ボックス製作のポイント(アタッシュケースの作成)

今回は厚さ9mmの桐材を使って、子供のカードなどの小物を収納するのに最適なアタッシュケースを作ります。
大きさは350mm×270mm×80mmです。
今回は子供のリクエストで早く作ってほしいとのことから、材の接合はもっとも簡単な「打ち付け接ぎ」で行いましたが、そのかわり塗装などの説明をちょっと詳しく掘り下げてみました。

まず本体に必要な材料を切り出します。ここではテーブルソーを使って左のとおり切り出しました。
材料をきり終え、切り口が綺麗であればこのまま組み立てしていきます。
各部材の接合は木工ボンドで行います。
もし切り口が綺麗でなければ、木工ボンドによる接着がしっかりできませんので、予めカンナや紙やすりで切り口をフラットに整えてから接合します。
側板が組み立てられたら、続いて天板と底板を木工ボンドで接着します。このとき出来るだけ各部材に段差などがでないよう気をつけて接着しクランプでしっかり固定します。
また接着した木工ボンドがクランプによる締め付けで、はみ出てはきた場合には、濡れタオルで綺麗にふき取っておきます。
木工ボンドが残ると後で着色材が綺麗にのらず、斑(むら)になる原因になります。
▼接着後、各部材に段差が出来ている場合はカンナやサンダーでフラットに調整します。
▼次に全ての角をトリマーを使って面取りします。 ▼トリマーの回転によって焦げた部分は紙やすりで綺麗に取り除きます。
▼続いて箱を蓋と下の受け部分に分けます。通常このような蓋のあるボックスは四面体を作ってしまい出来上がってから蓋と受け部分をわけます。そのほうが「蓋」と「受け」にヅレが生じにくく非常に綺麗にしあがります。
蓋と受けが切り離せたら、ここで念のため隠し釘で各部材が外れないよう固定します。
隠し釘は四面体の各部材を接着する際に打ってしまっても構いませんが、打つ場所によってはトリマーで角を面取りする際に邪魔になってしまったり、蓋と受けと切り離す際に誤って隠し釘をノコギリで一緒に切って、鋸刃を傷めてしまう可能性があるため、私はいつもこの時点で止めることにしています。
塗装
@素地調整
続いて塗装です。塗装の前には「素地調整」といって塗装が綺麗に乗りやすくなるよう材料を整えます。まず写真のように刷毛に水を含ませ、塗っていきます。「水引き」といいます。
これによって材料が水を含み、材表面の荒(アラ)が明らかになります。
もしこの工程をやらずに着色をした場合、着色材を塗った時点で表面が荒れてしまい、それを調整するために紙やすりをかけた際、塗装を落としてしまう可能性があり、結局もう一度着色し直さないといけなくなってしまいます。
材の表面のアラが浮き出てきたら、紙やすりで表面を綺麗に整えます。
紙やすりは#320くらいのものでなめらかに研磨します。
紙やすりは木目の方向にそって掛けます。
木目と交差する方向で掛けてしまうと細かい傷がのこり塗装後、その傷が非常に目立つようになってしまいます。
▼A目止め
次に「目止め」という工程に入ります。目止めには「との粉」を塗ります。との粉は木が本来水を吸い上げるための導管(小さな穴)を埋める役割があります。この工程を行わないと最終のコーティング材が木に染み込み綺麗な塗膜が作れなくなるため非常に重要な工程になります。との粉の変わりにサイディングシーラーを使う場合もあります。その場合は着色の工程が先になります。
▼との粉は完全に乾いてから紙やすりで表面の木目が見えるまで綺麗に取り除きます。紙やすりの掛け具合はある程度経験も必要かも知れませんが、完全に表面のとの粉を取り除くつもりで掛けて良いと思います。それでも導管にはとの粉は残ります。逆にとの粉を残してしまうと次の着色によってとの粉の残り部分に着色材が吸収され濃い色になってしまい着色の斑の原因になってしまいます。
▼B着色
材の表面を整えたらいよいよ「着色」に入ります。着色はワシンのポアステインで着色しました。
刷毛は木目に沿って動かします。また表面の塗料は塗った後、乾く前にボロ布で材に染み込ませるように刷り込みます。これによって斑なく綺麗に仕上がります。
塗料が完全に乾いたら色を確認し自分の気に入るまで2〜3回上塗りします。ただし着色材が乾いた後は色が若干薄くなります。最終の上塗りコーティングを行った後は、着色は乾く前の濡れた状態に近い色で仕上がりますので、多少薄いかなと思うくらいの色で丁度良いかも知れません。
▼C上塗り
着色が終わると最後の「上塗り」を行います。これが塗装の最後の仕上げの工程となります。
私はよくラッカー系のスプレー「透明クリア」を使います。ホームセンターで\300〜500ほどで手に入ります。ラッカーを塗る際のコツは4〜5回に分けて塗ること。その際1回の吹き付けで表面が濡れた状態になるまでとし、決して垂れてしまうほど吹き付けないのがコツです。
最初の3回くらいまではこの繰り返しで塗っていきます。するとある程度「塗膜」ができてくるはずです。
▼塗膜が出来たら次の工程に進みます。塗膜ができていなければ再度スプレーを繰り替えします。この時点でおそらく表面はつるつるのフラットではなく所々木目に沿った凸凹ができていると思います。
耐水ペーパー(#600くらい)に水を含ませ表面を軽くワックスがけするように擦ります。この際決して強い力を掛けないこと。力を掛けすぎると表面の塗膜だけでなく下の着色部を削り、材の素地が出てきてしまい、やり直しになってしまいます。
また材の角は塗膜が乗りにくい部分で、また力がかかり易い部分でもあるため、更に注意して紙やすりを掛ける必要があります。
▼目安としては耐水ペーパーで擦り、白い研ぎ汁が出たら表面をタオルで拭き取り表面のフラットを確認します。1回で完全にフラットにしようとはせず、ある程度フラットになってきたら、表面を拭き取り完全に乾かします。そして再度スプレーを行います。そして表面を確認→耐水ペーパー→スプレーを繰り返し表面を完全にフラットに調整し、フラットにサンディングできたら最後はスプレーを軽くして完了です。
以上で箱の作成は終了です。次回は金具を取り付けアタッシュケースを完成させます。
次へ→





トリトンワークセンター 2000




トップページに戻る