関連図書・第2次欧州大戦

08/12/23 更新)

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タイトル

擲弾兵

著者

クルト・マイヤー著 松谷健二訳 吉本隆昭監修

出版社

学研

感想等

 このページで最初に紹介する本が何になるのか、私自身想像を巡らしていたのだが、本書が最初となったことに驚きはない。このサイトを立ち上げてから読み終えた同種の著作はこれが初めてではない。最初の著作はマンシュタインの「失われた勝利」であった。マンシュタインの著作同様、本書も改めて私が紹介しなければならないような作品ではない。誰もが一度は目にしており、既に読み終えた方も多数になるはずだ。しかし、敢えて私はこれを第1としたのである。その理由は、まことに面白い作品であるからだ。書かれている内容が全て真実であり、また、一切の虚飾がないとは思わない。しかし、それではあっても本書は読んでいて面白いのだ。パウル・カレルやマンシュタインにはない視点、実際に砲弾の下で戦闘に従事した人間による視点というものがあり、読んでよかったと思っている。マイヤーがどのような人間で、またどのような指揮官・兵士であったかについては、第三者の冷静な目による評価を聞かなくては判断のしようがないが、その一端を見せてくれていることに間違いはなかろう。01年11月読了。

 本書は昔フジ出版から出版されていたものが出版社を変えて再版されたものと思われる。中高生だった私も、少なからずフジ出版の著作は読ませてもらった。焦土作戦、彼らは来た、最終戦など今でも手元にある。なにやら懐かしい気持ちにもなるし、いままたこういった著作が読まれる環境になったんだなぁと感傷的にもなっている。失われた勝利も読んだし、次はグデーリアンでも読もうかしら。

 

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タイトル

スターリングラード 運命の攻囲戦 1942-1943

著者

アントニー・ビーヴァー著、堀たほ子訳

出版社

朝日新聞社

感想等

 クルト・マイヤーの次がこの作品になったのは、全くの偶然である。書店の親父が配達の際に勝手に持ってきたのだ。普段だったらそのまま持って帰ってもらうのだが、なぜかその時は受け取ったのである。正解であった。
 クルト・マイヤーの著作を面白いと評したことに間違いはない。面白いのだ。そう、冒険活劇のようなおもしろさといえるだろう。一方、本作には、戦争の真実の姿がある。面白いところなど全くなく、ひたすらに重い。零下20度以下という極限状態の中での悲惨な兵士たちの姿がここにはある。スターリングラードの戦いがどのようなものであったのかは、東部戦線を好むゲーマーであれば誰もが知っているであろう。しかし、それでもなお本作を読むべきだ。

 スターリングラードにおいて、予想をはるかに超える数のソ連人がドイツ軍と共に戦っていたことを知ることができた。同様に、捕虜となったソ連軍兵士に待っていたものが、ドイツ軍による残虐行為のみならず、同胞からの残虐行為もあったことをも知った。ソ連軍が日本軍同様に捕虜になることを厳に禁じていたこと思うとき、両国が存在する精神的な位置というものに思いをせずにはいられない。02年12月読了。

 

