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- No. 009
私
地球。
そこには、1千万種ともいわれる生き物と、
70億近い人々が暮らしている。
私もその一人。
でも私は、この地球に起きている様々な問題をうまく想像できない。
そういう問題に対して、自分が何をすればいいのかも、わからないでいる。
地球の現状を現したデータマップを手がかりに、地球のこと、未来のことを、私なりに考えてみようと思う。
地球データマップ 温暖化する地球
ここ10年ほど、世界各地で天候の異常が深刻化しています。
- ヨーロッパ各地では、観測史上最高を記録する熱波。
- シベリアでは、乾燥が続き、森林火災が多発。
- 一方、東南アジアでは、豪雨が続き大洪水が発生。
- アフリカでは、局地的な豪雨の影響で、バッタが大量発生。農作物を食べ尽くしました。
- アメリカでは、史上最高の数にのぼる竜巻が、各地に被害をもたらしました。
これらの異変は、更なる天候異常の始まりにすぎない。そんな指摘も聞かれます。 そして、その原因として挙げられているのが、地球温暖化なのです。
これは、地球温暖化を予測したデータマップ。
現在の経済発展が、今後100年間続いた場合の地球の温度を示しています。
陸地では、至る所で4度以上の上昇。
中でも、北極圏では10度近くも上昇するとされています。
衛星から見た北極海の様子です。
20年あまりの間に、広い範囲の氷が既に解け出しているのがわかります。
地球上の氷が大量に解ければ、世界の海の水位が上昇します。
国連機関がまとめた試算では、最悪の場合、2100年に88センチも海面が上がると予測しています。(IPCC地球温暖化第三次レポートより)
地球の歴史のなかで、数千年続いた気象安定期が、いままさに終わろうとしているのかもしれないのです。
私
地球温暖化。言葉は聞いていたけれど、そこまで大変なことになっているとは知らなかった。
しかも、地球に住む誰もが影響を受ける。
どうしてこんなことになってしまったんだろう。
地球温暖化を引き起こしている最大の原因は、大気中の二酸化炭素(CO2)の増加です。 二酸化炭素が増えるとなぜ地球が温暖化するのでしょうか。(地球温暖化のメカニズムとは?)
- 地球の表面は太陽の熱で暖められます。
- 一方、暖められた地表からは、熱エネルギーが赤外線として放射され、大気を暖めながら宇宙に出ていきます。
- ところが二酸化炭素は赤外線を吸収する性質を持っているため、二酸化炭素の量が多ければ大気はより暖まります。
- 地球全体が温かい毛布ですっぽり包まれた状態になるのです。
では、大気中の二酸化炭素はいつ頃から増え始めたのでしょうか。
実は、南極の氷の研究でその実態がわかってきました。 南極の氷は、32万年前から積もった雪が氷となって、年代順に重なってきたことがわかっています。 その氷の中に含まれる空気を調べれば、その時代の大気の成分がわかるのです。 このグラフは、そうしてわかった二酸化炭素の濃度の変化を表したものです。
二酸化炭素が増加を始めたのは、1750年頃。その頃、地球にいったい何があったのでしょう。
それは産業革命です。
大量生産の時代が始まりました。 新しく登場した動力。それは、石炭や石油といった化石燃料を燃やしてエネルギーを得るものでした。 その時に大気中に吐き出されるのが、二酸化炭素です。 二酸化炭素を出せば出すほど、経済の発展につながるというしくみを人間は作り出したのです。
地球上の炭素の動きをみてみましょう。
- 生き物が吐き出す二酸化炭素は、植物が光合成によって酸素に変えています。
- その時、植物の中に炭素が蓄積されます。
- やがて植物が枯れると、炭素は土の中で何万年もかけて石炭や石油となるのです。
これが長い時間かけて行われる地球の営みでした。
しかし、産業革命以降、人間は地中からそうした化石燃料を採りだして燃やし、 大気中に二酸化炭素としてばらまいたのです。 さらに森林も伐採したため、吸収する植物も減り、二酸化炭素は益々膨れ上がりました。 人間は、長い間地中に封印されていた炭素というパンドラの箱を開けてしまったのです。
私
毎日の私の生活では、必ずエネルギーを使う。
ガスも電気も、化石燃料から作られるものが大部分だ。
使えば二酸化炭素が出る。
買ってきた食べ物は、包装されていたり、加工されたものだったり、その過程で必ず化石燃料を使っているはずだ。
お店に運ぶのだってガソリンが要る。
二酸化炭素を出さない生活なんてありえない。
日本人は平均して、年に10トン近い二酸化炭素を出しているそうだ。
でも私には、それを実感することはできない。
南太平洋の島国、ツバル。
地球温暖化のために、世界でいちばん最初に沈む国だと言われています。
この国の海抜は、平均でわずか1.5メートルしかありません。
