***** BMW633CSi *****




BMW   633CSiA   (   E24 Coupe Spots   )



1976年の春に E9 3.0CSi の後継車としてデビューした、BMW伝統のスポーツクーペです。

633CSi は、先代のビックシックス用のエンジンブロックを用いて、M30B32 と呼ばれる新しく製作されたエンジンを搭載していました。初期の 633CSi では、3.0CSi とは異なる BOSCH L-ジェトロニックの電子制御の燃料噴射システムを採用、200HP/5,500rpm ( DIN ) 、29.0kgm/4,500rpm ( DIN )、の出力を公表しています。動力性能に関しては 1,470kg の車体を、4 速のマニュアルギアボックスと、3,250 のファイナルギアを介して、0-100km/h : 7,9sec、0-400m : 15.8sec、最高速度 : 215km/h、を公表していました (   3AT モデルは、1,490kg、209km/h   ) 。



6 シリーズクーペは、1976年から1989年の13年に渡って生産されていたので、年次により微妙にスタイルが異なります。
しかし一番美しいのは、最初期の本国モデルであるというのは多くの6シリーズファンの一致した意見のようです。



前期 633CSi のインテリア風景ですが、1976年発表時のモデルと、この1977年以降では少なからず変更点が見受けられます ( 初年度モデルのみメーターの文字書体が異なります ) 。スピードメーターは240km/hまで刻まれています。1977年から正規輸入された633CSi では3針式のアナログ時計がデジタル式に変更されています。






1976 year 発売時の E24型 6 series と、E9型 CS との比較    (   ドイツ本国モデル   )
  2800CS   Compression 9.0:1   2,788cc ( 86x80mm )   170HP/6,000rpm 24.0kgm/3,700rpm
  3.0CS   Compression 9.0:1   2,985cc ( 89x80mm )   180HP/6,000rpm 26.0kgm/,3700rpm
  3.0CSi   Compression 9.5:1   2,985cc ( 89x80mm )   200HP/6,000rpm 27.7kgm/4,300rpm
  3.0CSL   Compression 9.5:1   3,153cc ( 89.25x84mm )   206HP/5,600rpm 29.2kgm/4,200rpm
  630CS   Compression 9.0:1   2,985cc ( 89x80mm )   185HP/5,580rpm 26.0kgm/3,500rpm
  633CSi   Compression 9.0:1   3,210cc ( 89x86mm )   200HP/5,500rpm 29.0kgm/4,250rpm
  3.3L *   Compression 9.0:1   3,295cc ( 89x88.4mm )   190HP/5,500rpm 29.5kgm/3,500rpm

* : 3.3L ( 4door Sedan )   この表から判ることは、3.0CSL のみボアアップされた別物のブロックである事が解ります。




1977 year    BMW 630 CS

日本には導入されなかったベーシックモデルの 630CSは、E9 3.0CS に搭載されていたエンジンの改良版が使用されています。キャブレターに関しては、SOLEXまたはゼニスの2連装 ( ツインキャブ ) からシングルの 4バレルキャブに変更されており、僅かながらパワーアップが行われています。さらに最大出力発生回転数の引き下げと出力特性が改善が施されており、185HP/5,500rpm、26kgm/3,500rpm ( DIN ) を発揮しています。このスペックから 1,450kg の車体を、0-100km/h :8,9sec、0-400m :16.3sec、最高速度 :210km/h、 で走らせています。630CS は 3.0CS に搭載されていた、伝統のスポーツユニット ( 初期の 3.0CSL はこのエンジンを使用していました ) のお陰で、数値には表れない高いポテンシャルを発揮していたようです。時には、633CSiと拮抗したパフォーマンスを披露する 630CS は、ドイツ本国や、ヨーロッパでは根強い人気があったようです。 尚、1979年からは、E12 型 528i のエンジンに換装されて、628CSi と変更されました。

( 一部地域では、Lジェトロニック仕様の 630CSi として輸出されていたようです )




