高見山(1248.3m) たかみさん
平成19年1月27日(土) 単独
 この時期、宇陀の玄関口でもある近鉄榛原駅は登山客のバスを待つ列をよく見かける。
 樹氷・霧氷を求めて東吉野村の高見山、御杖村の三峰山へ向かうためだ。
 宇陀に住んでいてこれらの山へ登らないのは勿体ない。山を好きになってからは高見山か明神平のある東吉野へ毎年行くようになった。
 この高見山は思い入れの強い山である。山を強く意識した最初の山かもしれない。小学生の自分は4年生からボーイスカウトの一部であるカブスカウトに入った。当時はクラスで少年探偵団などが流行っていた為、冒険やキャンプに興味を持っていたのだ。それで野外活動が面白そうだと友人達と共に入隊したのであったが・・・募金活動や奉仕活動、またはロープ訓練など子供心に「何てつまらないものだ」と感じたのである
(正直、すみません)
 そのうち、冬山登山が企画されて高見山へ登ることとなった。今から思えばアイゼンと言うものを初めて知ったのがその時だと思う。天好園という施設に一泊し、少し歩いて山へ入っていった。天好園にはたった一度しか行った記憶がないと思うが、庭の池や名前までハッキリ覚えているのは高見山の冬山登山があまりに強烈だったからだろう。
 当時は小学生だったので「何で寒い雪の山なんか登らないとあかんねん」と不満だった。家の近所で遊んでいる方が楽しかった頃である。
 すっごく雪深い山を列になって登っていく。その頃は今のように雪が積もっていたり無かったりというのではなく、冬は絶対に雪が積もっているのが当たり前であった。東吉野村は特に宇陀から見ても寒かったと思う。道も悪くかなり遠く感じたものだ。
 この雪山登山では足のつま先や手の指先が寒さで痛くなり、登る苦しさもあって大変な苦痛であった。「早く帰りたい。山なんか嫌だ。まだ着かないのか?もう戻りたい」と何度も地獄へ来たような気分で泣き言を言っていたように思う。山なんか大嫌い・・・と言う気持ちからカブスカウトなんて入らなければ良かったと言う感情まで強くなった登山でもある。それだけ高見山と言うのは名前も聞きたくないほど嫌な場所となった。苦しい記憶しか無かったのだから・・・。
 その後、特に山には興味もなく大人になっていった。大人になっても山登りのようなしんどい事を楽しめるとは思えなかった。しかし何度か誘われて歩くウチに「山の蜘蛛男」になっていたのである(笑)。辛い記憶も薄れたのか高見山も身近な山となっていた。
 ただ、あのトラウマのようなコースは歩いていなかったのである。大峠まで車で上って40分程度の登山が多く、「天好園」のある平野からは登っていなかった。
 今年、同じ高見山へ登ってみるなら、「あの記憶の高見山」をと考えたのである。当時は無かった温泉施設「たかすみの湯」に駐車し、過去を辿るように歩き出してみた。

この橋を渡ったのだろう

よく整備されている登山道。

天気が悪くて薄暗い…。

少し登り、少し下って沢に出る

樹齢約700年の高見杉

何か霊気が漂うような神木
 きっと小学生の頃も見ているであろう「高見杉」。覚えていないが、今回見てみると凄い迫力を感じる木であった。水分神社関係の信仰でも、こちらが正式な参拝ルートに思えた。
 たまにはこのコースも良い。

巨石を眺めていると粉雪が舞う

あ、残雪があった。山頂にもあるかな?
 今日は朝起きても気温は5度と温かく、昨夜は強風雨で雪など期待できなかった。勿論、樹氷も青空も無理だろうと想像する。黒い曇り空の天候。登山道を歩き始めても暗い。雪はどこにもなく、そして汗ばむのでウェアーを一枚脱ぐ。雪のない無氷に登山となりそうだった。
 だから、白い残雪を見つけると嬉しくなった。少し期待が出てきたのである。冬の高見山に登って雪がないのは寂しすぎるので・・・。

小峠からの登山道と合流
 一般的に有名な登山コースと合流。歩きながら大勢で登った時の事を思い出した。wolfgangさん企画の登山。初めてネットで知り合った方と山へご一緒したのが高見山だった。山の徹人さん、単独行さん、レオさん、しろくまさん、Floraさん、kinokuniさん、さきょうさんたちと賑やかな雪山。ここでアイゼンを付けたなぁ〜とか思い出しながら雪の無い急斜面を踏みしめた。あれ以来、本当に山の楽しさを知ったような気がする。山を嫌いになったり好きになったりと何か関係する高見山。
国見岩の少し手前から凍っている

斜面100m下にあると言う息子岩?

鎌足伝説の揺岩(五郎宗岩)

笛吹岩の展望地

初変身!強風で倒れそう・・・。

おや、予想外の樹氷!!寒くなってきた。

徐々に別世界へと誘われていく

さぁ、氷の世界へようこそ!

白い世界へ

アムロ、行きま〜す!

足下が滑る〜っ

吹雪の避難小屋
ここで、やっと一人の登山者と会う。
撮影に熱心であった。
挨拶をしても無視された・・・(-_-)
山頂に参上!

三角点

風が強すぎでっせ

涙で前が見えません(>_<)

幻想的?いや痛い寒さでした。

展望台はスケートリンク

雪の心配、無しでした。


避難してラーメン食べよう!

火が有り難い寒さ

何か動いたと思えば、小鳥が強風の中で丸まっています。

寒いだろ?おまえ強いなぁ〜

これが生きると言うことさ

無口なカメラマンも去っていく

山の上は厳しい世界

太陽が遠い

ナルニア国物語のよう・・・。

外の世界へ戻ろう

雪の無い世界は晴れていた。
同じ景色とは思えない。

沢を流れる高見の水

下山途中から眺める山頂方面
やはり、上だけ白い。
 下りは氷の道を通るので慎重に進んだ。一度だけ尻餅をつく。かなり雪や氷が消えるまではヒヤヒヤもの。地道に戻ると大勢の登山客とすれ違うようになる。
 小学生の団体にも会った。「頂上までどれくらいですか?」と聞かれたので、「あと20分程かな」と応えると「ひえー、しんどい」と言っていた。何だか昔の自分を見るようで微笑ましかった。不思議に懐かしい山、高見山。

もう、普通の山道をテクテクと

集落まで下山終了(丹ノ浦橋)

たかすみの湯へ(11時開店、500円)
 午前11時過ぎに駐車場のある「たかすみの湯」へ戻る。着替えを用意して冷えた身体を温めに入った。身体が軽くなったので水分神社を訪れた。湯冷めしない程度に・・・。
 高見山の山頂にある神社は高角神社だけれど、分水嶺でもあり水分神社との関係も深い。菟田野の水分神社の奥宮とも言われるが、山の麓にある平野集落と滝野集落にも水分神社があるので寄ってみた。

滝野にある水分神社(上社)

投石の滝(上社奥)

麓から望遠する高見山

平野にある水分神社(下社)

下社裏の清流
 関西のマッターホルンと呼ばれ、登山愛好家に親しまれている高見山。それは美しい水の恵みをもたらす霊峰でもある。いつまでもこの美しい自然と環境が続いて欲しい。