2005年夏・南イタリア旅行記
            〜ローマ〜
 イタリア・ローマにやってきた。ずいぶん昔に、ミラノ、ベニス、フィレンツェ方面には行った事があったが、ローマは今回が初めてだ。これまで、あちこち旅行している割には、代表的なローマがなぜかもれていた。特に理由はない。ローマの風景はテレビや写真ではお馴染みだが、初めての地という事で、まずはオーソドックスな観光コースを回る事にした。その前に、観光の起点となる泊まったホテルは、地名こそ
有名らしいが、ホテルとしてはあまり知られていない「コンドッティ29」(Condotti
29)☆4。住所が、そのままホテルの名前になっていてコンドッティ通りの29番地にある。正式な名称は「Condotti 29 Palio Bianco Suite」と記述される。
 ブランドものとは縁はないが、プラダ、グッチ、ルイ・ヴィトン、セリーヌなどのお店がずらりと並ぶブランド通りのど真ん中にある。これはホテルを予約してから気がついた。
 このホテルを選んだのは、@スペイン広
場の近く。Aリーズナブルな4星(夏期でも1部屋155ユーロ)。B団体客のいない小規模ホテル。で探した結果だった。部屋数はなんと6室しかない。
 地図を見ると、地下鉄のスペイン広場駅(SPAGNA)からすぐで、ホテル名=住所なので迷う事はない。と思っていたが、ところが入口が極めて分りずらい。外から見える看板などはなく、認識できるものは通りに面した壁にかかった、ごく小さな表札
1枚である。しかも入口から見えるのは1階のブランドショップでホテルは2階がフロントになっていた。様子が分らないまま中へ入ってみると小さいながら清潔かつ気品のある造りで、接客もよく、レベルの高いホテルで安心した。また到着時にウェルカムドリンクとお茶菓子が出され、そして部屋にはフルーツがサービスされていた。さらに、朝食は、ルームサービス形式で前日にメニューと時間を指定すると部屋へ運んできてくれる。宿泊料に含まれているとは言え、これだけの豪華朝食が無料なのは得した気分になる。
■スペイン広場
 部屋でゆったりと朝食をいただき、まずは、ホテルから徒歩3分のスペイン広場に向かった。スペイン広場は、かつてここにスペイン大使館があった事からその名がついたらしい。外に出ると空気がひんやりとしている。見ると朝早いので、まだ、観光客もいない。静かなスペイン広場だ。ゆっくりとピエトロ・ベルニーニ作の「船の噴水」を観賞し、そして映画「ローマの休日」の舞台となったスペイン階段を上がってみた。下に噴水そして静かなコンドッティ通りが続く。朝ならではの景色だ。これが昼間になるとショッピングと観光で大勢の人が集まり一変する場所だ。
 残念ながら、階段の上のトリニタ・デイ・モンティ教会は改修工事中だった。
(昼間のスペイン階段)   
■ボルゲーゼ美術館
 次にスペイン広場からピンチアーナ通りを経て、ボルゲーゼ美術館を目指す。美術館は、広大なボルゲーゼ公園の東側にある。歩いてでも行けなくないが、小型バス116系統だと美術館のすぐ近くまで乗り入れている。また公園入口のピンチアーナ門からだと美しい公園の中を歩いて10分弱くらいだ。(周辺地図)
 ローマの美術館は予約が必要なので、日本で事前に予約をしておいた。下記アドレスから名前と日時を申し込むと1日くらいで、予約番号を発行してくれる。現地で手続きするより簡単だ。http://www.ticketeria.it/quick_reserve-eng.html
 美術館では、予約番号を見せてから切符を購入するしくみになっている。またボルゲーゼ美術館は入館できるのは、2時間ごとと決められているため、うまく時間を合わせないと待たされる事になる。今回予約したのは9:00-11:00で、開館時間の9時になって、入館した。ちなみに、館内撮影禁止で手荷物は預けなければならない。中は、2階建てで1階が主に彫刻などの美術品、2階は絵画が展示されている。収蔵品は、ボルゲーゼ家がコレクションしていたルネサンス、バロック期のイタリア美術の作品であるが、多くは19世紀の初めにフランス・ルーヴル美術館へ手放してしまったため残された一部が展示されている。
 彫刻ではベルニーニの「アポロンとダフネ」(1622年−1625年)、絵画では、ラファエロの「キリスト降架」(1507年)が有名。 「キリスト降架」では修復された様子も
興味深かった。2時間あればゆっくりと見る事ができる。
http://www.galleriaborghese.it/borghese/en/edefault.htm

