眼振のある子を教えて下さる先生方へ
「眼振」とは、目が常に不随意な動きをするという、複雑な目の病気です。治療法はありません。めがねやコンタクトレンズは視力の不足を補うために用いることがありますが、眼振を矯正することはできません。
症状はいろいろありますが、ほとんどは視力が弱いです。疲れているとき、ストレスを感じているとき、不慣れな環境にいるときなどは目もより動くようになり、それゆえ見え方も悪くなります。頭を一方に向けることによって目の動きが抑制され、より良い視力を得ることができることがあります。これは代償的な頭の位置なので、それを直すよう注意しないようにしてください。
眼振のある生徒が学校生活を満足に過ごせるようにするために、まわりの人に理解してもらったり援助してもらったりすることが必要になることもあります。以下は、援助するための方法の例です。(それぞれの生徒によって必要な状況は違います。)
□字は大きく、太い字を用いるようにしてください。
□どうすれば見やすくなるのか、どういうときに見えづらいのかなど、視覚的に必要な状況をきいてあげてください。しかしながら、継続的にきいたり、過度に注意したりすることは避けてあげてください。
□その子専用の本やプリントを与えてください。隣の人と一緒に読むということはむずかしいです。OHPを用いる場合は、もしできるなら、実物を見せてあげたり、実物やその内容をコピーした物をあげたりしてください。
□拡大することで見やすくなることもありますが、よいコントラストでも十分です。
□ワークはつや消しの紙で、違った色を使っていて、線の間隔があいているものが利用しやすいです。
□その生徒にとって最もよく見える座席はどこかきいてあげてください。黒板の目の前やその近くということもありますが、一方の側ということもあるでしょう。
□物を見るときに、目の近くまで持っていったり、頭を傾けたり、ほかの体の位置を変えることによってよく見えるようになる場合がありますので、無理に止めさせたりしないようにしてください。
□よりよく見えるようにするために、いろいろな補助具があります。補助具を使えるようにしてあげてください。(使用にあたっては専門の指導を受けることが望ましいので、盲学校や弱視学級に相談してください。転校する必要はありません。入学までに練習しておくことが望ましいです。)
□光に過敏な場合があります。強く明るい光の下では、医師の処方による色つきのめがねや帽子・日よけなどを使わせてあげてください。
□黒板に書いているときは、書いている内容について大きな声で読んだり、図表をことばで説明してあげてください。
□課題を仕上げたり、ものを調べたりするのに時間がかかる場合がありますので、十分な時間を与えるようにしてください。
□よい照明は大切です。光源が生徒の後ろで、見られている物へ当たっているようにしてください。壁や黒板や紙の表面のつや消しは、光の反射を防ぎます。
□字・形・線と背景とは、しっかりと色のコントラストをつけてください。また、よい間隔をとるようにしてください。
□教科書などを読むときについていけるようにするのには、暗い色のカードを使ったり、指でなぞったりするといいようです。
□ゲームにおいて速いボールの動きについていくのはむずかしいことがあります。
□壁の表示・掲示物などで参考にしなければならないものは、目の高さに置かれるようにしてください。
これはイギリスの眼振のある人の会Nystagmus Networkによって作られたカードをもとに、日本の弱視学級の先生のアドバイスをいただいて作ったものです。(2000.10)