とりあえず作品をアップするまで、レーザー加工について書いておいてお茶お濁します。
いずれこのページで作品が見られる予定です。
ワタナベセイサクジョの最近機器であり、一番高価な加工機になります。
レーザーについては私もまだ勉強中で、怪しい部分もありますので、参考までに留めておいて下さい。
本題のレーザー加工機の概要ですが、加工物にレーザー光線を当てて、切断、彫刻を施す機械です。
身近なところではレーザーポインターなどがありますが、一般的には0.2mW程度の出力に対し、レーザー加工機は最低でも25W以上の出力があります。25W出力なら10mmのアクリルを切断することも可能です。
レーザーには主にCO2レーザー、ファイバーレーザーが加工機に使われます。
CO2レーザーは非金属加工、ファイバーレーザーは主に金属に使用されます。
CO2レーザーは10.6μmの波長を持ち、効率が良い為、広範囲の材料に用いられますが、金属加工は出来ず、専用のマーキング剤を使うことで、焼結、定着させる事が出来ます。
ファイバーレーザーは1.064μmの波長を持ち、極めて小さな焦点直径を持つことにより、金属加工を可能としています。
ここではCO2レーザー加工機について書いてあります。
非金属素材といってもピンと来ないので、代表的なものをいくつかあげていきます。
レーザー加工機といえば、やはり加工したいのはアクリルですね。透明、不透明にかかわらず彫刻、切断可能です。切断面や、彫刻跡も綺麗で、代表的な加工材です。レーザー加工用の色の重ねたアクリルなどもあり仕上がりはとても綺麗です。
次に木材、竹やMDFが良く使われます。厳密には木材ではありませんがケミカルウッドなども加工しやすい材料です。
竹などの千社札はレーザー加工機で作られる事が多いです。
次にガラスです、これは切断は不可能とされていますが、彫刻はとても綺麗に表現されます。
レーザー加工機で写真などの表現する事も出来るので、サンドブラストでは難しい濃淡表現もとても綺麗です。
レーザー加工で割と比率が高いのがゴム印の彫刻です。切断、彫刻は容易ですが、専用のゴム板でなければとても臭いです。また燃えカスが出るので、フィルターなどの集塵装置、脱臭装置などが必要です。
革や紙も綺麗に彫刻、というよりは焼印のような加工が可能です。もちろん切断も容易です。
ペーパークラフトなど正確に切断が出来るので重宝されそうです。
万能に見えるレーザー加工機ですが、塩ビ素材は加工してはいけません。レーザーにより塩化水素が発生し、人体、機械に重大な影響を与えます。また、レーザー光を集光するセレン化亜鉛レンズと塩化水素が反応すると猛毒の何かが出ると何かで読んだような気がします。
塩ビ素材でピンとくる方がいるかと思いますが、マーキングシートがまさに塩ビです。これはレーザー加工機で加工することはできません。
この問題を解決するため、オレフィン系のマーキングシートが登場しています。これならば塩化水素が発生しないので、存分に加工する事が出来ます。
レーザー加工機いいな、欲しいなと思ったあなた、潤沢な資金があるなら問題ありませんが、そうでなければ中々大変です。
レーザーを発振させるためにCO2ガスを封入されているガラス管、交換に20万円以上かかります。彫刻で約3,000時間の発振で出力が小さくなっていき、5,000時間程度で交換となります。
レーザー管は使っていなくても自然に劣化するそうなので、使わなくてもお金はかかります。
また、集光の為の高密度レンズなどその他のオプションパーツも目玉が飛び出すほど高額です。
業務用と比べると、精度や強度、レーザーのパワーは弱いものの、レーザー加工を体験するには十分な性能を持つ、オープンソースの組み立て式のレーザー加工機が販売されています。
http://www.smartdiys.com/fabool-laser-mini/
驚くべきはその値段、FABOOL LASER Miniベーシックモデルで税別59,800円と5万円台で購入する事が出来ます。レーザーの能力は1.6Wと加工できる素材は限られますが、MDFや黒色アクリルなどが切断できるのでホビーユースなら十分ではないかと思います。上位機種に3.5Wモデルがありますが、注目すべきは40Wクラスです。何と本体は20万円台、オプションなど必要にはなりますが、それでもこの価格はあまりに魅力的です。
前置きはこの辺にして、実際の加工について書いていきます。
最初は革のストラップを作ってみます。
レーザー加工をするにしても、イラストが必要です。自分で頑張るか、描いて貰いましょう。私は後者です。
と言うわけでこちらが原画になります。
めいぷるさんに描いて頂きました。
次に革にレーザーを発射した時の色の具合を見るために5%刻みのグレーの画像を用意します。
これを革に当てるのですが、その前にレーザー加工にはパラメーターが主に3種類あり、かなりシビアに調整が必要です。
一応素材ごとに標準設定があるのですが、データベースのままそのまま使用するとこんな感じになりました。
ちょっと加工データが違いますが、30%以降は真っ黒ですね。これじゃあ表現の幅が狭すぎるのでパラメーターを調整して…

