11/8 辺野古への新基地建設と県内移設に反対する県民大会

私たちの未来は私たちが決める
 拝啓。 

 11月8日、オバマ大統領の来日を前に、沖縄の人々はその「民意」をはっきりと示しました。「辺野古への新基地建設と県内移設に反対する県民大会」は、これ以上の基地負担を一切受け入れることができないこと、そして約束通り世界で最も危険な普天間基地を無条件に閉鎖し返還することを求めました。県民大会の会場となった宜野湾市の沖縄コンベンションセンター屋外劇場と隣接する多目的広場には沖縄の各地から人々が続々とつめかけ、大会が始まる前から会場は人、人、人で身動きがとれないほどに埋め尽くされました。参加者は思い思いのプラカードや横断幕を掲げています。自治労や教職員組合の動員もさることながら普天間爆音訴訟や泡瀬干潟埋め立て反対などの市民社会団体や女性団体、各市町村の実行委員会が組織する人々がバスといわず、徒歩といわず、続々と会場に駆けつけてきます。そうです、駆けつけてきます。沖縄県は超党派ではないと仲井真知事が、そして自民・公明両党がこの大会への組織的参加を開催直前に拒否しながらも大会には21000人の人々が集まりました。手弁当のこの大会の会場でのカンパの呼びかけに参加者は実に250万円もの多額のカンパをよせました。会場は大会の開始前から大会の終了後まで熱気が冷めやらず、大会は人々の気持ちが一つにまとまり、高く立ち上る熱気の渦に巻き込まれていきました。これほどまでの熱気、今回の大会を特徴づけるといっても過言でないこの熱気の正体は何なのでしょう。

 大会で最初に登壇されたのはこの大会の実行委員会共同代表で沖縄県議会議員の玉城義和さんでした。玉城さんは、6日、基地負担の軽減に全力を果たすべき渉外知事会として渡米しながら、その米国で、現行案に従って普天間基地の移設による新基地建設を進めるべきだと訴えた松沢成文神奈川県知事とその場に同席しながら批判すらしなかった仲井真沖縄県知事を強く糾弾し、発言の撤回を求めました。また新基地建設はしないと訴えて政権交替しながら動揺を繰り返しているようでは政権交替の意味はなく、今日の大会で県民の民意を示し普天間基地の撤去と返還を確実にしようと訴えられました。

 続いて発言に立ったのはやはりこの大会の共同代表の宜野湾市長伊波洋一さんでした。ジュゴンの住む海を埋め立てて基地を作り、人口密集地域の宜野湾で航空基地を運用するといった米国では行うことなどできない米国のダブルスタンダードを許してきたのはこれまでの日本の政権だと訴えました。フィリピンでも、パナマでも、エクアドルでも、民主政権の樹立とともに米軍基地は撤退され、プエルトリコのような自治州でも民主化の流れの中でビエケスなど演習場が撤去されてきた実例を挙げて、日本でも現実的な課題であることを訴えられました。基地負担の縮小と普天間基地の閉鎖・返還の民意は1997年の名護市での住民投票の日から何ら変わっておらず、変わったのは日本の政権与党であり、民主党がなぜ政権政党に選ばれたのかを理解し、鳩山首相がこの民意をくみ取ってオバマ大統領に訴えてほしいと訴えました。

 本大会の共同代表として最後に演壇に立ち、自らを保守政治家だと自己紹介して発言を始めた翁長雄志那覇市長は、自分たちが作ったわけでもない米軍基地をめぐり白だ黒だと県民の中で対立ばかりしてきましたが、今や基地の整理縮小で県民の意志が一致できる日を迎えたと、沖縄の政治状況の変化を指摘しました。民主党が県外や国外を選挙公約に挙げながら、その実現の土台の準備が整っていなかったことが露呈されたことには失望しているが、私は沖縄でのこれまでの対立の枠組みから一歩踏みだし、団結した沖縄として前に進みたいと訴えられました。
 普天間返還の替わりにキャンプ・シュワブ沿岸に新基地を建設しろという米国の要求にさらされている名護市東海岸で、名護市民投票以来粘り強く新基地の建設に反対してこられた「ヘリ基地いらない二見以北十区の会」の渡具知武清さんがご家族とともに地元の声をアピールされました。米軍基地に慣らされ無関心でいた12年前、結婚後ながらく恵まれなかった子どもをようやく授かったそのとき、シュワブ沖に新たな基地を建設するという話が持ち上がり、我が子の未来に基地はいらないというその思いだけで反対の声を挙げたと市民投票への純粋な思いを振り返られました。基地の見返りで財政支援をうけても名護の中心地はシャッター通りのままであること、ウチナンチュがベトナム戦争以後間接的殺人者にされてしまったこと、米軍による犯罪で苦しむ多くの人がいることを挙げ、基地が沖縄の豊かな暮らしとは無縁で、それを阻害するものであることを強く訴えられました。新基地建設のための杭一本打たせてこなかったこの運動を継続する決意と協力要請のアピールは参加者に共感と元気そして勇気を与えるものとなりました。そのお子さんも12歳になり、連れて行かれても小さいときには訳もか分からずおもしろくなかった集会ながらも、子どもの自分のことを考えて行動する父親の気持ちを知り、これに応えようという気持ちが強くなり、その集会でアピールするまでになった今の素直な心情を話し、市民投票で基地を作らないと決めたのに、その約束を破って基地建設を進めている大人の論理を批判し、約束を守るこを大人たちに要求しました。家族のアピールの最後に小学校2年生の二人のお嬢さんが「ジュゴンを守れ!エイ・エイ・オー!!」と鬨の声を上げると、会場は割れんばかりの歓声に包まれました。
 民主党を中心とする新政権が「沖縄県民の民意を受け止める」としながら現行案や嘉手納統合案など「県内移設」も「公約違反ではない」と居直る見解が表明され続けています。この日の県民大会は普天間移設は「県外・国外」、「普天間基地の即時閉鎖・返還」「嘉手納統合案撤回」という県民の意志を、鳩山政権はしっかり受け止めオバマ大統領に伝えて交渉しなさいという”民意”を宣言しました。そしてより大切なことは、この”民意”が、決して現政権に何かを頼ろうとするのではなく、たとえ新政権が裏切るようなことがあろうとも、それを乗り越えて進むという人々の意志をはっきりと自覚して打ち出したものだということです。私たちの未来は、米国や米軍が決めるのではない、鳩山政権が決めるのでもない、私たちが決めなければならない。64年にわたり米国と米軍、日本政府にもてあそばれ、その思うがままに押しつけられてきた基地とその負担から決別すべき時がきていること、そしてそれが決して絵空事ではないという感触、それを実現していく自信と勇気、この間の沖縄の政治状況はこのような「変えていくことができる」という、忘れかけていた、当たり前の事実を人々に気づかせ始めているように感じられます。

