2016年12月3日 阿弥陀岳

 

美濃戸口−御小屋尾根−阿弥陀岳−中岳沢−行者小屋−南沢−美濃戸口

 

 最悪な山行でした。情けないことにテントポールを忘れてしまい行者小屋でテン泊するつもりが日帰りになってしまいました。さらにはデジカメのAF設定がターゲット追尾なるものになってしまっていたために写真のピントがイマイチです。最悪です・・・。その他にも反省点の多い山行となってしまいました。

 

 7:15、美濃戸口/八ヶ岳山荘を出発。赤岳山荘、やまのこ村方面ではなく別荘地のほうへ行きます。

 

 

 前回このルートを歩いたのは10年前の秋。別荘地内の道は覚えていませんが道標はこまめにあるので迷いませんでした。結構勾配の急な道です。道に雪はありませんでしたが11月末の降雪で通行止めにしたのでしょうか、車両は迂回するところがありました。

 

 

 別荘地内の舗装路終点です。ここから西を振り返ると中央アルプスがきれいでした。このときちょうど車が1台来たので同じく御小屋尾根を登る人かと思ったら引き返していきました。この辺り、路肩駐車禁止の看板が多数あります、念のため。

 

 

 未舗装路に入ってほどなくして御小屋尾根の登山口です。美濃戸口から30分ほどでした。

 

 

 登山口から1時間ほど歩き少し開けた場所。御小屋山の稜線が見えました。西側は樹木の間から中央アルプスが見えますがこの辺りの木々がずいぶん伸びたように思います。前に来た時にはもっと見晴らしが良かったはずと記憶しています。

 

 

 9:05、船山十字路との合流点です。ここで最初の休憩。ザックの中に横置きしておいたポットのお湯を飲み、そのポットを挿すようにザックへ入れなおしたときに「しまった!ポールを忘れた!」と気が付きました。いつもテントポールはザックの中に挿して入れているのですがその行為をしていないことに気が付いたんです。挿して入れるのは男の仕事なのになんということでしょう。思わず天を仰ぎました。

 

 

この失態への対応の選択肢は以下の5つを考えました。

1、下山し次週出直す。ただし天気が悪ければ出直すことはできない。

2、下山しテントポールを取りに帰ってまた戻ってきて逆ルートで登る。時間的にはなんとかなる。

3、テントや寝袋など不要なものはここにデポし御小屋尾根を往復する。

4、テント外張りを細引きで木に縛り付けフロアレスシェルターとして使う。

5、日帰りでやっつける。

6、行者小屋は営業していないので赤岳鉱泉に素泊まり。

 

 で、選択したのは4番か5番でとにかく行者小屋までは行くと。1番と2番は忘れ物をしたことがヨメにばれてバカにされるので真っ先に除外。3番の往復ではおもしろみが無い。6番にすると行者小屋からさらに1時間近く歩いて赤岳鉱泉に行くくらいなら日帰りしたほうがいい。という理由です。

 

 

 御小屋山到着。赤い札は何なんでしょう?

 

 

 御小屋山を通り過ぎて右手に編笠山と権現岳の頭が見えてきました。

 

 

 そして進行方向には今日のメインである阿弥陀岳。積雪期に阿弥陀岳に登るのは今日が初めて。

 

 

 10:10、不動清水に到着。水場へは行かなかったので水が出ているかは分かりません。コースタイム3時間半のところを約3時間できたのでここまでは順調でした、ここまでは。

 美濃戸口を出発した時には氷点下1℃だったのですが御小屋尾根に入ってからは5〜7℃くらいで暑かった。長袖Tシャツ1枚でちょうど良かった。でも足先が冷える。前回の北岳でも感じたことです。もう3シーズン用の靴で雪山を登るのは限界に来ているようです。3月の西穂独標、4月の赤岳でも足先に冷えなんて感じなかったのですが。実は私、10年くらいまえから靴下を履かないとつま先が冷えて眠れないんです。この冬はスマートウールのマウンテニアリングを履いて寝ています。

 

 

 木々の背丈が低くなり森林限界に近づいて阿弥陀岳と権現岳が大きく見えてきた辺りで2人の下山者とすれ違いました。上の様子を聞いたところ風は無し、ロープのあるところが少し凍結しているとのことでした。この辺りから中央アルプス、御嶽山、北アルプスが一望できるようになってきましたがまだちょっと木が邪魔でした。

 

 

 森林限界になると眺望はこのように!!もちろんカメラに収まりきらない山も沢山あります!!

