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Caporetto(SPI)や Imperium Romanum II(WEG)といったゲームのデザイナーとして知られる(知らないか?)ノフィによるワーテルロー戦役全般を扱った史書である。他のサイトでの紹介を見ると、史実より伝説に依拠する部分もあるようだが、日本語で手軽に読めるワーテルロー戦役の本がない(チャンドラーのものについては、未だワーテルロー部分を読んではいないが、少なくても手軽とは言えないでしょう)状況でもあり、意味ある翻訳本といえよう。最近ナポレオン本の翻訳がいろいろと出ているが、これも戴冠200年だからだろうか。
エルバ脱出からイギリス逃亡までを簡潔に記載した内容となっており、ワーテルロー戦役の詳細を知ることができるのみならず、”戦術のための基礎知識”や”戦闘の指揮”、”当時の時間”といったコラムが40ほど用意されており、こちらの方も結構興味深く読むことができた。ナポレオニックゲーマーであれば読んで損はない内容だ。もちろん、ナポレオニックに興味のない方であっても十分に楽しめるものと思う。
Batailleのプレイの場合、方陣隊形をとるのは騎兵突撃の目標となったときだけなのだが、本書を読むと騎兵突撃の目標となっていなくても結構方陣隊形をとっていることに驚かされる。また、Bataille第3版ルールの場合、騎兵を戦車のように使用する(敵戦線にまずは突入させて、開いた穴に歩兵をつっこませる)ことがあり、本当にこんな用兵でいいのだろうかと考えていたのだが、これまた「当たり前の戦術なのかもしれない」と感じた。私にとってはなかなか有意義な読書であった。やっぱり、あちらの本(英語の本)を読むべきなんだよなぁ。2004年6月読了。
(2004/12/11追記)
Empires, Eagles & Lions
という雑誌がある。いわゆるナポレオニックマガジンだ。私も数冊所持しているのだが、ひょんなことから#13を改めて読んでいたら、ノフィの著作に関するGeorge
Nafzigerの書評を見つけた。その内容たるや、かなり手厳しいものとなっている。誤りが多いというのだ
(S&Tの頃の仕事と変わってないとまで言っている。)。私も本書を読んでいておかしいと思ったところがあった(重歩兵という表現があるのだが、これがぴんと来なかった。訳者の誤りかと考えていたが、ノフィ氏自身がheavy
infantryといているようだ。grenadierですね、やっぱり。)が、これほどとは思わなかった。ただ、日本語で読めるワーテルロー戦役の本はこれのみといってよい状況にあるのだし、戦いの流れをつかむのには不都合はないのだろうから、これから読む方はこの点に気をつけて読んでもらいたい。繰り返しになるが、読んで損はない本であることに変わりはない。 |