスバーナーでガラスを熱し、柔らかくして加工する技法を言います。

バーナーにも種類があり、ソフトガラスを用いるエアバーナー式、耐熱ガラスを用いる酸素バーナー式に大別されます。個人で使うことはほぼありませんが、水素を燃料とした水素バーナーなんて物もありますが、石英ガラスを溶かす特殊用途向けて、ガラス工芸に使用されることは私の知る限りはありません。
このページは主にエアバーナーによるバーナーワークについて書いてあります。

作業風景
作業風景

とんぼ玉

蜻蛉玉なんて書かれていることもありますね。主にエアバーナーで製作します。
穴の開いたガラスビーズの総称で、模様がトンボの目に見えた事からとんぼ玉と呼ばれているそうです。
歴史は古く、…その辺はいずれ。

グラスアイ

こちらもエアバーナーで作られることが多いです。お人形さんや、最近ではリアルな羊毛フェルトに使われることも多いです。
樹脂で出来たアイに比べると、模様の制限は多いですが、それでもガラス製に惹かれる人は多いみたいです。
いずれ技法や動画も上げようかなと考えていますので、興味のある方はぜひ。

ソフトガラス

これが無いと、個人でガラス細工をやるのは大変難しいです。日本で有名なのは、喜南鈴硝子様・佐竹ガラス様(五十音順)
海外でも本場イタリア、ムラノ島のエッフェトレ・モレッティ(effetre spa)はキルンワークやステンドグラスでもよく使われます。
他と括るのは申し訳ないですが、ブルズアイガラス(BULLS EYE)、ギャファー(Gaffer)など日本でも海外メーカーのガラスが使えるようになりました。感謝。

ソフトガラスの種類

ソフトガラスにもいくつか種類があり、主に鉛ガラス、ソーダガラスに分けられます。

鉛ガラス(クリスタルガラス・Aガラス)

鉛ガラスはその名の通り酸化鉛を含むガラスです、他のガラスと比べると柔らかく、溶け易い印象を受けます。
クリスタルガラスは透明度と屈折率が高く、切子細工などで使われるととても綺麗です。

ソーダガラス(ソーダ石灰ガラス・Bガラス)

海外のガラスはほとんどこちらですね。バーナーワーク視点で見ると鉛ガラスと比べると解けにくく、扱いも少し慣れが必要です。
窓ガラスやガラスの瓶は成分的にはこちらですね。溶ける温度対は違うと思いますが。
鉛ガラスに比べると発色が良く、赤や黄色などはとても綺麗です。

鉛ガラスとソーダガラスを混ぜて使うことも出来るのですが、組み合わせによっては割れたり、色が変わったりするので注意が必要です。
代表的な組み合わせとして、ソーダ赤と鉛ガラスを混ぜるとソーダの硫黄成分が鉛と反応して黒く変色しやすいです。
逆に鉛ガラスにソーダ白を混ぜると、色が混ざりづらく、色がボヤけず綺麗に発色するなど、悪い事ばかりではありません。

アクリルシリケートガラス(Cガラス)

喜南鈴硝で販売されている、鉛を含まないソーダ系ガラスの一種とのことで、通常のソーダガラスとは成分が違うようです。
発色が良く、混ぜても色のにじみが少なく、溶けやすく扱いやすい印象を受けます。また、若干軽くアクセサリーなどに適しているかな。
鉛、ソーダのいいとこ取りのガラスで、バーナーワークを始めるならアクリルシリケートガラスから入る事をお勧めします。

佐竹ガラスも鉛フリーの104シリーズを展開しています。こちらはCOEが104と少し低め。まだ使ったことが無いので、いずれレポートを書きたいと思います。淡くて、綺麗な色が魅力的です。

COE

あまり聞き慣れない言葉ですが、熱膨張係数というもので、ガラスも熱すると、わずかに膨張しています。
COEが大きくかけ離れているガラスを混ぜると、冷えた後に膨張率の違いから歪みが生じ、割れてしまいます。
一般にソフトガラスと言われる、キナリ・佐竹のガラスロッドが120程度、海外のロッドは100から90程度で、この辺は混ぜると割れやすいです。
佐竹ガラスの104シリーズはこの辺を意識して作られているのかな?と思いますが、機会があったら聞いてみたいです。
酸素バーナーで使われる耐熱ガラスなどはCOE30程度と全然違います、まず割れます。

その他、良く使われる材料として、ダイクロイックガラス、金、銀、マイカや人口オパールなども使われます。この辺を使うとガラスだけでは表現が難しい事が出来るようになります。

ガラスロッド
ガラスロッド・・・乱雑ですが左から鉛ガラス、ソーダガラスなど分かれています。

エアバーナー

材料の次は工具ですね、こちらも無いとほぼ何も出来ません。
エアバーナーは大きく2種類に分けられ、拡散炎バーナー集中炎バーナーに分かれます。バーナーによっては両方使えるのもありますが、高価です。
また、燃焼ガスの種類によってプロパンガス、都市ガスでさらに2種類に分かれます。両方使えるのも最近は出てきているのかな。
プロパンボンベの手配が難しい場合は、カセットボンベを使う方法もあります。
エアバーナーには空気を送る必要があり、主にコンプレッサーやポンプを用います。バーナーにポンプ、ファンが内蔵されている物もあり、手軽に始めるならこちらですね。