大体この辺で決定としました。
この色見本を元にイラストをどう調整するか検討しました。

で、この色に大体合わせてグレースケール化します。
この時レイヤー分けされていないと調整がかなり困難です。

これでラスターデータの加工は終わりです。次にベクターデータの加工です。
とりあえず背景部分との境界線でマスクを作るなりして、境界線をベクター線でとっておきます。


この赤い線がレーザーで切断する線になります。
2枚目をよく見てもらうと線が2重になっています。
これが後々重要になります。
また、マスクの境界線と比べると、余白が大きくなっているのが分かると思います。
最初はイラストの余白0.1mmで製作していたのですが、わずかなズレがとても目立つので、最終的に0.5mm程度のオフセットをしています、。
この時にストラップホールも書いてしまいます。
で、あわせるとこんな感じ

さて、これでデータは完成しましたが、このまま加工するとレーザーによって焼けた革のゴミが表面に付着してしまいます。
なので革の両面をマスキングテープで保護する必要があります。
その前に革の裏側(床面と言います、表面は吟面)の毛羽立ちを抑える必要があるので、レザークラフトではおなじみのトコノール(製品名)で固めてしまいます。しっかり抑えることでつやも出ますよ。


革の床面の上部は無加工で、下の方がトコノールを塗って抑えています。少しは違うかな。
マスキングテープは接着力が強いと革を傷めてしまう可能性があるため、カモイミントを使用しています。
本当はもうちょっとだけ接着力が強いほうがいいんですが、入手性の良さからこれで…まだまだ検討の余地があります。
と言うわけでカットします。カット線は外側を使います。


茶色っぽいヤニが付着してしまいます。
これ拭いても取れないんですよね。なお、マスキングテープを貼っているのでイラストの加工(ラスター加工)は同時に出来ません。
それでは位置合わせが出来ないので2重になっていたカット線の内側の線でアクリルを原点にセットしてカットします。

これに先ほど切ったチルノをあわせると…

カット線の内側、外側についてですが、これはレーザーによる焼けや溶け分を考慮した為です。
革とアクリルのガイドを同一線上でカットすると、レーザーの巾、およそ0.1oの誤差が出て、正確にセットできません。特にアクリルはパラメーターによっては熱により溶けて誤差が大きくなりやすいので、注意が必要です。
印刷の際はソフト側で印刷位置を設定する方が、正確に位置決めが出来ます。レーザーの制御ソフトだと仕様の関係でかなり困難です。また、原点から下に25mm、左に25mmのの位置を印刷範囲の左上に指定していますが、これもレーザー加工機の仕様?の関係で原点付近のレーザー彫刻は色むらが出やすい…ような気がします。レンズやミラー等の調整が甘い可能性も十分考えられますが、応急的な処置として25mmずつオフセットした位置を原点としています。
というわけで、これで左上から正確に右下に25mmの位置にセットできました。
横を向けているのはレーザー加工機のラスター加工がヘッドを左右に動かすので、縦よりも時間が短縮できます。
ちなみにカットしたアクリルは革をカットする際にスペースが足りるか確認するのに使えるので保管しておきます。


気づいた方もいるかと思いますが、内部のカット線をオフセットし忘れています。再調整が必要ですね。
ついでにストラップを付けて台紙も作っちゃいましょう。、OPPパックでパッケージングもしてしまいます。

と、言うわけでレーザー加工によるストラップの完成です。
レーザー加工中の画像も近く追加します
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