人々は、漁やタロイモの栽培で、自給自足の生活をしています。
自然豊かなこの島に、海面上昇という地球温暖化の影響が出始めています。
このヤシの木はかつては垂直にそびえていました。
それが今では大きく曲がり、根元まで波が打ち寄せています。
やがては木が倒れ、土ごと流されてしまうのです。
ツバルでは、この20年の間に国土の7%にあたる海岸が、波に削られました。
更に最近では、年に数回、島のあちこちで洪水が起きるようになりました。
これは雨によるものではなく、地面から海水が湧き出て起きる現象です。
珊瑚礁でできているツバルの地面は、ちょうど軽石のように穴が沢山開いているため、周囲の海面が上昇すると、島の中でも水が噴出してしまうのです。
水は海水なので、タロイモ畑に入るとその影響は深刻です。
このまま地球温暖化が進み海面が上昇すれば、やがては島そのものがなくなってしまう。
人々の不安が現実のものとなり始めています。
私
この同じ地球上に、温暖化の影響で不安な生活をしている人たちがいる。
私たちが何の意識もなく、毎日出し続けている二酸化炭素が、あの島の人たちを大変な目に合わせているのだ。
インターネットでこんな画像をみつけた。
人工衛星から見た地球。
明るい所ほど、電気を沢山使っている所。
アメリカ、ヨーロッパ、それに日本。
先進国は、宇宙から見てもわかるほど電気を使い、二酸化炭素を沢山出している。
私たち先進国は、世界中に迷惑をかけてしまう。
皆で二酸化炭素を減らす方法を考えなければ。
1997年12月。京都。ここで地球温暖化防止について話合う国際会議が開かれました。
150カ国以上が参加し、合意した京都議定書。
内容はこうです。
先進国は、二酸化炭素などの温室効果ガスを、2008年から2012年の間に、1990年のレベルよりも、およそ5%削減する。
減らす量は、国ごとに決められました。
日本は1990年より6%減らすことになり、世界の国々とその達成を約束しました。
しかし日本では、その後も二酸化炭素の排出量は増え続け、今では逆に8%も増えてしまっています。
合計14%も削減しなければならない計算です。
工業生産などの経済活動を続けながら、二酸化炭素の排出量を減らしていくのは、とても難しいことなのです。
そんな取り組みを、他の先進国はどのように進めているのでしょうか。スウェーデンのストックホルム市です。
この団地(ハンマルビー団地)で使かわれている電気やガスといったエネルギーは、石油ではなくゴミから作られています。
調理に使うガス。これはバイオガスと呼ばれる廃棄物から作られたガスです。
この団地にバイオガスを供給しているのは、市の下水処理場です。
下水に含まれている人間の排泄物を、タンクの中で発酵させて作ります。
ストックホルム市では、ゴミも重要なエネルギー資源です。
家庭から出たゴミは、郊外のゴミ発電所に運ばれます。
石油や石炭を燃やす代わりに、ゴミを燃やし電気を作るのです。
家庭から出た下水やゴミを、ガスや電気といったエネルギーに変える。 こうした循環を作ることで、石油の消費を減らし、二酸化炭素の発生を抑えているのです。 スウェーデンでは、このバイオ燃料が国全体で使用するエネルギーの16%にまで達しています。 今では、原子力、石油に次ぐ三番目のエネルギーです。
いったいなぜスウェーデンでは、バイオ燃料をここまで普及できたのでしょうか。 バイオ燃料用に開発された自動車のケースでみてみましょう。
バイオ燃料車は、エンジンも燃料タンクも通常のくるまとは違うバイオ燃料専用です。 政府は、そのくるまにかかる税金を安くしました。 さらに、燃料にかかる税金も割安です。 通常のガソリンは1リットル150円。 ところがバイオガスは、エネルギー税と炭素税が免除され、一割も安くなっています。 自治体もバイオガス車を優遇しています。 公共駐車場の料金や通行税を免除しました。 スウェーデンでは、バイオガス車を選んだほうが得になるようなしくみを、社会全体で作ったのです。 これが、バイオ燃料が普及した鍵でした。
私
新しい世の中のしくみを作って、二酸化炭素を減らす。
私たちの社会だって出来るはず。
この地球上の生き物すべてのために、一刻も早く始めないと。
2007年の夏至の日、東京タワーの近くで、ちょっと変わったイベントが行われた。
電気を消してローソクの明かり時を過ごそうという全国キャンペーン、『100万人のキャンドルナイト』。
毎日、膨大な量のエネルギーを使っている私たちの暮らしを、
ちょっと立ち止まって見直してみようというものだ。
なるべく二酸化炭素を出さない暮らし。私が意識することで変えられる。 私なりに無理のない方法で始めようと思う。
9th Jan. 2008
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