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タイトル

SS戦車隊

著者

ヴィル・フェイ著 梅本弘訳

出版社

大日本絵画 1994年5月初版第一刷

感想等

 自身SS戦車隊の一員であった著者が、戦友の手記、インタビュー、戦闘記録などをまとめた本である。長たる人間ではなく、装填手であったり、操縦手による生の声を聞くことができることが本書の特徴だ。本書は第3次ハリコフ戦からベルリン戦まで、順を追った章立てとなっているのだが、読み進めるにつれ、戦闘の様相が変化していくのがわかるのがおもしろい。第3章1943年ロシアあたりまでは、登場するSS戦車隊は戦闘に勝っている。「ロシア軍(ソビエト軍とは書かれておらず、ロシア軍と書かれている。)が○両の戦車で攻撃してきたが、○両を破壊して撃退した」といった記述が(印象として)多く、SS戦車隊が戦車を失っているのは、(印象として)ほとんどロシアの泥が原因であり、SS戦車隊はやられていない、他の部隊がやられているのだと思ってしまいそうになる。それが、だんだんと暗く、重苦しくなっていく。ノルマンディともなると、あれほどロシアの大地で活躍していたSS戦車隊がシャーマンごときにやられだすのだ。ロシアの章では、手強い敵(=ファイアフライ)などという表現は見かけなかった気がするのに。ベルリン戦ともなれば、非常に重苦しく、本当の戦争が姿を現している。マクロとしての戦争の趨勢がミクロとしての戦闘に影響を与えているのか、それともその逆なのかよくはわからないが、鈍すれば貧すということなのだろうか。

 砲弾が命中した際の車内の衝撃、意外とよく外れるキャタピラと戦闘中での修理の模様、歩兵による近接支援の重要性など、実際に戦車に乗って戦渦の中にあった兵士達の声を聞くことができ、非常によい読書であった。'04年10月読了。

 

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タイトル

ヒトラー最後の十日間 

著者

ゲルハルト・ボルト著、松谷健二訳

出版社

TBS出版会(?)

感想等

ブルーノ・ガンツ演じる「ヒトラー最後の十二日間」を見た後、原作読みたい病になったのだが、同じテーマで古本として売っていた本書の方を、安いという理由から購入。本書もサー・アレック・ギネス(オビ・ワンを演じた人)の「ヒトラー、最後の十日間(1973)」の底本らしいが、こちらの映画についてはよく知らない。因みにガンツの映画の原作は、歴史家ヨアヒム・フェストの同名ノンフィクションとヒトラーの個人秘書ユンゲの回顧録だ。

著者のボルトも映画に登場していたかもしれない。つまり、著者はドイツ軍将校。45年2月に参謀総長グデーリアンの下から帝国官房入り。そして4月29日午後、帝国官房地下壕から脱出。その翌日、ヒトラーは自殺する。映画でも描かれているが、ヒトラーユーゲントの少年たちに鉄十字賞を授けるヒトラーの写真が掲載されている。キャプションには「16歳のヴィルヘルム・ヒュープナー」とあるが、到底16歳には見えない。悲惨すぎる。05年読了。

 

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タイトル

ラスト・オブ・カンプフグルッペ 及び 続ラスト・オブ・カンプフグルッペ

著者

高橋慶史

出版社

大日本絵画

感想等

SS第1装甲師団とか、第16装甲師団といったメジャーな部隊ではなく、第106戦車旅団とか第2海軍歩兵師団といった、普段あまり着目されることがない部隊の編成から解散までを扱ったもの。正続合計で全22章となっている。すべて独立した内容であるため、正続どちらかだけを読むこともまったく問題がない。 これを読むと、TCSシリーズがとてもプレイしたくなるんだよなぁ。

本書の特徴は、マイナー部隊の部隊史であることもあるが、最大の特徴は、各部隊に関するかなり充実した編成表、部隊指揮官の略歴情報が豊富なこと(全軍第○○○○番目の剣付柏葉騎士十字賞を云々 という記述まである)、豊富な写真(写真のクオリティーを確保するためだろうが、かなり上質な紙を使用している。そのためか、かなりお値段がはる。)、豊富な戦況図(マイナーな戦いも多い)といったところ。特に部隊編成の記述には驚く。おそらく旧ドイツ軍の資料を使っているのだろうが、かなり細かい。戦術級をプレイする人や、TCSシリーズをプレイするに人にはいい資料だろう。逆に言うと、このようなことに興味がないとちょっとつらいものもある。別に突撃砲が3両だろうが5両だろうが、実を言えば、私にはどうでもいいこと。”人”が語られていないため、資料として読んでしまいそうになるのが難点かな。06年05月読了。

 