初期型の 633CSi と 70年代初頭の 911S です。直線加速はともかく、
コーナリングでは余裕の911に対して633CSi はイッパイ、イッパイwww






6 シリーズクーペは、翌年の 1977 年から 633CSiA が日本でも販売される事になります。当初は51年度排気ガス規制を触媒のみでクリアして、( 触媒本体は、CG210型 日産スカイライン2000GT と同一のものだったと言われています。 ) 、 170HP/5,000rpm ( DIN )、25.5kgm/4,300rpm ( DIN )、というスペックにまでパワーダウンを強いられていました。この日本仕様モデル (   3速AT 1,515kg、1978年からの本革シート仕様では 1,545kg   ) のメーカー公表性能値は、0-400m 17.9 秒、最高速度 192km/h でした。実際に 1977 年の CG誌で行われた、フルテストデーターでは、0-400m 17.8秒、最高速度 189.7km/h、という、記録が残っています。ツーリングカーの王者とも呼ばれた、BMWのフラッグシップ・クーペとしては、悲観的な数字なのですが、当時の日本では、これでも十分に速い部類に入るため、相当数の 6 シリーズが、この時期に販売されたという事です。 これは当時の競合ライバル車であった、メルセデスベンツ 380SLC 日本仕様モデルの性能公表値である、SOHC V8 155HP/4,750rpm( DIN )、約1,6 t 超と、比較した場合に、安価で速いスポーティーモデルとなる事が挙げられます。パワーウエイトレシオ上で比較すれば、SLC のトップモデルである450SLCの SOHC V8、190HP 32.2kgm、1,7 t より良い値になります。現実には、ビックトルクによって、633CSiA より一段と速い加速データを記録していますが、中間加速などは拮抗する部分も多く、実際の路上では互角に走れたように記憶しています。この他には、ジャガーXJ-S クーペなども競合車として存在していました。これらの高級スペシャリティー・クーペの中にあって、E24 6 シリーズは、最も小柄で、競合他社に負けないパフォーマンスを持った、高性能なクーペだったのです。

1980 年には、6 シリーズクーペは小規模ながら初めてのマイナーチェンジが施されました ( 本国では 1979 年モデルに相当 )。これは主にエンジン本体の改善対策が行われたもので、日本仕様では 53年度排気ガス規制適応と同時に、圧縮比が 8.5:1 に引き上げられ、175HP/5,200rpnm、26,0kgm/4,200rpm ( DIN )、にポテンシャルアップが計られました。また本革シート仕様が標準設定となり、車両重量が 1,520kg となりました ( 同じ本革シートモデルからは約 20kg の軽量化 ) 。 また、このタイミングでサスペンションの一部改良が施されており、1978年に登場した、E23 7 シリーズのサスペンションパーツとの共有が計られました。 しかし E23 で登場した新開発技術であった、ダブル・ジョイント式ロアアームの「 ドッペル・ゲレンク 」の採用は見送られました。このフロントサスペンションは、1983年のマイナーチェンジで、E28 5 シリーズからの流用という形で採用になります。以上、これらの改善対策によって、初期の日本仕様からは大幅なポテンシャルアップが実現したのですが、本国モデルとの性能差はまだまだ大きなものでした。尚、1981年には、BMW JAPAN Corp,設立記念特価を設定、通常より100万円以上の安価な設定 ( 855万円 ) がなされていました。
日本国内における 1982 年の販売モデルは BMW JAPAN 設立に伴う大幅な改良が本格的に実施された年となります。リニューアルされた新型エンジンの投入と、さらなる軽量化が実施されました。M30B32型エンジンの改良は、本体内部にまで及んで、8.8:1 という本国版に近い高圧縮比と、吸、排気効率の根本的な改善や、新しい燃料噴射制御装置 ( Lジェトロ+DME ) の採用を行って180HP/6,000rpm 27.0kgm/4,000rpm ( DIN )というパワーアップとパワーバンドの最適化が行なわれました。さらに車両重量も、日本における初期販売モデルから、100kg 近くもの軽量化が施されており、1,455kg となりました。この改良によって、ようやく BMWクーペらしいパフォーマンスを手に入れたのです。E24 6 シリーズの前期モデルの最終進化系が、この1982年モデルとなります。