 

 

 左は焼岳から右は大天井岳辺りまで、槍・穂高、表銀座の北アルプス。

 

 

 左は爺ケ岳から右は白馬岳の北アルプス後立山連峰。

 

 

 左から北岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳の南アルプス。

 

 

 さらに登ると諏訪湖も見えてきました。もう絶好の登山日和としか言いようがありませんでした!!

 

 

 硫黄岳と横岳も見えてきました。ここまで上がってきても12時で気温は6℃くらい。風が無ければアンダーシャツと長袖Tシャツではちょうど良く、弱風ですが風がでると耳が冷たいのでフードを被る目的でジャケットを羽織りました。下はアンダータイツとトレッキングパンツでも寒くはなかったのでオーバーパンツは使いませんでした。

 

 

 見えているのは山頂ではないのですがまだまだ先・・・。出発から5時間15分の12:30でこの位置なのでかなりのペースダウン。

 

 

 下山者と御嶽山。このように人を写真に入れるとスケール感が分かっていいっすよね。

 

 

 やっと御小屋尾根の終点(?)です。でもここを登り切っても山頂までは距離があることはよく覚えている。すれ違った人の言う通りロープ地帯は少し凍結していましたがロープを掴むこともなくアイゼンを効かせ難なく登ってきました。下りの人は気を使うでしょう。雪の無いときのザレているときよりも歩きやすかったです。

 

 

 急坂を登り切ってお鉢巡りのように時計回りに尾根を渡ります。丸い頭の山の向こう側が山頂なのでまだ山頂は見えません。

 

 

 富士山が姿を現しました。富士山が見えるとつい写真を撮ってしまいます。1度だけ登ったことがありますが単調な山だったのでまた登りたいとは思わないのですが。

 

 

 下山者が来たのですれ違い待ち。まだ山頂は見えん!

 

 

 やっと山頂が見えた!右が阿弥陀岳山頂、左奥が赤岳。

 

 

 横岳、硫黄岳、ちょっとわかりにくいですが写真の真ん中辺に行者小屋です。このときにはテントは2つくらいしか見えなかったので少ないなあと。

 

 

 13:30、コースタイム約5時間のところを7時間15分もかかってやっとこさ阿弥陀岳山頂!

 

 

 お地蔵さんにはいっぱいお賽銭が。60cmピッケルが全部刺さってしまうところもあったので山頂は想像していたよりも積雪がありました。

 

 

 南陵にもトレースというか足跡がありました。バリエーションを登れる人がうらやましいです。最近一般ルートでは物足りなく感じるようになってきました、50肩で腕も上がらず体力も無いくせに。

 

 

 行者小屋でキャンプするか下山するか未だ決めていないので自分の記念撮影なんかしている場合ではないのでとっとと下山開始です。しかし、一つ問題が。登山届には中岳を越えて文三郎道で下山すると書いてきてしまったことです。短時間で下山できるが雪崩の危険性が高い中岳沢ルートに気持ちが傾いてしまいました。山頂でピッケルを挿してみたのは雪崩の可能性の高さを確認するためだったのです。北稜から登ってきて下山していた人に「どのルートで下ります?」と聞いたら私の質問の意味を即理解してくれて「雪崩るほど雪無いよ。文三郎道まで行くのもかったるいから中岳沢で行くつもり。」と答えてくれました。でも日当たりのいい山頂で60cmも積もっているんだから心配、でも文三郎道まで行っていたら日帰りの選択肢は消滅してしまう。ああ、どうしよう。

 

 

 阿弥陀岳山頂からの下りが私には難所だなと思っていたんですが雪が多かったので落石させる心配も無く簡単にコルまで下りてこられました。中岳沢にトレースがあったのでもう迷わず中岳沢を選んでしまいました。

 

 

 オバーパンツを履いていないのにシリセードをし中岳沢を駆け下りました。深い所は膝上まで雪がありました。雪崩れの危険性、低くはないと私は思いました。焦りました。サングラス越しに見た赤岳が夕焼けしていると勘違いしたので時間的余裕も無いと焦ってしまいました。雪崩の危険は無いと思えるところまできて一息ついたときサングラスを外してまだ昼間の明るさだと気が付いて気分が落ち着きました。

