La Bataille D'Aomori

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関連図書・日本関係

11/06/06 更新)

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タイトル

失敗の本質

著者

戸部良一、寺本義也、鎌田伸一、杉之尾孝生、村井友秀、野中郁次郎

出版社

中央公論社(中公文庫)、1991年初版、1996年6月12刷

感想等

日本軍の失敗の本質は、組織としての日本軍が、環境の変化に合わせて自らの戦略や組織を主体的に変革することができなかったことに他ならない。戦略合理性以上に、組織内の融和と調和を重視し、その維持に多大のエネルギーと時間を投入せざるを得なかった。このため、組織としての自己革新能力を持つことができなかったのである。

以上が、本書における日本軍失敗の本質である。本書は続けて、その理由の一つとして、過去の成功への過剰適応をあげている。日露戦争に勝利したことにより、「白兵銃剣主義」「艦隊決戦主義」というパラダイムが確立し、それへの過剰適応がおこったというのである。 1996年読了。

少し長くなるが、目次の一部を掲載する。
第1章 失敗の事例研究
 1 ノモンハン事件・・失敗の序曲
 2 ミッドウェー作戦・・海戦のターニング・ポイント
 3 ガダルカナル作戦・・陸戦のターニング・ポイント
 4 インパール作戦・・賭の失敗
 5 レイテ海戦・・自己認識の失敗
 6 沖縄戦・・終局段階での失敗
第2章 失敗の本質・・戦略・組織における日本軍の失敗の分析
 戦略上の失敗要因分析、組織上の失敗要因分析など
第3章 失敗の教訓・・日本軍の失敗の本質と今日的課題

 

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タイトル

ノモンハンの夏

著者

半藤一利

出版社

文藝春秋社 1998年4月20日第1刷 1998年5月15日第3刷

感想等

 久しぶりに本を読み終えた。結構忙しくて、また、ゲームには関係のない本を読んでいたため、戦史系の本を読めずにいたのだ。本書は、ノモンハン戦の全般について書かれたもの。焦点にしているのは参謀らだ。これを読みながら、以下のようなことを考えていた。

  • 太平洋戦争開戦は陸軍主導で進められたとよく言われるが、これを読み、戦後の日本の様々な出来事を思い返すと、「陸軍が」というのは正確ではないのではないか、「エリートが」と言うべきではないかと感じた。「陸軍が」という場合の具体的な意味は、陸軍参謀本部のこと。まさしくエリートたちだ。我が国で最も優秀な人材が集まったところが陸海軍だった。ちょっと前の日本は国家公務員(一部の省に限るが)。様々な問題を引き起こしていた。それでいて、結局は何にも役に立っていない。今の日本を造ったのは、エリートの役人たち。(もちろん、彼らは一生懸命に働いた。一般の人が考える以上に働いた。彼らがいたからこそ、こうして暮らして行けている部分はある。俺たちがやらなくて誰がやるという矜持があってこそ持ちこたえている。)帯にある「エリート集団が己を見失ったとき、悲劇は始まった」というコピーは、そのまま国家官僚に適用できるのではないかと感じた。 むろん、地方公務員にも、スケールはかなり小さくなるが、当てはまるだろう。
  • 今日は終戦記念日(060815)。小泉総理が靖国に参拝した。小泉総理の参拝の是非は別として、日本による戦争遂行に本当に責任を持つべきなのは誰だろうか と考える。戦争責任を取っていない奴らがいるじゃないか。一人はマスコミだ。奴らは何かしらの責任を取ったんだろうか。無責任体質は今も変わらないと思った。

 今日は酔っぱらっているので、ちょっと書きすぎかも。06年08月15日読了。

 

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タイトル

満州事変から日中全面戦争へ

著者

伊香俊哉

出版社

吉川弘文館 戦争の日本史第22巻 2007年6月1日 第1刷発行

感想等

 本書は、柳条湖事件から 日中戦争までを概観するだけのものではなく、日本による中国侵略が国際法上どのように捉えられるのか、また、南京大虐殺や731部隊、大量虐殺の事例などの戦争犯罪、戦場での兵士の実態、銃後の実態、日本人による反戦運動など、様々なことについて言及 した内容となっている。ただ、中国侵略の国際法上の位置づけなど、私にとっては、そんな研究何の意味があるの的な内容をも収められており、戦死者等の数に関する部分なども含め、ちょっと飽きが来る部分があることを認めざるを得ない。また、満州事変から日中戦争へと戦闘が拡大する経過について、そもそも不拡大方針を持っていた中央が、なぜに拡大方針へと転換したのか を知りたかったが、本書の目的ではないのであろう、まったくふれられていなかったのが残念であった。
 個別には、物足りないと思うところや余分と思うところがあるが、この戦争についての概要を知るには丁度いいのではなかろうかと思う。07年12月31日読了。

  1. 満州事変
    1. 柳条湖事件
    2. 幣原外交の終焉
    3. 「満州国」樹立と国際連盟脱退
    4. 戦争支持と社会の再編
  2. 華北分離工作から日中戦争へ
    1. 華北分離工作
    2. 日中全面戦争の開始
  3. 戦争違法化体制と日本の中国侵略
    1. 戦争違法化体制
    2. 満州事変と国際法
    3. 日中戦争と国際法
  4. 戦争犯罪と支配の諸相
    1. 戦時国際法
    2. 南京大虐殺
    3. 無差別爆撃
    4. 細菌戦・毒ガス戦・アヘン政策
    5. 性暴力
    6. 治安戦と三光作戦
    7. 日本支配下の諸相
  5. 戦場の兵士と戦死
    1. 戦場の兵士たち
    2. 日本人の反戦運動
    3. 出征と遺骨
  6. 「泥沼化」から「南進」へ

 

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タイトル

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

著者

加藤陽子

出版社

朝日出版社 2009年7月30日第1刷 2009年11月30日第10刷

感想等

 近現代史を専門とする研究者が、2007年に私立栄光学園(神奈川県)で行った5日間の講義 (日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、満州事変と日中戦争、太平洋戦争)を基に執筆されたもの。講義録と言ってもいいかもしれない。 高校生を相手としたものであるため非常にわかりやすく(内容が簡単という意味ではない)、それでいて充分な内容の記述となっている。前述の「満州事変から日中全面戦争へ」と補完関係にあり、とても興味深く読むことができた。
 近現代史を意識して教えていない(と少なくても私は思っている)日本にあって、本当に必要とされる内容だと思う。新羅は「しらぎ」でも「しんら」でも変換できるのに、柳条湖は変換できない。これじゃぁ、いかんと思うんだよねぇ。
 東大生を排出しているような学校なんだろうが、この講義にまともについていっていたとしたら、凄いなぁ。かなりの量の予備知識がないとついて行けないよ、これ。