前回までのあらすじ

 

ある中年が、3年ごしの懸案を解決すべく、ラーメン屋に入り、チャーシュー麺を注文するまでを2回に分けてお届けした。

 

好評につき第3回 竜頭蛇尾

 

チャーシューには豚バラと牛とがあり、これを選べるようになっていた。チャーシューの種類を選択できるのは珍しいのではないか。わたしは迷わず豚バラを選択した。

ようやく、そろそろ、どんぶりが目の前に運ばれてくるのであるが、ここで忘れていたことを思い出した。

この企画は、構想3年といったが、資金は1000円である。それも借り入れ(いわゆる借金)。

なぜなら、給料日前で、様々な出費が重なったため、所持金が数百円となっていたことに気づき、出発前に部下から1000円を借り入れたのであった。まことに用意周到なこころがけである。後日、催促された後に快く返済したことはいうまでもない。

ちなみにチャーシュー麺は700円(税別)。私としては高価な昼食である。こころして食べねばならない。ようやくラーメンが届く。どんぶりには、はたして逆立ちした文字が見えるのであろうか?私の目の前のどんぶりには、しかし、漢字で「濱線一福」と記入してある。どうやら、この店は、もとは浜線にあったようだ。どんぶりは、かなり古いものらしく、おそらく20年くらいは経っていそうである。もとは浜線でラーメン屋を営んでいたが、客足が増えず困っていた。店主の息子は、建設会社に勤めていたが、思い切って脱サラし、土地を購入した。その結果、もともと好きだったジャズとラーメンの融合をめざすことになった・・・。という妄想が浮かぶ。それにしても一福とは?名字としては変だし、なぜ一福なのか?休憩のいみでいっぷくなのか?ここでも疑問が残る。

運ばれてきたどんぶりには、チャーシューが5−6切れ浮かんでいるが、よくある薄切りハムの形状ではなく、肉のかたまり状態である。バラ肉なので脂身は多いが、箸をつけるとすぐにばらばらになるほど柔らかい。口に含むととろとろと溶ける脂身と肉!スープのだしと絡み合い、かなり旨い。麺は手作りの玉子麺とのことだが、これは特にいうことはない。スープは、豚骨というより鳥がらベースの醤油風味のようであった。

ふと目を上げると、「ホームページはじめました。www.ippuku-ramen.net」と書いてある。さっそく、URLを記憶して、あとからアクセスしてみようと思う。

ラーメンは食べ出すとあっというまである。食べ終われば、店には用はない。すぐにお金を払って、店を出た。こうして、構想3年、費用700円の冒険は、約30分でその幕を閉じたのである。

車に戻り、ザウルスMI-P10を取り出し、携帯電話に接続し、URLを打ち込む。するとフレーム版いっぷくラーメンのページが見えた。メニューの解説、お客さんからの中華料理に関する相談などかなり内容のあるホームページである。まだ、すべてのページをみたわけではないが、どこかにこの店の由来、歴史などが記載されているかもしれない。今後も検討したい。子供メニューやOLメニューもあったようだ。今度子供を連れていこうと考えながら、午後の臨時バイトへ向かったのであった。