●高ビタミンC療法
ビタミンCの血中濃度が低下しているがん患者
『カゼとビタミンC』(70年)で有名なライナス・ポーリング博士(1901〜94、ノーベル化学賞1954、ノーベル平和賞1962)は、さらに『がんとビタミンC』(1979)を著わし、ビタミンCの大量投与によるがん治療を提唱しました。
「がん患者の血中ビタミンC濃度は著しく減少している。まず、がんという病気で減る、食事から摂取量が減る、吸収・利用度が減る、代謝速度が速くなる、入院生活がストレスになる、放射線療法などのがん治療によって減る、抗がん剤の服用で薬物代謝系がフル回転して減るなどです」(村田晃佐賀大教授)
したがって、がん患者はビタミンCを大量に摂ってビタミンCの濃度をあげ、防御機能を高める必要があるのです。
抗がん剤や放射線療法の副作用を軽減
化学療法や放射線療法による重大な副作用は免疫抑制、骨髄抑制といわれ、簡単に回復しません。白血球の数は回復しても、その中で有効なリンパ球は回復していないばあいがあり、治療前からビタミンCや高麗人参の服用が有効です。
ビタミンCの研究が進み、所要量をこえて大量に摂取すると、欠乏症を防ぐというビタミンとしての働き以外に、分子生物学的、生化学的、生理学的、薬理学的な多様な働き・作用をすることが明らかになっています。ビタミンCの多様な働きのなかから、がんに関する働きをあげてみます。
ビタミンCの多様な働き
(1)活性酸素を捕捉する抗酸化(還元)作用で細胞のがん化を防ぐ。
(2)ストレスから守ってくれる。
ストレスをうけると副腎皮質ホルモンを分泌してストレスに対する防御態勢をとります。このホルモンは人体をストレスの害から守ります。このホルモンが分泌されるとビタミンCが急激に減少する。ストレスでビタミンCがなくなります。ビタミンCは体内で合成されないので、不足したらすぐ補わねばなりません。
(3)白血球やマクロファージの機能を高めて免疫能を増強する。
(4)抗がん活性を有するインターフェロンの産生をうながす。
インターフェロンの生成を促進する働きによって、がん細胞の増殖を抑える。
(5)薬物代謝にかかわって発がん物質を解毒し、体外に排泄する。
(6)胃がんの原因となるニトロソアミンの胃中での生成を防ぐ。
(7)ウイルスを不活性化する。
わたしががんで入院中は1日に三十〜五十gのビタミンCの大量点滴をうけました。また、出産直後大量の出血があったので、三千ccの輸血を受けました。このとき同時にビタミンCの大量投与をしてもらったので、その後、輸血が原因でおこるさまざまトラブルが一切おこりませんでした。肝炎ウイルスを抑えたのです。
『新ビタミンCと健康』(村田晃著 共立出版)
ポーリング博士のビタミンC療法
がん患者に大量のビタミンCを投与して体をビタミンCで満たすと、がんと闘う免疫能が高まります。ポーリング博士は、このようなビタミンCの働きに注目して、がんの治療に取り入れたのです。
ポーリング博士は次のような画期的なビタミンC療法の成果を報告しています。「末期がん患者百人に一日十gのビタミンC投与を続けたら、九十人までが予測の三倍の生存日数を記録し、残り十人は二十倍もの日数になった」
つまり、ビタミンCの大量投与によって、百人中九十人は一力月しか生きられないところを三力月生き延び、残り十人は二十カ月も延命できました。また、「これらの患者たちのほとんどが、痛みが軽減し、気分がよくなり、食欲も出てきた」という効果もありました。(図)
ポーリング博士は、このような研究結果に基づき、すべてのがん患者に、ビタミンCの大量摂取を治療のできるだけ初期から始めるよう強く薦めています。それが、がん治療に伴う副作用を軽減させ、がん患者の抵抗力を増強させ、がん治療の成績を劇的に向上させてくれるというのです。ビタミンCの大量投与は食欲を増進させる、精神的に落ち着き全身状態がよくなる、痛みが軽くなる、抗がん剤の副作用を抑えるなどの働きもあります。ポーリング博士はビタミンCでがんが治ると言っているのではなく、通常の治療法を補完してくれるものとして推奨しているのです。『ポーリング博士のビタミンC健康法』(ライナス・ポーリング 平凡社)
通常療法を補完するビタミンC療法
ゲルソン療法で有名なメキシコのコントレラス病院のビタミンC療法が次ぎのように紹介されています。「患者たちは朝食時、点滴用のスタンドをがらがらと引っぱって食堂にやってきて、ビタミンCを点滴しながら食事をとる。入院当初の三週間はビタミンCの大量点滴(1日十~二十g)をするのが、コントレラス病院では標準的な処方になっている」(『がんを制したコントレラス療法の実証報告』今村光一、経済界)
また、英国のブリストル・がんセンター(BCHC)では、ビタミンCを一日に錠剤で六g摂らせています。
ビタミンCは安価で安全ですから、真っ先に、がんの治療と予防に積極的に取り入れたいものです。