日本軍の失敗の本質は、組織としての日本軍が、環境の変化に合わせて自らの戦略や組織を主体的に変革することができなかったことに他ならない。戦略合理性以上に、組織内の融和と調和を重視し、その維持に多大のエネルギーと時間を投入せざるを得なかった。このため、組織としての自己革新能力を持つことができなかったのである。 以上が、本書における日本軍失敗の本質である。本書は続けて、その理由の一つとして、過去の成功への過剰適応をあげている。日露戦争に勝利したことにより、「白兵銃剣主義」「艦隊決戦主義」というパラダイムが確立し、それへの過剰適応がおこったというのである。 1996年読了。 少し長くなるが、目次の一部を掲載する。
第1章 失敗の事例研究
1 ノモンハン事件・・失敗の序曲
2 ミッドウェー作戦・・海戦のターニング・ポイント
3 ガダルカナル作戦・・陸戦のターニング・ポイント
4 インパール作戦・・賭の失敗
5 レイテ海戦・・自己認識の失敗
6 沖縄戦・・終局段階での失敗
第2章 失敗の本質・・戦略・組織における日本軍の失敗の分析
戦略上の失敗要因分析、組織上の失敗要因分析など
第3章 失敗の教訓・・日本軍の失敗の本質と今日的課題 |