1982 year    BMW 633 CSiA   ( Japan specification )




1982年の秋には、6 シリーズ初のマイナーチェンジが行われました。日本では1983年中旬以降に導入されたモデルがこれに該当します。エクステリア上の変更点は、フロントフェンダー内側にターンシグナルランプの増設されて、リアバンパーがフロントと同形式のメッキ処理がリヤフェンダー迄、施されたものに変更されています。 これは、通称「アイアンバンパー」と呼ばれるもので、現在では、6 シリーズの中でも最も人気の高い中期モデルを指す呼称となります。 しかし、このモデルの最大の改良点は、従来の E12型 5シリーズベースの車体及び、サスペンションから、新しい E28型 5シリーズのサスペンションを流用したものに改められた事が一番の改良点です。これに伴い、ミシュラン TRX タイヤ と、TRX 専用アルミホイールがオプションで選択可能となりました ( 正規輸入モデルでは標準装備 )。M30B32 エンジンについても大幅な改良が施されており、エンジン制御が従来のBOSCH Lジェトロニックから、Lジェトロニック + DME 制御となります。さらに本国においても排ガス規制の適合モデルとして進化しており、全体的にポテンシャルアップが施されています。性能表記上でも出力データが変更されており、197HP/5,500rpm、29.5kgm/4,300rpm ( DIN )、というものに変わりました。日本向けモデルでは従来の1982年販売モデルと同一の180HP/6,000rpm、27kgm/4,000rpm ( DIN )、という性能表示となっています。本国モデルの表記上の出力は低下していますが、中低速域の性能アップによって、従来の633CSi より速い加速タイムを記録しています ( 0-100km/h : 7.8sec、最高速度 : 219km/h ) 。このモデルから環境性能を考慮したエンジンとなり、日本やアメリカの販売モデルの性能アップが実現しました。尚、日本では、このエンジンのみが本国やアメリカに先行して、1982年販売モデルから搭載されています。
1982年型以降の 633CSiA のインテリアです。ステアリングは4本スポークから3本スポークへ変更されています。メーターは3眼式から大型2連メーターに変更、各種インジケーターにてインフォメーションを行うように変更されました。眼に見えない部分では、エアコンディショナーの充実が大きな変更点でした。従来型は、実質上クーラーというべきもので、ベンチレーション機能が不十分でした。このマイナーチェンジによって、時流に沿った近代的な装備に変更されたのでした。
1984 year    BMW M 633 CSiA   ( Japan specification )

1984年は 633CSi 最後の年となります。3.0CSL 以来、BMW のトレードマークとなっていたアルピナ由来のタービンホイールは廃止、BBS社製のメッシュタイプのアルミホイールと 205/70VR14 にサイズアップされたミシュランタイヤに変更されています。度重なる改良により、本国モデルと遜色ないパフォーマンス ( 4速ATを得た633CSiは最高速度210km/h オーバーを記録。初期の本国モデルを越える性能が証明されました ) を得ることに成功しました。しかし、633CSi は世間のハイパフォーマンスカーに対して優れたアドバンテージを失いつつあったのです。
1984 year    BMW 633 CSiA