拡散炎バーナー

拡散炎バーナーは火口から出る炎が均一でガラス全体を暖めやすいです。火口に近づけても煤が付きにくいです。燃焼状態の関係なのかな。

集中炎バーナー

集中炎バーナーは中心部に炎が集まり、中心部の温度が高いような気がします。そのため一部分を暖めやすいです。火口に近づけると煤が付きやすいので、少し上のほうで作業します。
空気の送り方によって中心に内炎が出来ます。この辺の温度が高いのかな。

どちらかのバーナーでしか出来ない技法と言うのは無いと思います、慣れですね。私は集中炎を主に使いますが、大きなパーツを引くときは拡散炎のほうがやりやすいかなと、使い分けることもありますが。
また、ガスの種類は自分の環境にあった物を選べばほぼ問題ありません。燃焼温度が若干違うはずですが、作業に影響を感じるほどではありません。
バーナーによって火力が違いますので、自分が作りたい物に合わせる事が大切です。小さいバーナーでは作れる大きさに限界がありますし、大きすぎるバーナーは燃料の無駄遣いです。
おすすめは「PRINCE (プリンス)ランプワークトーチ TB-3(集中炎)」ですね、ポンプ内蔵、空気・ガスの調整が容易、意外と火力が強く、後ろに黒い板があり炎の状態が見やすい、高さが低いので作業が楽、ついでに芯棒立てまで付いてます、すばらしい。

集中炎バーナー
集中炎バーナー・・・これ一台で大体出来る優れもの。
拡散炎バーナー
拡散炎バーナーと両用バーナー・・・左のが両用です。とても火力が強い=部屋が暑くなる

芯棒、離型剤

ガラスとバーナーだけでは出来なくは無いのですが、とても難しいので芯棒に巻きつけます。芯に巻きつけるので中央に穴が開いているわけです。
また、そのまま棒に巻きつけてしまうとガラスが外れなくなってしまうので、芯棒に離型剤を塗っておきます。
離型剤は粘土みたいなものですね、メーカーでも色々な物を販売しています、おすすめは「フュージョンプラス」です。最初に使うならまずこれです。
最初は離型剤に無理な力が掛かりやすいので、離型剤が芯棒から崩れて形にならないことが良くあります。フュージョンプラスは割りと崩れにくい強度があります。
強度だけなら他のもありますが、芯棒から外す時に今度は外れないって事もあります。原因は熱しすぎたり攪拌不足だったり色々あるのですが、色々最初は苦労が絶えません。
芯棒はステンレスが主流かな、とんぼ玉なら2〜3mmぐらいの太さを良く使います。ブレスレッドには1mmぐらいの芯を使ったりしますね。帯留めになると6mmとか結構太いです。
芯棒は鉄、ピアノ線などでも使えますが、使っているうちに玉が外れにくくなったりするのでこまめな手入れが必要です。なのでステンレスが多いのかな。
ステンレス芯の場合は買ったままの状態だと離型剤が塗りにくいので、離型剤を塗る部分をバーナーで真っ赤になるまで焼いておくと離型剤が付きやすくなります。
離型剤は塗るといってもボトルに入った離型剤の中に芯棒を入れて真上に引き抜けば芯棒にポッキーのようにコーティングされるはずです。
自分で調合するオリジナル離型剤も可能なのですが、その事だけで1ページ書けそうなのでいずれということで。

芯棒
ステンレス芯棒・・・先端の白いのが離型剤です。
離型剤
フュージョンプラス(小瓶)とオリジナル離型剤・・・オリジナルのほうが安いのでオリジナルのほうが良く使います。

徐冷材

ガラス、バーナー、芯棒、これでガラスを芯棒に巻きつけてとんぼ玉の形を作ることが出来るようになりました。
ですが、熱く熱せられたガラスは冷える過程で歪みが出来て、割れてしまいます。それを防ぐのが徐冷材になります。
バーナーで炙られている真っ赤なガラスは500度以上、それを室温30度と仮定しても室温に放置しておくと表面が急激に冷やされます。
ガラス内部との温度差により表面のガラスが縮もうとする歪みが発生し、割れやすくなってしまいます。うまく冷やすと強化ガラスになるそうですが特殊なノウハウがあるのでしょう。
とんぼ玉作りでは極力ゆっくり表面を冷ますことにより歪みを出来るだけ抑える必要があります。徐冷材は熱を保温する性質があるので、室温よりはガラスの温度変化が緩やかになり、歪みが発生しにくくなります。
主に使われるのは、バーミキュライト、パーライトなどの多孔質のスポンジのような石や、わら灰が使われることが多いようです。ビーンズライト、グローブライトなどの名前で売られているのかな。

徐冷材
手前の粒々したのがグローブライトだったはず、そのうちわら灰も試してみたいです。

バーナーワーク用のメガネ

ガラスは火の中に入れるとナトリウム光というオレンジ色のまぶしい光を放ちます。これでは炎の中のガラスの状態がよく見えません。
また、赤外線、紫外線も同時に出ていてこれが目によくないと言われています。
バーナーワーク用のメガネはこのナトリウム光をほとんど見えなくし、赤外線、紫外線もある程度カットして映してくれます。
結構いい値段しますが、長く続けるつもりなら必需品だと思っています。
とりあえず様子見でも、万が一ガラス片が破裂して目に入ると危険なので偏光めがねや最低でもサングラスをして作業することをお勧めします。普段めがねをしている人もフリップアップ式もあります。酸素バーナー用のメガネもありますが、エアバーナーで使うとほぼ真っ暗になりますので、エアバーナー用を使いましょう。

メガネ
PH202タイプレンズ

これで最低限のとんぼ玉は作れるようになりました。この他に成型する為にいろいろな工具がありますが、その辺はいずれ。

コンテンツ終わり