 この日の県民大会を終始包み込んだ熱気の正体は、どうもここにあったように思われます。
県民大会のキーワードになった”民意”
様々な市民団体、各地で組織された実行委員会などから続々と参加者が駆けつけました
新政権は公約を守れ!
東村高江のヘリパッド移設反対にも連帯を!!
岩国から井原元市長も駆けつけました
様々なパフォーマンスで、参加者の思いを集めています
辺野古への新基地建設と県内移設に反対する決議
 私たちは、辺野古への新基地建設と県内移設に反対するために、本日ここに県民大会を開催し、老いも若きも世代を超えて結集しました。

 沖縄県は、先の大戦で地上戦の戦場とされ、戦後は米軍の銃剣とブルドーザーによって、豊かな県土が奪われ、米軍の占領下に置かれました。復帰後37年が経過しましたが、今なお、国土面積のわずか0.6%にすぎない小さな島に全国の米軍専用施設の約75%が集中しています。米軍基地は県土の10.2%、本当の18.4%を占め、米軍犯罪や墜落事故などによって県民生活が脅かされ、経済発展にも大きな影響を与えています。

 米軍基地の整理・縮小・撤去は県民の願いです。1995年には10・21県民大会を開催し県民の意志を内外に発信しました。1997年12月の名護市民投票でも、新基地建設に反対する市民意志が明確に示されました。昨年7月には、県議会で、辺野古への新基地建設反対が決議されました。各種の世論調査でも、県民の圧倒的多数が新基地建設反対です。普天間飛行場の辺野古への移設、新基地建設を米軍再編で合意し、それを強行してきた旧政権から、民主党中心の新政権に変わった今、あらためて、県民の新基地建設ノーの意志を明確に伝えるものです。

 辺野古海域は、沖縄県が自然環境保全に関する指針で評価ランクⅠに指定している県民の宝の海です。国の天然記念物であるジュゴンをはじめ希少生物をはくくみ、新たなアオサンゴの群落が発見されるなど、世界に類を見ない生物多様性の豊かな海域です。この間強行されてきた環境アセスに対する、県環境評価審議会の答申も実質「書き直し」を提起しました。辺野古への新基地建設は、貴重な自然環境を守る上でも許せるものではありません。

 ところが、10月に来日したゲーツ国防長官は、鳩山首相、北沢防衛大臣と相次いで会談し、恫喝とも思えるやり方で、辺野古への新基地建設を迫っています。11月13日のオバマ米大統領との日米会談に向けて、新政権は、米国の圧力に屈せず、対等な日米交渉で、県民の声を堂々と主張すべきです。

 私たち県民は、全国の温かい支援にも支えられながら、この13年間、辺野古への新基地建設の杭1本打たせませんでした。世界一危険な普天間基地は1日も早く閉鎖し返還すべきです。私たちは、138万県民が、安心して暮らせる安全で平和な沖縄にするため、声を大にして主張します。小さな島・沖縄にこれ以上基地はいりません。辺野古への新基地建設と県内移設に反対します!以上決議します。
大会スローガン
1.日米両政府も認めた「世界で最も危険な普天間基地」の即時閉鎖・返還を求める。
2.返還後の跡地利用を促進するため、国の責任で、環境浄化、経済対策などを求める。
3.返還に伴う、地権者補償、基地従業員の雇用確保を国の責任で行うよう求める。
4.日米地位協定の改定を求める。
2009年11月8日
辺野古への新基地建設と県内移設に反対する県民大会
Diary Diary