1985年、633CSi はリニューアルされた 3.5L ビックシックス ( M30B34 ) を搭載した、635CSi に切り替えられました。しかし、この 635CSi は、1978年に登場した伝統の M90ユニットを搭載した 635CSi とは全く異なったモデルであり、従来の633CSi 用の 3.3L ( M30B32 ) エンジンをボアアップしたものでした。1985年以降の635CSi は、あくまで 633CSi 延長線上に存在する後継モデルという成り立ちでした、 ( 尚、ドイツ本国では1981 年で 633CSi は販売中止となり、この M30B34 ユニットを搭載した 635CSi が後継車種として登場しています。M90 ユニットを搭載した 635CSi も1981 年で製造中止となり、1983 年に登場した M635CSi が後継車種として登場しました )。日本で販売された 635CSiA は、直列 6 気筒 SOHC、L ジェトロニック + DME 制御の排気量 3430cc で、92x86mm のボアストロークと、圧縮比 8.0:1 というものでした。これにより公表される性能値は、185HP/5,400rpm( DIN )、29.5kgm/4,000rpm( DIN )、というものでした。車重は1,490kgと、45kg程度の増加があった為、最終減速比を3.250から3.460へとローギアード化が計られ、633CSiA 以上の加速性能が与えられました。45kg の重量増はシャーシの改良、補強が行われた為と言われています。尚、ドイツ本国モデルでは、触媒を搭載しないモデルが選択可能であり、このモデルは圧縮比 10,0:1 という高圧縮比を実現、218PS/5,200rpm ( DIN )、31,0kgm/4,000rpm ( DIN )、最高速度 : 225km/h、を公表しています。
1985 year    BMW 635 CSi A   ( Japan specification )
1985年の635CSiでは、従来はメッキであったドアミラーがボディと同色のカラードタイプ変更されている事が識別点となります。ステアリングはスポーツライクな3本スポークタイプに変更されています。

1982年から始まったETCC(ヨーロッパ・ツーリングカー選手権)で大活躍したグループA仕様の635CSiは、この中期 635CSi をベースにチューニングを施したものとなっています。


  BMW 635CSiA   ( 1985 year JAPAN spec )   DATA
  Motor   L6 SOHC 3,430cc   92 x 86mm   8.0:1   ( M30B34 )
 MaxPower   185HP/5,400rpm   ( DIN )
MaxTorque   29.5kgm/4,000rpm ( DIN )
0-100km/h   *   8.9sec   ( four persons )
0-400m   *   16.4sec  ( four persons )
0-1000m   *   29.9sec ( four persons )
MaxSpeed   *   210.8km/h
Weight   1,490kg
* 表の実測値は E28 M535iA ( JAPAN SPEC ) のTEST DATA です。

0-100km/h : 9.9sec がメーカー公表値である M535iA に対して、635CSiA は 9.8sec という公表値です。635CSiA は表記の実測データ以上のパフォーマンスを発揮していた事が想像されます。



この、635CSi の中期モデルは、グループA ヨーロピアン・ツーリングカー選手権で活躍したモデルです。1981年迄のグループ 2 規定と比べて、車両改造やエンジンチューニングが大幅に規制されるグループA には、高回転型の M90 ユニットより、中低速重視の新しい 3.5L エンジンの方が適していました。1983年からワークス BMW とシュニッツァーの共同で製作された新しい 635CSi は、デビュー年の1983年と1986年に見事にシリーズ優勝を果たしました。日本で1985年から行われたグループAレースで初年度にシリーズ優勝を果たした635CSi は、ハルトゲチューンの635CSi で エンジンは前期の M90 ユニットを搭載しています。これは本来グループ2仕様のものをグループA仕様にディチューンされたものだと推測されます。ヨーロピアンツーリングカー選手権グループA 初年度の1982年は、E28 BMW 528i がワークスカーとして出場してシリーズ優勝をしています。実は、E12やE28の方がE24より空力や車体のバランスが良かったのは内緒ですwww。






1989 year    BMW 635 CSi
1987年は最終モデルが発売されます。中期モデルから改良を加えられた、M30B35 ユニットは、圧縮比が 9.0:1 に引き上げられ、日本仕様では、211HP/5700rpm ( DIN )、31.1kgm/4000rpm ( DIN )、を公表しています。但し、車両重量が 1580kg となっており、この重量増加は主にインテリア及び快適装備 ( 後席エアコン等 ) によるものと思われます。対策としてファイナルレシオはさらに引下げられ、3,910 となっています。カタログには具体的な性能表示はされていませんが、0-100km/h を7秒以下!という記述が見られます。タイヤサイズは 225/60VR15 となり M6 と同形式の BBS 社製のメッシュホイールが装着されています。尚、本国モデルでは、圧縮比 9.2:1 から、220HP/5700rpm ( DIN )、31.5kgm/4000rpm ( DIN )、という数値が発生されています。この最終型にはグループAレースで培われたノウハウが反映されている事は明白です。
これが噂の後席エアコン。販売対向上で要望があったのでしょう。長年ETCC選手権を戦い抜いた、BMW のスポーツクーペにデュアルエアコンとは・・・911ポルシェをライバルとした 3.0CS シリーズの後継車種としてデビューした当初の事を思うと隔世の感ひとしおです。尚、最終型はプロジェクターヘッドライトを装備して、すべての6シリーズで衝撃吸収バンパーを装備しています。美しいが故に、時代が移り変わっても命脈が永らえた結果なのでしょう。
















