マスカット MUSCAT


オマーンが観光客を受け入れるようになって、
まだそんなに経っていない。

私の訪れた当時は、
オマーンにはホテルがほとんどなかった。
だから、ホテルは全般に、
オマーンの物価に比べても、その内容から考えても、高かった。

滞在して、オマーン人と話したり、
彼らを観察するうちに気がついたことがある。
ちょうど日中の飲食を慎む断食月、ラマダン中だった。

オマーンでは、ラマダン中、庭などにテントが張られ、
人々は、日没後、
家の中ではなくそのテントで、
飲食をし、友人たちと遅くまで楽しむ。
ラマダン明けの夜は、盛大にラマダンの終わりを祝うが、
オマーンでは、みんな町を出て、砂漠や海辺などで、それを祝う。
家族友人集まって、テントを張って、夜通し楽しいパーティとなる。

ラマダンとは関係なく、
日中、大きな木の下に、車を止めてテントを張って 過ごす人々も、
地方に行くとよく見かけた。

ああ、砂漠の民なんだ、と思った。
家を離れれば、
海辺で、砂漠で、テントを張って、過ごす。
彼らにとって、宿は必要のないものなのである。
だから、オマーンには宿がほとんどないんだ、
と納得してしまった。

同じイスラム教徒の暮らす国でも、
ヨルダン、シリアといった近東エリアと違って、
アラビア半島のこの一帯は、
地理的に外部からの影響を受けにくい環境であり、
生活が近代化したのは石油以後。
昔からの生活スタイルの中で生きてきた世代が、
まだ第一世代として、大きな社会の一部を形成しているのである。

ある時、この事実に気がついた。
これは、とても興味深いことだった。


                              コルニーシュ地区の港の眺め。

港を見ながらのんびり過ごすことが多かった。
飽きると、宿のすぐ前から出ている乗合やバスで外出。
地面に版を作って、ゲームをするオマーン人。
道路事情は非常にいい。
車は少ない上に、運転免許取得にあたって、かなりの訓練や勉強があるらしく、運転マナーは日本と変わらず非常に高い。
日本人でも運転しやすいはず。
建物はシンプルで美しい。
何よりも、本当に維持を丁寧にしていて、
常に出来上がったばかりの状態。
王宮。
護衛はもちろんいるが、簡単に柵を越えて入れる博物館や公園のような雰囲気。それだけこの国が平和で安全なのだろう。
ゴミ1つなく、汚れ1つなく、
草花も、細部にいたるまで手入れが行き届いている。
建物も町並みも、整理整頓、ムダもゴミも、ゴテゴテもない。
ちなみに私は、タオルをベランダに干していて部屋の中に入れるよう注意された。外から見えるところに洗濯物を干してはいけないルールがあるらしい。ヨーロッパ並み(笑)。
営業が終わった後の銀行(だったかな?)。ライトアップされて美しい。 ドアには、一面見事な彫刻が施されている。
ロータリーやちょっとした広場、道の中央分離帯などには、巨大オブジェがある。写真のオブジェは、港のロータリー、ということで魚だが、ふつうは、オマーンの文化に関するものが多く、同じものはない。 これは、オマーン風ティセットのオブジェ。
初めは、何でこんなものを…と思ったオブジェだが、
慣れてくると、オマーンらしさの象徴のような気がしてきて、
新しいオブジェを見つけるのが楽しみになった。
オマーンにたくさんあるフォート(砦、くらいの意味だろうか)。 こちらの写真も、後ろの岩山にあるのはフォート。
きれいなビーチもある。ラマダン中だったので、私以外客はいなかった。 魚市場。
タイやアジやカツオの類など、日本でもお馴染みの魚が売られている。
ある日の食卓。調理法は「焼く」をリクエスト。
限りなく「揚げる」に近い「焼く」。
別の日の食卓。どの魚を選んでも、調理後はみんな同じになる。
オマーンにいて、ここは夜の世界だと思った。
私たちが、昼、太陽の下で活動し夜休む、
その感覚が、ここでは、夜、月の下で活動して、昼休む。
太陽は強く暑すぎて、その下での実りある活動はムリ。
けっして、恵みの存在ではない。日が暮れたころからが活動の時間。
ああ、だからメソポタミアは太陰暦だったし、イスラムは三日月なのか、と感じた。
ラマダン中は、日没と共に店が開き、人が活動をはじめる。
海岸沿いの道はライトアップされて、遅くまで人で賑わう。
写真は明け方近いので人はいない。
ラマダン中でなくとも、夜が1日で一番人出がある。


“オマーン” サラーラ・スール・ソハール
“オマーン” ハサブ (ムサンダム地方)

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ラマダン 〜イスラムの皮肉と矛盾〜
(2001年12月 オマーン・マスカットにて)

マジメな文章(写真なし)


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