La Bataille D'Aomori

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関連図書・現代

06/11/26 更新)

タイトル

ミグ25事件の真相 闇に葬られた防衛出動

著者

大小田八尋

出版社

学研M文庫 2001年8月初版

感想等

ミグ25事件当時、ベレンコ中尉操縦のミグ25が強行着陸をした函館空港を管轄としていた第28連隊が所属する第11師団の法務官をしていた著者による、いわゆる暴露本である。ソ連軍ゲリラが函館空港を強襲、ミグ25を奪還(または破壊)するというスイス駐在アメリカ大使館付武官からの情報に基づき、陸自がとった「事実上の防衛出動」という(公表されていない)事実を風化させることなく、広く知らしめようというのが著者の意図である。また、著者は更に論を進め、無能なるシビリアン(当時の三木首相が防衛出動命令を出さなかったのは、命令を出すことによる永田町での政争への影響を心配してのことだと、著者は分析している。)に国防(危機管理及び狂気管理)の責任を負わすことは妥当なのかということまでを問題提起している。確かに重要な問題ではある。しかし、かなり危険な考え方に思われるのだが、いかがだろうか。

防衛出動の権原者たる首相からの文書命令がないままに行われた「事実上の防衛出動」であり、文書等の証拠がまったくないため、著者の言う「事実上の防衛出動」が本当にあったことなのかどうかは立証できない。しかし、著者がいう「事実上の防衛出動」が本当だとすれば、明らかな憲法違反であり、看過できないものなのではないだろうか。本書においては「独断専行」なる言葉が盛んに使用されている。命令がない状態で、現実問題として国防の責を担ったとされる人々の当時の思いなど、しっかりと考えた上で、自分で判断してもらいたい。

061126追記
 民放だったと思うが、先日、この件に関する特番が放送されていた。当時の連隊長など関係者のインタビューを交えたものとなっており、なかなかよい番組だった。途中からでもいいから録画するべきだった。

タイトル

自衛隊指揮官

著者

瀧野隆浩

出版社

講談社 2002年2月第1刷

感想等

防衛大学卒の著者(現在「サンデー毎日」編集次長)による、「自衛隊組織の存亡を賭けたともいうべき、四つの事件」に関係した4人の指揮官へのインタビューを基にした記事と、同時多発テロに関連した記事をまとめたものである。四つの事件とは、地下鉄サリン事件(1995)、不審船事件(1999、海上自衛隊初の海上警備行動)、ミグ25事件(1976、事実上の防衛出動)及び12・9警告射撃事件(1987、航空自衛隊初の警告射撃)である。

その本来の存在意義、目的が理解されていない現在の自衛隊という組織の中で、自衛隊員各個人がどのような思いで任務に励んでいるのかを、「存亡を賭けたともいうべき」事件の関係者へのインタビューを通じて伝えるという手法により、著者の思いをつづった作品である。その中心は、現状への不満、よりよい方向へ推移することへの希望を込めた期待といったものであると感じた。また、どうしても、ある意味で身びいきになっているのでは、と私には感じられてしまう部分もあるが、その点は大きな問題ではなかろう。

本作品においても語られているが、政治的判断を優先させて、自衛隊が本来果たすべき役割に制限をかけている現状に対しては、私は強い憤りを感じている。戦場に派遣しておきながら、後方地域にいるだけ(支援すらしていない)の人間が、武器の使用すら現場で判断できないようにしていることなど、言語道断である。それに、今回の小泉のやり口はあんまりだよ。

ミグ25事件に関連して、当時の中隊長をして「上級指揮官を信用できなくなった」との言葉を残さしめている自衛隊、ある海岸線に他国の武装していると思われる部隊(北でしょうね。)がたどりつくかもしれないという情報に基づいて隊員を出動させた際に、「小銃携行、弾薬なし」と命じた部隊長がいる自衛隊、こんなんでいいんだろうか。

タイトル

現代紛争史

著者

山崎雅弘

出版社

学研M文庫 2001年11月初版

感想等

やられた! が偽らざる感想だ。騙されてしまった。私の不注意なのだが、本書に収められているもののうち書き下ろしは1作のみ(下記参考)であり、その他は全て歴史群像誌において発表されたものなのだ。歴史群像誌を持っている私は無駄な投資をしてしまったのだ。書き下ろし1作なら、買わなかったのに。なお、本書には、書き下ろしが1作しかないことはどこにも記載されていない。騙しに近いぞ、学研!(著者が悪いわけではない。全ては学研の問題だ。)
とはいうものの、一応、全作品を読んだのだが。

  1. アフガニスタン紛争 「歴史群像No.46」
  2. イラン・イラク戦争 「歴史群像No.47」
  3. フォークランド紛争 「歴史群像No.44」
  4. 国共内戦      「歴史群像No.49」
  5. イスラム原理主義勢力の戦い

 

タイトル

ドキュメント ヴェトナム戦争全史

著者

小倉貞男

出版社

岩波現代文庫 社会110 2005年4月15日第1刷

感想等

ヴェトナム戦争のことなど、歴史群像誌の記事程度のことしかわからない私にとっては、ゲーマーの入門書としては少しばかり毛色(経路か?)の違う作品ではあったが、有意義な読書であった。毛色が違うというのは、本書はいわゆる戦史ではなく、政治史である点であり、経路が違うというのは、本書が一般的であろうアメリカ側の視点からのものではなく、ヴェトナム側の視点からまとめられたドキュメントであるためだ。当時の重要人物へのインタビューや公式資料に基づいてまとめられた本書は、アメリカ側の視点からまとめられた作品では知り得ない内容を含んでいるのであろうと推察される。その意味では重要なものと言っていいのかもしれない。本書は1992年に出版されたものであり、ヴェトナムのその後の経済的な発展は扱われていないが、文庫化にあたり加筆してもらえればもっと良かったのではないだろうか。Khe Sahn, 1968 (AtO)なんてプレイすることはないだろうと思っていたが、少しばかり興味が出てきた。05年11月読了。

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タイトル

敵対水域

著者

ピーター・ハクソーゼン、イーゴリ・クルジン、R・アラン・ホワイト、三宅真理訳

出版社

文藝春秋

感想等

 1986年、アメリカ沿岸で起きたソ連海軍原子力潜水艦、それもミサイル原潜K-219の原子力事故の事実を告発した本である。ハリソン・フォード主演のK-19で扱われたのと同じような事故を扱っている。小説ではないので、また、そういった方向に向けようとした書き方ではないので、淡々と話は進んでいくのだが、死ぬと分かっていながら原子炉区画などに入っていく兵の姿、気持ちを考えたとき、ぐっとくるものがある。読んで損はないと思う。それにしても、米海軍潜水艦オーガスタの艦長は馬鹿だね。この人が特別な存在なのであればいいけど。06年8月読了。

 

タイトル

著者

出版社

感想等