オーストラリア、メルボルン
乗り込んだ船は、イルカを探して海をさまよう。船長の鋭い眼は、船の一番上から双眼鏡で辺りを見渡している。メルボルンからバスを乗換え、モーニントン半島の先にあるソレントへたどり着いた。ここはドルフィンスイムができる場所として有名な場所だ。
ドルフィンスイムができる場所が多くあるオーストラリアで、この旅最初のドルフィンスイムにチャレンジすることにしていた。
宿で予約したドルフィンスイムに、早朝まだ暗いうちから船着場へと向かう。桟橋では、同じ船へと乗船する人達と一緒になり、ウェットスーツに着替える。それにしても今日は寒い。寒さに耐えながら乗船の時を待つ。
船長の合図と共に船に乗り込むと、船は桟橋を出発し、モーニントン半島の湾から外洋に向けて航海を始めた。
昇る朝日と共に、真っ青な海の表面が銀色に輝く。湾内の内海から外洋に出ると、海は大きくうねり、軽い吐き気をもよおさせる。
しばらくイルカを探しながらの航海が続く。1時間程さまよった後、船長が何かひと言つぶやいた。その直後、船は回頭し港を目指す。
こうしてイルカの姿を見ることなくドルフィンスイムツアーは終了となった。残念だが仕方がない。ドルフィンスイムは、イルカの気分に左右されるものなのだ。
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