 ローマの市内観光は、1日券を買って、地下鉄と市バスを利用するのが便利だ。
 バスならatacのホームページから出発地と到着地、時刻などを入れると路線と経路を表示してくれる。


http://infopoint.atac.roma.it/calcolapercorso.asp?lingua=eng

■真実の口
 ボルゲーゼ公園のブラジル広場から95系統のバスで20分ほど乗車し、マルチェッロ通りに入り正面に茶色の教会が見えればバスを下車、徒歩250mで、「真実の口」があるサンタ・マリア・イン・コスメディン教会に着く。 (周辺地図)
 「真実の口」(Bocca della Verita)と呼ばれる石の円板は、この教会の入口の軒下左側に立てかけてあり、行列ができてい
たのですぐに分った。立派な教会ではあるが、観光客はやはりこの石板が目当てだ。もともとは古代の井戸という節もあるが確かではない。うそをついた者が石面の口に手をいれると食べられるとの伝説があり真実の口と云われるようになった。映画・ローマの休日でも出てくる有名なシーンだ。口に手を入れて写真を撮るのが定番で行列ができている。右側の軒下から並ぶ事30分でようやく順番が回ってきた。ここでは暗黙のルールで順々に次に並んでいる人が写真を撮ってあげる繰り返しになっていた。もちろんご多分にもれず1枚撮って頂いた。

■フォロ・ロマーノ
 真実の口から「フォロ・ロマーノ」はすぐ隣のエリアで徒歩10分程度で門にだどりついた。ここには古代ローマ時代の建造物、遺跡が数多く残っている。これらの遺跡群が大都市ローマ市内の中心に平然とあるから驚きだ。フォロ・ロマーノの意味は「市民が集まる広場」ということなので、当時は町の中心として栄えた場所にあたる。
 入場無料で、ぶらぶら入って来たのはいいが、何から見ていいいのか分らない。ここではガイドブックは必需品でじっくり見ると半日はかかるだろう。とりあえず、載っている写真と照らし合わせて、ぐるっと回ってみた。ローマ時代に栄えた様々な神殿や記念柱などが多い。ほとんどの建物は柱と壁の一部が残されているだけだ。

 <↓アントニヌスとファウスティーナの神殿>   <↓カストーリとポルーチェの双子の神殿>


 <↓エミリアのバジリカ>               <↓セベルスの凱旋門>


■コロッセオ
 フォロ・ロマーノのセベルスの凱旋門を抜け、階段を上がって行くと市庁舎のあるカンピドーリオ広場に出た。ミケランジェロが作っただけあって美しい広場に仕上がっている。カンピドーリオ広場からマルチェッロ通りに降り、立派なヴィットリオ・エマヌエーレU記念堂の前を沿ってフォーリ・インペリアーリ通りに入ると正面に円形闘技場「コロッセオ」が見えてくる。この道は本来ならバスも通行する車道だが、今日は歩行者専用となっている。広々とした道をゆっくりとコロッセオに向かった。
 やはりコロッセオは存在感があってスケールがでかい。ローマをイメージさせる建造物のひとつで、観光地の代表とも言える。いまでこそ物静かではあるが、ここではさぞ民衆達が盛り上がった事であろう。
 古代ローマ帝国のべェスパシアヌス皇帝が72年に建設を始め、80年に完成させた、188m×156mの楕円劇場で、45,000人を収容できたらしい。現在は、劇場の床がないため当時、猛獣などを戦わせた巧妙な舞台装置が見て取れる。その後、役目が終わったコロッセオは、他の建造物のために大理石をはじめ建築資材を奪われ、半分程の外周を残すのみとなった。それでも今日では別の意味で大勢の人々がここに集まって来る。


■ナボーナ広場
 ローマ市内には、いたるところに噴水のある憩いの広場が点在している。中でもこのナボーナ広場は市民も観光客も気楽にくつろげる場所だ。
 元を正せば、ローマ時代は、3万人を収容できた競技場で、広場となったのは15世紀になってからだ。いずれにしても当時から庶民の集まる場所として今に至っている。
 ナボーナ広場の中には、北側から「ネプチューンの噴水」「四大河の噴水」「ムーア人の噴水」と3つの噴水が並び、常に潤いに満ちている。
 噴水だけでなく、カフェテラス、露店、ストリート・パフォーマンスに人が集まり活気にあふれ、楽しめる広場という感じだ。
 もちろん、この熱さの中、ご多分にもれず広場中央のカフェテラスで休憩をとった。


■トレビの泉
 ローマの観光地と言えば、やっぱりこの「トレビの泉」は外せない。1度はコインを投げてみたいと思っていた。ローマ市内のほぼ真ん中に位置し、ナボーナ広場からだと、徒歩で15分くらいの距離だ。コロンナ広場のマルクス・アウレリウスの記念柱を過ぎ、コルソ大通りを渡るとまもなく水音が聞こえてくる。
 さすが、人気スポットだけあって泉を取り囲むように観光客やカップルで賑わっている。日中の熱さを癒すため集まってくる人もいるだろう。とにかく大勢の人達の休息の場となっていた。さほど大きくない広場にポーリ宮殿があって、その前に泉の守護神「ネプチューン」と左右の壁面にはそれぞれ女神像を配し、豊かな泉と一体感をもたせてある。
 建築家ニコラ・サルヴィの設計で1762年に完成したバロック芸術の傑作である。


■ローマからナポリへ
 ローマ・テルミニ駅(中央駅)からイタリア鉄道でナポリへ移動した。ローマ〜ナポリ間は便数も多く、特急(ESスター)で所要約2時間で到着する。ESスターは、スイス鉄道(SBB)の特急に比べると見劣りするが、全車指定席でまあまあ快適だ。
 切符の料金は1人、22.21ユーロ。ナポリは中央駅の地下、「ガリバルディ広場駅」に到着した。