頂門の一針 投稿文:『被災地報告』 平成23年4月16日(土)




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※下記文章は掲載されませんでした。

主宰者が配信を復活された頃、小生は仙台のNPO団体に加わり、支援活動の手伝いをしていた。2週 間弱滞在していたので、47日深夜の強い 余震も含め、終始地震に遭っていた。沿岸部の人々は地震が起きるや津波に神経を尖らせていることも伝わってきた。改めて彼の地が地震や津波とともに暮らし ているということに気づかされた。

河北新報は、連日太字で被災状況や復興について一面トップで扱っていた。福 島原発についてトップ記事になったのは、滞在最終日の412日 だけだったと記憶している。被災地は原発どころではないのだ。仙台だってガスは完全復旧していない。数週間入浴できていない人が沢山いる。銭湯は整理券 配っての大行列である。コンビニの陳列棚はガラガラの品薄である。『買い占めはやめよう』などとCMで 流すが買い占めどころではない。

東京は首相が退陣するか大連立かなどの話題で 盛り上がるようだが、現地はそんな政治の話は出てこない。今日、明日をどうするかで必死である。そのような温度差があることは東京にいるとどうしても伝 わって来ない。

また、被災地を廻って感じるのは、避難所へは 比較的物資が公的に入っていくが、周辺の自宅全壊を免れた集落は、物資が滞っているということだった。家がある人はまだ大丈夫だろうという暗黙の線引きが あるらしい。しかし、実際は車もなく年寄り世帯で、周辺の店が営業不可であると、遠くまで行かない限り物資を調達できない。避難所より大変な箇所がいくつ か見受けられた。

介護のボランティアを募集しているという別のNPO団体に申し込みをしてみたが採用されなかった。結果的には良かった。内部事情に通じている人の話では、 あまりに意欲の強すぎるボランティアが殺到しているとのこと。不採用となっているにもかかわらず現地にまで行って、意地でもやらせてくれと云ってくる困り 者が横行しているらしい。そういう人に限って、現地の実情を無視して自分の介護経験を押し付けるので、現場はほとほと困るという。

広範囲にわたる被災地は、今も遺体捜索をする ところから既に仮設住宅への話に進んでいるところまで、これまでの災害よりも多様化している。その多様化している中で、日々状況に変化があることも把握し ていかなければならない。復興の道筋をつけていくには難しい舵取りを要する。

そんな中でも彼の地の人々は、特有の我慢強さ で日々耐えている。大丈夫でないのに大丈夫と云ってしまう。本当に大丈夫でなくなる事態を最も避けなければならない。しかし、大丈夫なうちは、少しでも支 援して復興を後押ししたい。細く長く関わっていこうと思う。

スタッフの一人が小生に云った。

『東京で花見の自粛なんかしなくていいから さ、東北の酒と肴で盛り上がってくれよ』と。



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