TOYOTA COROLLA LEVIN 1600GT-V ( Last Type )




AE86型カローラレビン1600GT-V。世間では「ハチロク」という愛称で呼ばれていて、未だに人気があるようです。もう発売されて20年が経つ自動車ですが、当時からクルマ好きには人気があったように思います。丁度、R32型スカイラインが現役当時に一部のクルマ好きには、絶大な人気があった事とイメージ的には重なります。発売当時、このAE86型レビン/トレノの最大の特徴は、やはり新しくなったツインカムエンジンでした。先代のTE71型のレビン/トレノ迄は、70年代のTE27型レビン/トレノ以来、連綿と使い続けられていた、2T-Gという形式の1.6L、ツインカム2バルブエンジンを搭載していました。

2T-Gツインカムエンジンは、排気ガス対策前に発売されたエンジンですが、その性能は、当時でも稀な「カタログスペック以上の性能」を発揮して、絶大な人気を得ていました。48年の排気ガス対策を受けたTE37トレノなどが、確かCG誌でも実測185km/hを記録していたと思います。カーグラフィック誌のフルテストは2名乗車と計測機械を搭載してガソリンは満タンという形式で行われていました。従って、4人乗車に相当する状態で記録されるのが、この自動車誌のテストの特徴です。当時のスポーツタイプ車で実測が180km/hを超えたのは、この2T-Gエンジン搭載車とロータリーエンジン搭載のマツダファミリアやカペラくらいだと記憶しています。( もちろん240Zや2000GTというスーパースポーツを除いて )

このAE86には、新しい4A-GEUというツインカムエンジンが搭載されていて、同じツインカムでも1気筒当り4バルブとなり、130PS/6600rpmの性能を誇っていました。この数字は当時の2Lクラスのエンジンと同じ値であった事と、陳腐な売り文句でしたが、アイドリングからレッドゾーンの7700rpmまで、1秒を切る!(笑)という謳い文句でした。当時の自動車誌のテストでは、最高速度185km/h、0-400m加速で16.4秒という記録が残っています。しかし、一般に販売されていたAE86は残念ながら、180km/hは出ないというのが定説でした。ハズレの車両になると、メーター読みですら180km/h迄届かないというクルマも多く、色々と仲間うちでは話題になったものです。僕のレビンは一応メーターを振り切りましたから、ハズレでは無かったと思います(爆)。

ゼロヨン加速にしても16.4秒というのは、かなりの眉唾もので、FJ20Eを搭載したDR30スカイライン2000RSや、トヨタのフラッグシップであるソアラ2800GTをも凌いでいます。実際には、5速マニュアルのマークIIのツインカム24のGT( 1G-GEU搭載 )と加速競争をして殆ど同じだった経験がありますので、一般に売られた市販車レベルでは、ゼロヨン17秒前半で実測180km/h前後というのが、このクルマの平均的なポテンシャルだったと思います。実際のポテンシャルの比較対照としては、当時のホンダCR-X( SOHCの1.5L )と良い勝負だったと思います。しかし、そこは走りの基本であるFRレイアウトのスポーツモデルですから、乗り手次第という部分が大きくウエイトを占めていて、当時からホンダのCR-Xに勝ったという話は多くありました( これが人気の秘密でしょう )。実際にエンジンのライトチューンと足周りのチューンで、ZCツインカムのワンダーに勝ったという強者も(けっこう)居ました。私は1986年に後期モデルを購入したのですが、正味1年半、8000kmの走行距離でしか乗っていません。従って、エンジンやボディ、サスペンションというのはノーマルのままで乗っていて、改造は殆どしていない状態でした。しかしこのAE86というクルマは弄ってこそ、魅力があるクルマだと思います。

購入する時に、レビンかトレノか?、はたまた3ドアハッチバックが2ドアクーペか?。色々と選択肢がある訳ですが、当時はリトラクタブルライトが珍しかった時代だったので、レビン/トレノで言えば、トレノの方が多く存在していたようにも思います。2ドアか3ドアか?という選択肢は、どのように乗るか?で決まっていたようにも思います。2ドアは基本的に競技車両ベースという感じで、ラリー車などは2ドアが多かったように思います。また、2ドアでもGTアペックスというモデルは、豪華装備やツートンカラーなどが装備されていて、ミニソアラ的なイメージがあって、結構多く見かけたようにも思います。
このAE86型は、実際にシャーシやサスペンションは先代のTE71型をそのまま使い回ししただけだったのですが、排気ガス対策で鈍くなった2T-Gと違って活発な4A-Gに載せ替えただけで、うそのように軽快に走るクルマになっていました。しかし、ノーマルではその限界性能は低く、当時でも操縦安定性という部分では遅れていたように思います。美点としては、新しいボディ(シャーシ)は、当時の基準ではかなり剛性の高いものが与えられていました。この点は私も良かったと思うところで、当時のワンダーシビックやCR-X、後年のグランドシビックや2代目のCR-XのV-TECモデル辺りと比べても、AE86型レビンの方が剛性感は明らかに上でした。

なぜ、改造する事も無く、短期間で手放したか・・・。
結局のところ、このクルマは好きで買ったクルマでは無かったという事が一番の理由だと思います。82年に購入したコスモは満身創痍の状態で、ちゃんと直そうと思えば、もう1台同じクルマが買える金額が必要でした( 当然、私の乗り方が悪い為 )。トップクラスのポテンシャルにも蔭りが見えるようになって、心が揺らいだ時に発売されたのが、R31型スカイラインでした。思えば、このR31型が欲しかったのだと思います。しかし「セブンス」と呼ばれた新しいスカイラインは、なんと総額400万円を超える!高級車となってしまい、全く手が出せない状態でした( 一応、無駄と判っていても見積りはしっかりしてもらいましたが・・・ )。実際のところ、当時、R31スカイラインが遅いとか、かっこ悪いという事を言っていた人達の多くは「高くて買えないよ!」というのが本音であったようにも思います(笑)。その上に、満を持して発売された、栄光の直列6気筒DOHC24バルブのターボエンジンであるRB20DETエンジンは、先代のDR30型のRS-TURBOはおろか、トヨタのツインカムより遅いという評判が蔓延していて、大変残念に思った記憶があります。私は目標を失ったが如く、欲しいクルマが見つからない状態でした( ちとオーバーか! )。そこで次に心を捕らえたのが、当時のラリーフィールドでトップを快走する、この新しい4A-GEUエンジンを搭載したレビンであったのです。






































※ AE86 LEVIN 3doorHB 1600GT-V( 実測値 )。
MaxPower  130PS/7000rpm( gross )
MaxTorque  16.5kgm/4000rpm( gross )
0-100km/h  9.0sec  ( 2名+計測機材 )
0-100m  6.7sec  ( 2名+計測機材 )
0-400m  16.4sec  ( 2名+計測機材 )
1st( 3.587 )  51km/h
2nd( 2.022 )  91km/h
3rd( 1.384 )  134.0km/h( 7700rpm )
4th( 1.000 )  184.0km/h( 7000rpm )
5th( 0.861 )  185.1km/h( 6700rpm )
Final gear  4.300 「 4.100 」
Weight  935kg




spec AE86 1600GT AE86 1600GT-V
F-suspension 1.60kg/mm( 75/35 ) 1.80kg/mm( 110/37 )
R-suspension 1.85kg/mm( 58/30 ) 2.20kg/mm( 100/50 )
Steering 3.5 3.0(16.8:1)
Brake Disk/Drums Disk/Disk
Tires 185/70/13 185/60/14
※ サスペンション欄のカッコ内は、ダンパーの減衰力(伸び/縮み)