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花にあふれた世界から学ぶこと
地球上にはありとあらゆる生物がいますが、そんな生物たちの進化史上で最も成功した例は、花と昆虫の「共進化」なんだそうです。
花は蜜という貴重な栄養素を提供することで、ミツバチなどの訪花昆虫をおびき寄せます。ミツバチなどは花粉まみれになりながら蜜を集めて回ることで、花の受粉を助けます。
そういう助け合いがここ1億年足らずの間に盛んに繰り返されていった結果、今地球上は、あらゆる種類の花と昆虫であふれかえっているのです。そういう理想的な、花と昆虫の共進化がなかったら、世界は花の少ない違った姿になっていたのかもしれません。
こういう、お互いに利益を与えあって、相手の生きる機会を増やしあう互恵的な関係が、双方の種の繁栄のためには、最も持続的で理想的な関係なのです。こういう関係のあり方が「共進化」と呼ばれます。
では逆に、相手を滅ぼそうとしたり、相手と戦ったりするやり方はどうでしょうか。
がん細胞やエイズウィルスは、その寄生している宿主をどんどん蝕んで勢いよく繁殖していきますが、最後には宿主を殺してしまうため、その時点で自分たちも死滅してしまうことになります。また同時に、抗がん剤やワクチンといった、相手からの対抗戦略、反撃も誘発します。
「戦う」「滅ぼす」という、片方が一方的に利益を得るような戦略は、結果的にあまり利口なやり方ではないと言えそうです。「共進化」とまではいかなくても、せめて「共生」した方がマシなのです。
さて、ヒトは、ここ「数百年」の間に地球上で爆発的に繁殖した生物種の一つですが、他の生物に対してどんな戦略をとってきたでしょうか。
誰がどう見ても、一方的に利益を得る「戦い、滅ぼす」戦略であったことは否定できません。たくさんの生き物を絶滅させてしまった今になって、やっと自然との「共生」なんてことが叫ばれているのが現状です。
ちなみに、ヒトという種のなかの関係、つまり「人間関係」においても、アメリカと第三世界の関係を例に挙げるまでもなく、片側利益的な戦略ばかりが取られているようです。もっと身近で日常的な、個人対個人の人間関係であっても、そういう傾向はあるのかもしれません。
こういうがん細胞のような戦略を続けていれば、結果的にどうなるのかは目に見えています。
現実には、「互いに恩恵を与え合う関係」なんて偽善的なことを言っていたら生きていけない状況だったりもします。しかし、やはり理想はそれであることに変わりはないですし、部分的にでも、そういう関係を築いていくことは十分できるのです。
互いに戦うことのデメリットは、精神的にも肉体的にも疲れる、という形で現代人はすでに実感しているはずです。せっかく美しい花にあふれた世界に住んでいるのですから、そろそろ花とミツバチみたいな賢い関係を目指してもいい頃なのかもしれません。少なくとも、当社と関わる方々とは「共進化」していきたいものです。
代表取締役 南村 英伸
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