3 、 釈 尊 の 本 意 を 経 文 か ら 探 究 す る
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経 典 に 説 か れ た 末 法 − 白 法 隠 没 −
釈尊は、自らの入滅後の未来について、正法、像法、末法という三つの時代があることを説き、それらは経文に記されています。
三時については各経典に異説があるものの、説くところの内容は一致しています。すなわち釈尊滅後には、正法、像法という時代が有り、これらの衆生は本已有善(過去において仏になるための妙法の種をすでにもらっている)の人々であり、その妙法の種が長い流転の人生において調熟し釈尊の教えによって妙法を覚知して脱益(成仏)できたのです。これを種熟脱の三益と言いますが、末法の時代は、こうした本已有善の人々はいなくなり、下種(成仏するための妙法の種)を受けていない三毒(「貪」[貪り執着する機根が強い者]「瞋」[嫌悪や憎悪の機根が強い者]「痴」[真理や道理に暗く愚かで無知な者])が強情で、さらに怒りや慢心等も強い本未有善(仏になるための妙法の種を受けてない)の人々だけの濁乱の時代になります。
そして、五濁(劫濁、煩悩濁、衆生濁、見濁、命濁)悪世の時代であることが説かれています。したがってこの末法に入ると、もはや釈尊の熟脱の法では救える衆生たちではなく、釈尊の法(白法)が隠没して効力が無くなることを説いています。
白法隠没とは、病人にたとえると、正法時代や像法時代までの衆生は本已有善の軽症患者であり、釈尊の与える薬(教え)で治癒(成仏)出来たのですが、末法に入ると本未有善の重症患者だけになり、病に効くより強力な特効薬(妙法の種)を与えることができる人でないと、もはや治癒(成仏)が出来ないという、釈尊の法が隠没する時代になると説いています。
正 像 末 の 三 時 【『大集経』より】
【正法時代】(釈尊滅後1000年間)
●第一の五百歳→解脱堅固(仏法によって証を得て誤りのない時代)
●第二の五百歳→禅定堅固(禅定が盛んに行われて証を得る時代)
↓
【像法時代】(釈尊滅後1000年〜2000年の間)
●第三の五百歳→読誦多聞堅固(経文の読誦や教義が行われて利益のある時代)
●第四の五百歳→多造塔寺堅固(塔や寺が盛んに建造されて利益のある時代)
↓
【末法の始め】(釈尊滅後2000年)
●第五の五百歳→闘諍堅固・白法隠没(争いが盛んになり、釈尊の仏法の利益がことごとく隠没する時代)