発表当初は、630CS と 633CSi という 2 グレードのラインナップでスタートした、E24 6 シリーズクーペですが、2 年後の 1978 年の秋には、新しいフラッグシップモデルとして 635CSi が追加発売されました。この 635CSi は、先代の E9 3.0CSi に相当するモデルとなり、ゲトラク社製のクロスレシオ 5 速マニュアルギアボックスが標準装備されています。歴代、BMW のトップモデルには、オートマチックの設定はありません。
1978 year    BMW 635 CSi

635CSi には、先代のレース専用モデルであった、3.5CSL のエンジンをディチューンした M90 ユニットが搭載されています。この名前が表すように、BMW M1 用 DOHC 4VALVE の M88 ユニット誕生の後に、ヘッドを SOHC 2 バルブ に変更して製作されたものです。従って、ボアストロークも 93.4 x 84mm という通常のビックシックスとは全く異なり、高回転型のショートストロークエンジンとなっています。当時の CG 誌の TEST 記録 0-400m :14.66sec、0-1000m :27.32sec、最高速度 223.60km/h、は、3.0CSi の新型モデルとして、相応しい十分なポテンシャルを発揮していたと思われます。


  BMW 635CSi   ( 1978 year )   DATA
  Motor   L6 SOHC 3,453cc   93.4 x 84mm   9.3:1   ( M90 )
 MaxPower   218HP/5,200rpm   ( DIN )
MaxTorque   29.0kgm/4,300rpm ( DIN )
0-100km/h   7.6sec   ( four persons )
0-400m   15.0sec  ( four persons )
0-1000m   28.1sec ( four persons )
MaxSpeed   222km/h
Weight   1,450kg
* この前期 635CSi は日本及び US には、正式に導入されていません。 所謂、並行輸入と呼ばれる車両が日本に輸入されています。この時代、かつての BMW の圧倒的パフォーマンスを知る人達は、平行モノやアルピナモデルを購入していたようです。


この BMW の新しいフラッグシップクーペのライバル達は、E24 6 シリーズクーペが発売された翌年にあたる、1977年に発売されています。それは C107型   Mercedes-Benz 450SLC 5.0、という限定生産モデルであり、もう1台は PORSCHE 928 と名付けられた、ポルシェの新しいフラッグシップモデルした。メルセデスベンツの 450SLC 5.0 は、モータスポーツを意識した特別なモデルとなっており、現在までのベンツの歴史の中でも非常に珍しい成り立ちとなっています。Type M117 と呼ばれる当時のメルセデス最強のエンジンユニットは、  SOHC V8、5,025cc、240HP/5,000rpm ( DIN )、41kgm/3,200rpm ( DIN )、 というスペックを公表しています。 さらに、アルミ製ボンネットフードや、トランクリッド等を多用してオリジナルの 450SLC ( 1,630kg ) から優に 100kg 以上の軽量化を行い、1,515kg を実現した、特別なライトウェイトモデルです。450SLC 5.0 はルマンでの悲劇以降、事実上初めてのワークス活動としてモータスポーツに参戦を行いました。サファリラリーやスパ・フランコルシャン 24 時間レース等、着実に上位入賞を果たしてベンツの揺ぎ無い技術力をアピールしました。特にサファリラリーではトルクコンバータ式3速ATで出場して他社の技術陣を驚かせました。メルセデスの公式発表は走る実験室の延長であり、本格的なモータースポーツへの復帰では無いというものでした。
PORSCHE 928 は、当時の最高技術を駆使した画期的なスーパースポーツというべき、新世代の GT カーで、オールアルミ製の SOHC V8、4,474cc 8.5:1 から、230HP/5250rpm ( DIN )、35.0kgm/3600rpm ( DIN )、という出力を発生して、最高速度 230km/h を公表していました。また、FR レイアウトで理想的な重量配分を可能にするために採用されたトランスアクスルシステムは、現在でも、R35 NISSAN GT-R などが採用する手法です。またヴァイザッハ・アクスルと呼ばれた 4WS システムを開発、採用している事でも話題となりました。これは4WS 機構のパイオニア的技術で、その後のサスペンション開発に多大な影響を与えました。以上の革新的技術によって、従来の FR レイアウトの大型 GT カー の常識を覆す高次元の性能を発揮したのでした。
年式よって異なるのですが、重量は1,500kg から 1,520kg となっています。当時のポルシェの慣例に沿って15年という長期に渡って生産、販売されたのですが、エンジン、サスペンション等、全く別のクルマのように大幅な進化、改良が弛まなく行われています。1990年代には、最高速度 275km/h を誇り、世界最速の FR カーと呼ばれていました。


