心の写真術
花の撮影における「ボケの効果と活用」
(理論と実践)
1 ピント(焦点)とボケの関係 ・・・ 2 ボケの効果と活用方法 ・・・・・・・
3 ボケを活用した撮影テクニック 4 被写界深度とボケ味の重視選択
(1) ピント(焦点)とボケの関係
ピントを合わせるとは、光学的に被写体からの光をレンズを通して撮
像面(フイルム)に点像(焦点)を結ばせることである。光学的にピント
が合うのは、被写体のピントを合わせた点を通るカメラのフイルム面
と平行な面の全てであり、その面から外れたものは全てボケ像になる。
かりにカメラと3つの花との距離が、それぞれ違っていても、3つの花
がピントを合わせた面にあれば、絞りが開放でも全てにピントが合っ
て鮮明に写り、その面から外れた所は、絞りを絞っても光学的には
全て「ぼける」ことになる。
「ぼける」といっても、ぼける程度によって肉眼では、はっきりぼけてい
るのが分かる場合と、鮮明に見える場合がある。肉眼でピントが合っ
ている様に見える被写体の範囲を被写界深度といい、焦点の前後の
範囲を許容錯乱円(許容できるぼけ像)という。
レンズの絞りを絞るとピントが合う範囲が広くなると言われるが、正確
には(光学的には)、ピントが合っていないのに、肉眼ではピントが合っ
ている様に見える被写体の範囲(被写界深度)が広がるだけである(画
像の拡大に比例してボケ像が大きく広がってくる)。
肉眼で見た「ボケの大きさやボケ味(ボケの美しさ)」は、「レンズの絞
り操作」や「レンズの焦点距離」、「レンズの開放F値(明るさ)」、「カメ
ラと写す被写体(ピントを合わせる所)との距離」などによって異なって
くる。
(1) レンズの絞りを絞るほど、ぼける範囲が狭く(ボケが小さく、硬く)
なり、絞りを開けるほど、ぼける範囲が広く(ボケが大きく、柔らか
く)なる。
(2) レンズの焦点距離が短い(広角)ほど、ぼける範囲が狭くなり、焦
点距離が長い(望遠)ほど、ボケる範囲が広くなる。
(3) レンズの開放F値が小さいほど、ボケが大きくて柔らかく(ボケ味
が美しく)なり、ズームレンズより単体レンズの方が、ボケ味が柔
らかくて美しくなる。
(4) カメラと写す被写体(ピントを合わせる所)との距離が遠いほど、
ボケる範囲が狭くなり、距離が近いほど、ボケる範囲が広くなる。
(2) ボケの効果と活用方法
主役となる花以外のものは、脇役として主役の美しさを一層引き立
てるものでなければならない。
(1) 主役の周囲に、主役の美しさを損なう邪魔物があった場合は、画
面から除く必要がある。邪魔物をフレーミングで画面から排除でき
ない場合は、邪魔物を除く方法の一つが「ぼかす方法」である。
邪魔物を直接ぼかすことができない場合は、前ボケで覆うことによ
りマイナスの印象を和らげることができる。
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