震災報道あれこれ

H23.3.30 Yamar 記


震災について、この間様々な報道や評論、解説がなされているものの素人は首を傾げてしまうことが多い。

三つあるのだが、一つは首相が東電に出向いて 怒鳴ったという一件。メディアでは首相をコテンパに叩いている。大体が、非常時に怒鳴ってるような大将はどうしようもないという論調である。しかし、もし 首相が別の人だったらどうなのだろう。例えば石原慎太郎都知事のような人だったら。小生は5年以 上、都知事の定例記者会見を欠かさず毎週観ている。気に入らない質問(時に都合の悪い質問)には、記者勢揃いの中で も平気で一人の記者に怒鳴る。しかし、それによって極端に叩かれることなどない。

非常時と記者会見じゃ比べものにならないかも 知れないが、都知事だったら非常時でも怒鳴るのではないかと思ってしまう。現にJR東日本をこき下 ろしたではないか。政治記者、評論家はここら辺についてどう思っているのか訊いてみたいものだ。

同様に二つ目も首相のことなのだが、地震直後 へ被災地へ飛びたいと希望して官房長官にたしなめられたこと。福島へ行って批判を浴びた直後だったから仕方がないとは思う。ただ、これも大体の論調が、災 害時のトップが被災地へのこのこ行ったってどうしようもないというものである。しかしながら、12年 前の台湾での大地震の際、李登輝元総統は夜中に起きた地震の直後被災地へ飛び、明け方には陣頭指揮を取っていた。翌朝台北にのこのこ登庁した政府高官達を とんでもなく叱ったというエピソードが残っている。

ちなみに、李元総統は、平成19年の新潟県中越沖地震の際、安倍元首相が現地視察を30分 (実際は4時間)で切り上げたことを批判された。少なくとも3日 くらいは現地にいなければ状況を把握できる訳ないと。昨秋の李登輝研修学校で小 生が直に李元総統の講義で聴いた話である。

被災地が広すぎて視察する効果が少ないという 理由はあるかとも思う。しかしながら、どうもメディアの論調は首相を叩きたいが為のように見える。

結局は現首相がそれだけの器でしかないという ことの裏返しなのかも知れない。

三つ目は世界から日本が称賛されているという 報道である。略奪、暴動がないと云って下さるのはありがたい。しかし、実際には商店の品物が盗まれているなどの報道は幾らでもあるではないか。何よりも首 都圏の買い占め騒動は被災地に対する間接的略奪ではないのか。都知事は震災直後に、我欲を捨ててなどと訴えたものの首都圏三千万の民はほとんど実行に移さ なかった。あからさまな大規模略奪行為がないだけで、実際のところはどうなのだろうと斜に構えて見てしまう。

ところで、地震発生直後から珍しくテレビを数 日の間つけていた。今何が起きているのかの報道をひたすら各局報じていたから、何かの折は役に立つだろうと思い、そうしていた。

3日 目あたりから案の定民放はお涙頂戴のような特集を組み始めた。そう思っていたらNHKも似たような 特集を組み始めたから、いつものようにテレビは見なくなった。

ケ ア訪問先の利用者は大体がテレビ漬けの毎日だから、テレビは目に入ってくるし、中には内容をわざわざ報告してくる方もいる。『こんな感動的なことがあっ た』、『こんな可哀想なことがあった』などと云われる以上、こちらも仕事だから幾らか反応しなければならない。ただ、内心は『勘弁してくれよ』とつぶやい ている自分がいる。

ラジオは緊急地震速報などがあるから寝ている 間も一応未だつけっ放しでいるが、時折イラっと来る。

ACCMタレ流しに『このご時世にあれはなんだ?』と全国から批判が殺到しているようだ。最もなこととも思う。そ れとともに小生気に入らないことがある。

天気予報を聞いていると、アナウンサーは『冷 えますので被災地の方は体調に充分注意して下さい』と平気で云ってのける。他人事も甚だしい。予想気温を伝えればそれで分かるだろうが。毛布、暖房がなく て困ったところがどれだけあるのか何も考えていない。

放射能問題では学者や解説者が真顔で『雨の時 は傘をさして』ってアホか?NHKラジオは時報とともに『24時 間安心のNHK』などとわざわざ流す。被災地は不安な毎日を過ごしているというのに。

どこも他人事のくせして一言多い。そういうお 前が一言多いと云われれたら返す言葉もないが。

 

追伸:小生のPHS(携帯電話のようなもの)では、『ひとごと』で変換を押しても『他人事』とは表示されない。いちいち 『他人』と『事』を入力している



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