これら、世界屈指のスーパーマシン達に対して、小さな排気量、エンジンで、勝るとも劣らないパフォーマンスを披露した、635CSi は特別な存在感を持って人気を得ていました。格上の自動車と互角のパフォーマンスを発揮して大ヒットしたBMW 1500 以来のノイエクラッセの伝統は正しく継承されていました。



















1980年代に入ると、アウトバーンにおけるパワー競争にも一層の拍車がかかり、BMW は M1 に搭載されていた伝統の M88 エンジンユニットを 5 シリーズ及び、6 シリーズに使用する事になりました、サーキットフィールドで誕生した、珠玉のレーシングユニットを搭載する新しいフラッグシップモデルが誕生したのです。
悲運の名車と云われたM1。Group 5 のシルエットフォーミュラーレースに於いて、3.5CSLが果たせなかった総合優勝を確実に勝ち得るスーパーウェポンとして製作されたものです。空前絶後のBMW 唯一のスポーツカーでした。
当初、シャシ設計はランボルギーニ社に委託され、デザインはイタルデザイン ( ジウジアーロ ) という事で開発が進みましたが、生産段階で鋼管フレームシャシの製作が遅れて頓挫したため、急遽、ドイツのバウア社にてシャシの製作を行い、これに被せられるボディをイタルデザイン製作のFRPボディという決定がなされました。しかし、連続12か月間に400台以上の生産には遠く及ばず、総生産台数が僅かに477台でした。
Group5 3.5CSLのエンジンを市販車用にディチューンしたものが M88エンジンユニットです。しかしレース前提での市販化の為、燃料制御はクーゲルフィッシャー製が継続使用され、市販型は、277HP/6,500rpm ( DIN )という公表値で、Group 4 は、470HP/9,000rpm ( DIN )と 3.5CSLと同値でGroup 5 は 850HP/9,000rpm( DIN ) と 3.2CSL TURBO を大幅に超える公表値となっています。Gr,5 こそが目標でした。
  1978 year BMW M88/1   unit


6 シリーズファンには説明不要だと思いますが、M1 のリヤテールランプは、E24 6 シリーズから流用したものです。ジウジアーロは、M1 をデザインするに当たって1972年のターボコンセプトを参考にしたという事です。
















