イスラム教徒の国々
〜Muslim area〜
私は、結局3年間旅行してしまったが、
当初は「ドップリ観光客」して1年で帰国する予定だった。
アラブ首長国ドバイの航空会社「エミレーツ航空」の就航地(つまりムスリムの国々)を
片っ端からストップオーバーできる1年オープンのチケット。
これで1年間、イスラムの国々を観光、
有名スポットで写真を撮ったり、観光客向けアトラクションを堪能して
帰国するつもりだった。
2001年7月に日本を出て、
マレーシアを足がかりにマレー半島を回って、
バングラディシュのダッカに寄ってからパキスタン・カラチに入国したのが9月初旬。
その数日後、アメリカでのテロが起きた。
非常に特異な時期を、1年近くに渡って、特別に濃い国々で過ごしたのは、
今となってはとても貴重な体験だったが、
行く先々に、観光客はおろか外国人が全くに近くいない、
しかも宗教に支配される環境。
乗物をチャーター&旅行者同士でシェアする、とか、観光イベントがないのはモチロンのこと、
ローカルがすっかり観光客に対する対応を忘れてしまっていた。
鯉の群れに餌をやると、折り重なるようにして、争って食べる。
水面を波立たせると、とたんに魚は餌を争って食べるようになるという習性がある。
水面の波立ちは、そこで多くの魚が餌を争って食べているという情報に、
本能的につながっているのだろう、
遅れまいとして、一種の興奮状態になる。
魚を引き合いに出さなくても、
バーゲン会場などで、人が殺到、群がって商品を選んでいるようなところでは、
争って人に先んじる、そうした心理が働く。
で、何が言いたいかというと、
こうしたエリアで、観光客がパタッと全く来なくなると、
ローカルは、それまで観光客を見つけてはせっせと営業活動をしてた、
それを完全に忘れてしまう、
全くの日常生活モードになってしまうのである。
次から次に観光客が来ているころは、争って餌を食べる鯉よろしく、
多くのローカルたちが争ってオイシイ餌(観光客)にアプローチしたが、
餌がなくなると、鯉そのものがいなくなるし、残ってる鯉もノンビリしてしまう。
当初の予定の「ドップリ観光」は、観光客皆無とそうしたローカルの日常モードのために挫折。
常にローカルに混じって、固有の姿と時間の色濃く残るエリアでの、
日常の一部に参加させてもらう形での滞在の日々となり、
観光客向けに様々なお膳立てのされているエリアに息苦しさを感じて逃げ出してしまう、
あれ、今日何やったっけ?の町になぜか長々滞在する、
ガイドブックに載ってない町を好む
という以後の旅行スタイルを完全に形作ることになった。
結果、お金も3年生き長らえた。
イエメン
パキスタン
オマーン
ドバイ (UAE)
ラマダン 〜イスラムの皮肉と矛盾〜
(2001年12月 オマーン・マスカットにて)
<マジメな文章>