 

 

 文三郎道との分岐に到着。登山届けと違う、しかも雪崩の危険性の高いルートを選んだことは大きな反省点です。体力的にギリ状態だったので中岳沢を選んでしまったんですが安全を考えれば予定通り文三郎道を選んで赤岳鉱泉へ行くことも考えるべきだったと思います。

 

 

 14:30、行者小屋に到着。外張りを細引きで木に縛り付けることができてフロアスペースがあるところを探してみるとなかなか見つからない。キャンプ区域として張られたロープ外の樹林帯ならなんとかなりそうだったけど区域外というのは気がひけるし、幕営料を徴収しにくるお兄ちゃんに怒られたらみっともないし。15分ほど悩んだ末、自分と同じテントを見て「あれを木に吊るした状態じゃあツエルト以下のまじでエマージェンシーな空間しか確保できん。やめた!」と判断して下山を決めた。もったないけど。

 

 

 「さようなら、赤岳くん。今日はここで寝たかったけど帰るよ。また来るからね。」と心の中でつぶやき下山開始。林道に着くころに真っ暗になるかならないかギリギリの時間。

 

 

 南沢の登山道も予想以上に雪があった。ここの崩れたところを境に雪が少なくなったのでここでアイゼンを外した。ここで登ってくるお兄ちゃんとすれ違う。真っ暗になるかならないかギリの時間帯なのに「まあゆっくり行きますよ、アハハ。」なんて元気で度胸のあるお兄ちゃんでした。真っ暗な樹林帯の登山道、しかも雪山をヘッドランプ頼りに歩くなんて度胸は私にはありません。

 

 

 16:55、美濃戸山荘と林道に到着。真っ暗になるギリギリのところでした。私のサングラスは度付きの調光なのですが暗くなった樹林帯の中でも濃い色のままだったのでサングラスをしていると暗くて先が良く見えなくて、外すと視力が弱くなるので先が良く見えないというやばい状態でした。帰宅してからネット検索してみると調光サングラスは温度依存性があり気温が低いと色が濃くなるんだとか。眼鏡とサングラスの2つを持ち歩くのがめんどくさいから度付き調光サングラスを買ったのに。結局冬は眼鏡は必要ということに。

 ここでヘッドランプを装着。いつもはヘッドランプはコッヘルの中に入れてザックの下のほうに仕舞うんですがこの日は行動食の袋の中に入れておいた。積雪期の阿弥陀岳が初めてだということでもしもというときにすぐに取り出せるようにと思って。それが幸いしてすぐにヘッドランプを取り出せてよかったよ。

 

 

 17:50、車を止めておいた八ヶ岳山荘に帰還です。真っ暗な林道を1時間ほど歩いてきました。1台だけ車が下りてきたんですが「乗ってく?」と止まってくれませんでした。途中、何かが青く光って私の前をウロチョロ。大きさからしてタヌキかキツネの眼がヘッドランプの光に反射していたようです。

 まだ灯りがついていたので恥を忍んで八ヶ岳山荘に2日目の分の駐車料金を返金してもらえるか聞きにいったところ快く返金してくれました。ご飯類だったらできるよということだったのでチキンカレーをいただきました。食べかけ状態で少しお見苦しいですがチキンカレーの写真です。ほどよく辛くて冷えた身体が温まりました。加齢(カレー)臭のおじさんがカレーを食す。

 

 

 10年前の9月に日帰りで御小屋尾根から阿弥陀に登ったときには赤岳も登って地蔵尾根を下りたんです。その時の記録を調べたら8:40に出発で下山は17:45、約9時間の行動時間。日帰りの荷物と雪山テント泊の荷物の違いはありますが今日は10年前より距離が短いにも関わらず約11時間もかかりました。雪山テント泊の荷を担いで11時間も歩けて10月の鋸岳のときよりも疲れが少ないことに自分でも驚きですが、体力の衰え、足先の冷え、さらには行動食を食べると胃がもたれるなど歳の影響をまざまざと感じます。悲しい現実です。

 

 ほんでもって泊まらず日帰りで帰ってきた理由を当然のごとくヨメに聞かれたわけですが「気が変わったから。トレーニングで日帰りでやってやろうと思ったのさ。」と忘れ物が原因だったことは言えるわけなし。ヨメも珍しく疑いもせずうまくごまかせた。めでたし、めでたし。

 

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