タイトル

最強の狙撃手

著者

アルブレヒト・ヴァッカー著 中村康之訳

出版社

原書房 2007年4月5日第1刷

感想等

独第3山岳師団のスナイパー、ヨーゼフ・アラーベルガー(第3版までは仮名で登場。騎士十字章受章。なお、本書は第4版の和訳である)の従軍記(1943年2月の入隊から1945年の終戦まで)である。ただし、狙撃手という兵種だけに絞った内容ではなく、また、訳者も書いているが、彼個人が見たもののみが書かれているとは到底思えない。おそらくは様々な事実を、アラーベルガーを通して記述したものと思われる。

彼が戦った期間のドイツ軍は戦略的には防戦一方の状態であり、後退に次ぐ後退の時期であったわけだが、そういった場面での狙撃手のテクニック〜至近の敵は即死させるが、遠方の敵については、敵士気の低下を狙い断末魔の叫びを上げさせるよう腹を撃つ〜など、なかなかに興味深い記述もある。また、戦闘距離が思いの外近いということも初めって知ったと言って良いだろう。そういう意味でも、なかなかに面白い本であった。

しかし、私にとって最も興味深かったのは、これまではあまり記述されることはなかったように思われる、戦場における残虐行為について、その現場写真とともに掲載されていることである。例えば、チェコで行われた、ロシア兵23人による強姦(一人の女性に対して!)と、その女性の殺し方、そして、その夫による復讐の場面などだ。

個人レベルでの戦い(戦闘)の一端を垣間見ることができる本書は、お勧めである。

 

タイトル

詳解 独ソ戦全史 「史上最大の地上戦」の実像

著者

デビット・M・グランツ、ジョナサン・M・ハウス著 守屋純訳

出版社

学研M文庫 2005年6月25日 初版

感想等

ソ連崩壊により世に出ることとなったソ連公文書と、赤軍将兵からの聞き取りを基に、独ソ戦の経過をソ連側から記述したもの。1年以上前に読んだものであり、その内容については忘れてしまったが、かなり読み応えがあったと記憶している。単なる戦記ではなく、軍事史として記述されているため、出典など原註はかなり充実しており、通史としてかなりのレベルにあるのかな、と当時考えた記憶がある。これは必読かもしれない。

 

タイトル

完全分析 独ソ戦史 死闘1416日の全貌 

著者

山崎雅弘

出版社

学研M文庫 2007年3月27日 初版

感想等

”完全分析”と謳われてはいるのだが、通史として独ソ戦の経緯が順に記述されているだけで、特段、分析はされていない(違います?)。史実を知らない者、戦史を興味の対象としていない者をも対象としたものであり、独ソ戦全史とは違って大変に読みやすくなっている。また、著者によれば、新しい事実を盛り込むなど、これまで類書を読んできた読者にとっても意義がある内容となっているとのことだ。このページを読んでいる人は、独ソ戦全史を読めばすむような気もするが、いかがであろう。

 

タイトル

フィンランド空軍戦闘機隊

著者

イルマリ・ユーティライネン著 ヘイッキ・ニクネン(原著→英語)&梅本弘訳

出版社

大日本絵画 1997年7月 初版第1刷

感想等

 フィンランド空軍第1位(94機)のエースであったユーティライネン氏による手記。冬戦争から継続戦争までの6年間の戦いにおけるフィンランド空軍の活躍ぶりがうかがえる、貴重な手記だろう。また、かなりの数の写真が使われており、それを眺めるだけでもその道の人には意味があるかもしれない。なお、写真を数多く使用しているためか、紙質はかなり上等となっている。
 書かれている内容は、空戦にあまり興味のない私にはちょっと辛い部分もあったのだが、これは陸戦に興味のない人が「パンツァーファーストと言われてもなぁ」と言うのと同じレベルなので問題はないと思う。
 彼の乗機は、フォッカーD21、バッファロー、Me109G2(導入は43年)なのだが、Me109はまだいいとして、バッファローなんかで戦い、そして落とされずにいたのかと思うと、なんともソ連軍の練度の低さよ、と思わざるを得ない。08年12月読了

 

 

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