6 、 文 証 ・ 理 証 ・ 現 証
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御 法 主 日 顕 上 人 猊 下 の 砌
最後に、平成17年7月9日にブラジル・サンパウロ市における、日蓮正宗開道山正法寺落慶入仏法要において、御法主日顕上人猊下が挨拶として述べられた砌(みぎり)を紹介します。
それは、日蓮正宗の正法(本門戒壇の大御本尊)の実証を示し、「現証にはすぎず」との大聖人の御金言の確かさが確信できる内容だと思うからです。
御 法 主 日 顕 上 人 猊 下 の 砌
【平成17年7月9日に開道山正法寺落慶入仏法要において】
・・・法華経には、大権力者を含めた俗人と僧侶と高僧という三類の強敵が現れ、仏に対し悪口罵詈、刀や杖の迫害、流罪・死罪等を行うことが予言されており、これを身に当てて実践し、妙法の真髄たる大人格を顕された方こそ日蓮大聖人であります。
経文の予証をそのままに起こった、これらの諸々の大難のなかで最大の難は、なんらの罪もない大聖人様を刑場において頸を切ろうとしたことであります。
泰然自若として頸の座に座られた日蓮大聖人に対し、斬首の役人がまさに刃を振るおうといた時東南より西北にかけて大光明の物体が出現して太刀取りは眼がくらみ、ついに殺すことができなかったのです。これについては、下種仏法の発迹顕本という重大な法門があり、すなわちこの時、大聖人様は凡夫身の日蓮より久遠元初根本の本仏と顕れ給うたのであります。(中略)
そして、大聖人様はその本仏の魂を本門戒壇の大御本尊として顕されました。
すなわち末法万年の一切衆生を救い導く、真実の大御本尊様であります。その御内証を拝し奉り、唯授一人の相承をもって書写申し上げる歴代法主の大曼陀羅本尊も、また本仏日蓮大聖人の御魂を宿しまいらせるのであり、この信仰に入られた皆様をお護りくださるのであります。
大聖人は『新尼御前御返事』に末法について、
「大火・大水・大風・大疫病・大飢饉・大兵乱等の無量の大災害並びをこり(中略)諸人皆死して無間地獄に堕つること雨のごとくしげからん時、此の五字の大曼陀羅を身に帯し心に存ぜば、諸王国を扶け万民は難をのがれん。乃至後生の大火災を脱(のが)るべし」
と仰せられました。
このような救済の大宣言真実であることは、普通一般の常識では到底信じ難いことであります。しかし、
「道理証文よりも現証にはすぎず」
と仰せのように、これが正しいか否かは、論より証拠、いわゆる現実の証明こそ大切であります。
大聖人様の、この妙法の大曼陀羅を信ずる万民は必ず難を逃れるという本仏の大信念、大確信のお言葉は、実に七百年を過ぎた今日において、妙法受持の功徳として判を押す如く、しかも世界的規模において、まがう方なき現実の証拠として表れております。
すなわち、十年前の日本国の阪神・淡路大震災、奥尻島の大津波、昨年の中越地方の大地震に、日本国内の多くの方々が、お気の毒にも亡くなりました。しかし、それぞれの地における日蓮正宗の信徒は健在であります。
また、六年前の台湾中部の大地震による多くの犠牲者のなかで、数千の日蓮正宗信徒の方々においては、ただ一人の犠牲者もなかったのであります。
さらには昨年12月26日、インドネシア・スマトラ島アチェ沖を震源地とする大地震による大津波の被害は、世界災害史上未曾有のことであり、インドネシア・タイ・スリランカ等、周辺諸国の数十万の尊い人命が失われたことは、まことに痛恨の極みであります。
私も1月27日よりインドネシアの首都ジャカルタを訪問し、翌28日、インドネシア信徒の方々と共に、心より妙法の功力をもって犠牲者の御冥福を祈り、かつ速やかな災害よりの復興を願い、応分のお見舞いを同政府の方に呈した次第であります。
そして、インドネシア国における災害犠牲者は三十万人以上と言われておりますがその国における我が日蓮正宗信徒も数十万人と言われております。その中で犠牲者はいったい何人出たでありましょうか。実に一人も亡くなった方がないという報告がありました。
スリランカとタイにも数千人の日蓮正宗信徒がおりますが、その両国も現在のところ、この災害による犠牲者は一人も報告がありません。
これまさしく大聖人様の「万民は難をのがれん」との御金言が過去・現在・未来の三世にわたり、十方世界中に遍(あまね)く加護があることの現実の証拠ではありませんか。
すなわち本仏大聖人の御魂は、妙法を信ずる我々皆様のところに常にましまして、末法万年を通じて妙法受持の衆生を守り給うからであります。
大聖人様が白法隠没・闘諍堅固の末法において、妙法受持弘通の先陣を切られてあらゆる大難を超克し、その大難によって妙法の偉大な力用と本仏の開顕をあそばしたことは、我々皆様もまた正しい信仰によって三世にわたる最大幸福たる成仏を得る現証であり、その手本をお示しになったとこを確信すべきであります。
正法を受持し自行化他するところ、必ず難が来ます。皆様方もこのブラジルに在って、なんらかの難を受けることがあるかも知れません。しかし強い信心をもって前進するところ、利剣をもって瓜を切る如く、正義に向かう敵はありません。大聖人様も
「悪は多けれども一善にかつ事なし」
と仰せであります。
そして本日は、大聖人様出世の本懐たる閻浮総与の本門戒壇の大御本尊様の御内証を拝し、書写申し上げた当寺常住板御本尊の入仏法要が奉修されました。皆様には、この立派に建てられ荘厳された寺院に常に参詣せられ、僧俗一致和合していよいよ信行倍増し、妙法功徳の発揚に邁進されることを願うものであります。
終わりに臨み、当寺の隆昌と信徒皆様の御健康と御多幸を祈り、本日の挨拶といたします。(『大白法』第673号の記事より抜粋、色字は筆者による)
「此の五字の大曼陀羅を身に帯し心に存ぜば、諸王国を扶け万民は難をのがれん。乃至後生の大火災を脱るべし」は、「道理証文よりも現証にはすぎず」の御教示の通り、現実の生活の中で実証されているのです。
「すなわち本仏大聖人の御魂は、妙法を信ずる我々皆様のところに常にましまして、末法万年を通じて妙法受持の衆生を守り給うからであります。」と御指南されています。