本 『ブリット』(Mute Witness)

著者 ロバート・L・パイク   訳者 渡辺 栄一
出版社:早川書房


●ストーリー
  ニューヨーク、52分署のクランシー警部補は、地方検事補チャルマーズの呼び出しを受ける。西海岸の組織犯罪に関わる男ジョニー・ロッシが州議会犯罪委員会で証言するというのだ。クランシーの任務は委員会までジョニー・ロッシを護衛すること。部下2名と共に警護任務に就くクランシーだったが…。
●感 想
  ロバート・L・パイクの原作、邦題の「ブリット」というのはスティーヴ・マックィーン演じる映画版主人公の名前。原作主人公の名前はクランシーなので、タイトルと内容は無関係。大事な証人を殺害され、その犯人を追うクランシーの捜査が描かれる。映画と違ってアクションは控え目、というかほとんどなし。映画で有名なカーチェイス&空港での追跡は原作にはない。地味な聞き込みや尾行で捜査を進めるクランシー警部補。でもタイムリミット付で殺人犯を追うサスペンス感はなかなか面白い。失敗すれば首がとぶギリギリな捜査活動、付き合わされる部下は大変だ。追い詰められたクランシーに活路はあるか?


映画 『ブリット』(Bullitt)

製作年度 1968年 製作国 アメリカ  上映時間 114分
監督 ピーター・イエーツ
製作 フィリップ・ダントニ
製作総指揮 ロバート・E・レリア
脚本 アラン・R・トラストマン 、ハリー・クライナー
音楽 ラロ・シフリン
出演 スティーヴ・マックィーン 、ジャクリーン・ビセット 、ロバート・ヴォーン 、ドン・ゴードン 、サイモン・オークランド 、ロバート・デュヴァル

●感 想
  ピーター・イエーツ監督の映画『ブリット』は、主演のスティーヴ・マックィーンがひたすらカッコいい刑事物。冒頭のタイトルロールからスタイリッシュな映像で惹き付けられる。原作の舞台はニューヨークだが、映画ではサンフランシスコに変更。あの坂道を存分に活用したカーチェイス・シーンは迫力満点。マックィーンがスタントなしで撮影に挑んだ伝説的な名場面。チャーマース上院議員役のロバート・ヴォーン、この手の憎まれ役にはハマりますね。ブリットの恋人役、ジャクリーン・ビセットも美しい。夜の空港でのクライマックス、旅客機の足元を駆け抜ける追跡劇も緊迫感あり。ラストシーンも渋くてイイ。カーチェイスや空港でのアクションは原作にはない追加要素だが、映画として盛り上がる素晴らしい見せ場になっている。原作ではある人物のせいで捜査が横道に逸れそうになるゴタゴタがあるのだが、映画ではその部分をカットして本筋に絞っているのも正解だと思う。ハードボイルド刑事アクションの名作。

2007/04/18




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