「露伴先生?いいんですか?勝手にのび太君の部屋に入って。」
「ああ、急を要する取材なんだ。それにしても出来杉君。
君が僕のファンで協力を申し出てくれたときは本当に助かったよ。」
「のび太君、何か良くない事でもしたんですか…?」
「…いや、ただの取材だよ。それにしても興味深いな。
この男は『目立たないように目立たないように』人生を送ってきている。
見ろ。このテストや宿題。全て『0点』…。
決して学校のヒーローにはなっていない。
しかも何が得意なのかわからん。
スポーツ? 音楽? 作文?
もちろんワザとだ。『高い知能と能力を隠す』
それが最もトラブルに出くわさないということだと知っている。
何か彼の趣味のでも見つかればと思ってこの部屋に来たんだが…。」
「『趣味』?そう言えば下の引き出しにテープがいっぱい入ってたんですけど。」
「ビデオテープ?よし、取材用のカメラで再生してみよう。」
ウイイイイイイイイイン
「なんですかね?これ?」
「どうやら『風呂』のようだな。」
「え!?えええええええ!風呂!?なんでこんなに『風呂のビデオ』を集めてるんだよ!!
誰の風呂だよ!!まさか!!」
「いや、これは『しずかちゃん』の『風呂』だ。
ひみつ道具を使って『しずかちゃんの風呂』に潜入するのが趣味らしい。
一緒に入っていたノートに盗撮のデータと
使ったひみつ道具を全部丁寧に書きこんである。
平凡を装う男の異常な趣味を見つけたって所だな。
見ろ。」
「ゲ!!」
しずかちゃんのお風呂をフル盗撮!!絶好調!!誰も僕を止める事は出来ない!!
「『絶好調誰も僕を止める事は出来ない』!!このデータは占いだ。
野比のび太は盗撮の出来る長さで自分の体調を占ったらしいな。」
「なんて奴だ!!」
カチリ
「コッチヲ見ロ!コッチヲ見ロ〜〜〜!!」
「なんだ?これ?机の上の?戦車の…ラジコン!?」
ギャリ ギャリ ギャリ ギャリ
「うわあああああああ!なんだこのラジコン!!襲ってきたああ!!」
「やれやれ出来杉君。この岸部露伴と居て本当に良かったな。」
ヘブンズドアー!!」
ズギュウウウウウウウウン!!
「良し、『本』にしてやったぞ。そして『命令』を書きこむ!『岸部露伴と出来杉を攻撃できない』!!
何々…?スタンドの名前は『スーパースリー』本体の名は『骨川スネ夫』
ラジコンの形をした自動追跡型のスタンドで3つのタイプに変形できるか…。」
「 自動だが基本的に本体の指示が必要か…。この部屋に何かを探しに来たらしいな…。
ん?ここは?小さくて読みづらいな。ラジコンだから…命令は常に書き換わる…?
さっき、操作があった…?……だから……岸部露伴を…攻撃できる!
『攻撃できる』だと!?なんだってえええええ?こいつ動き出したぞ!!」
「いいぞ。スーパースリー…!すでに部屋を探りに来た奴が居たとは…。
……のび太の部屋からあれを先に見つけ出さないと…。」
ドゴ! ドン! ドカアアアアアン!!
「クソ、コイツどうやら単純な動きしか出来ないようだが…。
この戦車!!弾の威力は小さいとはいえ本物だ…。
なんとかもう一度『本』にして命令を書きこむしかない!!
ヘブンズ ドアーーーーーーーーー!!」
ドギャアアアアアアン!! ギュウウウウウウウウウウウン!!
「今度は飛行機になりやがった!!速過ぎる!!命令を書きこむ事ができん!!」
「攻撃力は劣るが…戦闘機の姿になればスーパースリーに攻撃は当たらない。
やれ!敵を倒すんだ!!僕のスーパースリー!!」
ギュイイイイイイイイイイイイン!!
「速過ぎる!!もう動きも読めないし、攻撃をかわす事もできん!!」
「露伴先生!!」
「おい!出来杉君!!君だけでも逃げたまえ!!
いつまでも机にしがみついてるんじゃあない!!」
「これでいいんですよ。露伴先生。さっき読んでもらった情報で充分なんです。」
「何を言って…おいちょっと…。」
ドギュウウウウウウウウン!!
「ここは!!まさか机の中か!!」
「机の中の『タイムマシン』です!!僕には動かし方はわかりませんが、
ここなら奴は追って来れない!!そしてこのことも本体にはわからない!!」
「なるほど…確かに…。おおおおお、これがタイムマシンかあ〜〜〜。
いいぞ!いいぞ!創作意欲がどんどん湧いてくる!!」
「あの…露伴先生?」
「侵入者が消えた…?どういうことだ?スーパースリー?
クソ、その場の状況が完璧にわからないって言うのが
自動追跡型の弱点だなあ…。
そしてやはり『スペアポケット』は…!!
のび太が用心深く身に着けていったようだな…。追うぞ!!」
⇒TO BE CONTINUED
岸部露伴‐溢れる創作意欲のために半日以上机に留まっていた。
出来杉英才‐この後犬の散歩に行った。
番外
「しかし… のび太くんの家でみたあのラジコン… 一体何だったんだろうか…?
なにかこう…透けていたような…」
「露伴先生に聞きたいところだけど… 漫画で一生懸命だし邪魔しちゃ悪いよね」
「家に帰って調べてみよう」
「……そうだ!のび太くんが静ちゃんを盗撮してたこと、伝えなくちゃ!」
「でも誰に… 警察は… まずい 静ちゃんのプライバシーも考えないと…
静ちゃん本人… には内緒にしておこう きっと傷つくだろう」
「やはりここはのび太くんに直接注意しに行こう」
「探さないと…」
本来ならぼく、出来杉英才の役目はここまでで終わりだった…
岸辺露伴という人の取材につきあっただけなのだから…
しかしぼくはのび太を探した
あとあとまでのび太に関わり合うことになるのだ… なぜなら…
この町の恐怖を背負う人なのだから…