1983年に発売された M635CSi では、この M88 ユニットのパワーを286HP迄「 開放 」して搭載されました。
レースフィールドとはいえ、10年近くの前に 470HP を発揮して、国際ツーリングカーレースを席巻した珠玉のエンジンには、全く造作の無い、「 調律 」であったと思われます。M88 ユニットを搭載する、M635CSi は、グループA公認規程( 連続する12か月間に2,500台または5,000台以上の生産された4座席以上の車両 )を満たせなかった為、Group,A レースには参加出来ませんでした。記憶では、1982 年のプレ発表会の段階で、M635CSi をGroup,A レースに投入する予定は無いという事でした。これは、ツーリングカーの公認規定をクリアする事が厳しいというよりは、基本的にノーマルエンジンで戦う Group,A 競技の場合、M88 及び M90 ユニットより中低速のパワーバンドが勝る M30B34 の方が有利であったためと思われます。



BMW M635CSi   (   1983 year   )   DATA
Moter   L6 DOHC 4VALVE   3,453cc   93.4x84mm   10.5:1   ( M88/3 )
MaxPower   286HP/6,500rpm   ( DIN )
MaxTorque   34.7kgm/4,500rpm ( DIN )
0-1000m   26.4sec ( four persons )
MaxSpeed   255km/h
Weight   1,500kg


このM635CSiは、日本及びUSでは、M6という名称で1986年から正規販売されました。バッファロー革のシートやデュアルエアコン等、豪華装備テンコ盛りで・・・。圧縮比は10.5から9.8にダウン、パワーも260PSとなり、トルクもダウン・・・。何よりも悲しかったのは、100kg近い重量アップで1610kg!!。従って、M6にはあまり魅力を感じませんでした。1445kgの633CSiAでも重たいと思ったのに、1.6tというのはさすがに・・・。














BMW   633CSi A   (   1982year Japan spec   )





ボッシュのハロゲンヘッドライトとフォグ、初期型635CSi用のストライプ。
本当は本国純正パーツであるヘラーのヘッドライトを付けたかった(笑)。




Icon エンジン関係

水冷直列6気筒SOHC 電子制御( BOSCH K-Jetronic + DME )
総排気量 : 3210cc ( 89.0×86.0mm ) 圧縮比 8.8:1

最高出力  180HP/6000rpm ( DIN )
最高トルク 27.0kgm/4000rpm ( DIN )

Icon ボディ関係

車体重量 : 1445kg、ホイルベース : 2625mm

トレッド前後 F:1420mm、R:1485mm
LWH : 4755mm、1725mm、1365mm

Front:マクファーソン・ストラット、スタビライザー
Rear :セミ・トレーリングアーム、スタビライザー

4輪ベンチレーテッドディスク装備

2ドアクーペ、4人乗り。195/70HR14 MICHELIN XVS装着。

Icon その他

1982年型633CSiA メーカー公表性能値
0-100km/h : 10.8秒、0-400m加速 : 17.6秒
最高速度 : 195km/h


1983年のCG誌TESTデータでは・・・、
0-100km/h : 9.1秒、0-400m加速 : 16.5秒
0-1000m : 30.4秒、最高速度 : 203.7km/h





























我が家の633CSiAは、色々と秘密のチューニングを施しました(笑)。ひとつは、1985年から輸入された635CSiA用のマフラーへの交換です。キャパシティはこちらの方が大きかったようで、かなり静かになりましたが、初速がちょっと落ちたように感じました。そして秘密のヘッドチューン!!(笑)。バランス取りだけで無く色々と・・・、要約すればEC本国仕様へ戻したという事です。圧縮比9.0:1に戻した結果、幾らかはパワーアップを果たしたと思います。何たって、セリカの2.8GTのチューンド(NA、5速)を、アクセルに余裕を持ってブッチギリましたから・・・(爆)。

またミシュランより径が大きい国産タイヤを履いて、メーター読みで210km/h over!。当時のマークIIがメーター読みで180km/hの時、633CSiAのメーターは150km/h付近を指していました。コスモターボが180km/h振り切った状態でも、後ろから追走する633CSiAのメーターは170km/h付近を指していたという事です(悲)。

サーキットは直線が短いから、本当はもっと速いンだけどォ???ヽ(@_@;)ノ。
















世界一美しいクーペ、このスタイルから何時間でも居続けられる快適性をもつ、
リヤシートの居住性が判断出来るでしょうか。これもその理由のひとつ。


























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