三菱商事 プラチナ・ファンド
2004/04/10
1.高利回りのファンド?
三菱商事からプラチナ・ファンドの案内が送られてきました。
なんと、年利2%を確保するそうです。
これだけを聞くと、「おおっ!」となりますが、案内を読み進めると、やはり「なぁんだ」となります。
それはさておき、まずは商品内容から紹介です。
どんな場合でも、配当は年利2%を確保します。とはいえ、元本は確保されません。
満期日のプラチナの価格が、運用開始日にあらかじめ決められた価格(転換価格)より高いか低いかで元本が確保されるか否かが変わってきます。
満期日のプラチナの価格が転換価格よりも高ければ、元本が確保されます。でも、逆に低くなってしまった場合には、プラチナの現物で償還されます。
しかも、配当の年利が2%といいながら、実際の運用期間は3ヶ月です。つまり、実際の配当額は100万円に対して年利で2万円なので、3ヶ月では5,000円に過ぎません。
4ヶ月目からは再投資できないと考えると、事実上の年利は0.5%に過ぎないのです。
このように見ると、大した利回りではないようです。しかも、満期日のプラチナの価格によっては、元本割れする可能性もあるのです。
2.このファンドの存在価値
このファンドは、満期日のプラチナの価格によって、運用成果が変わってきます。
そこで、このファンドがプラチナ現物を持つ場合と比べて、どのようなケースで有利なのか、不利なのかを考えて見ましょう。
簡単にまとめるとこのファンドの特徴は、
「プラチナ現物に投資するよりも0.5%ポイントだけ利回りが高いものの、利回りは元本に対して0.5%で頭打ちとなる」
となります。
より具体的に見てみましょう。プラチナの3ヶ月間での値上がりが
(1) 0.5%超なら プラチナ現物を持つ方がファンドよりも有利。
(2) 0.5%未満なら 元本が確保され、対元本で0.5%の配当も確保されるので、プラチナ現物を持つよりもファンドが有利。
(2)’ ただし、-0.5%未満なら、配当を含めても元本割れするので、プラチナもファンドも持たずに、現金のまま置いておくのがいいでしょう。
つまり、3ヵ月後のプラチナ相場が-0.5%〜0.5%に収まると予想するなら、このファンドはプラチナ現物への投資よりも、よいリターンをもたらします。一方で、この範囲から外れると予想するなら、プラチナ現物あるいは現金を保有するのが効率的となります。
このように、実はこのファンドで儲けようとすると、プラチナ相場に対してしっかりとした見通しを持っていることが必要です。
しかも、転換価格は、申し込んでからでないと決まらないというリスクがあります。
その点で、このファンドへの投資では、運用開始時に決定される転換価格を推測し、さらに、満期時のプラチナ価格を推測しなければなりません、プラチナ現物に投資するのに比べて、二重の推測をしなければならないという点で、とてもリスクが大きい投資になります。
これだけのリスクを侵しても、元本がやっと0.5%成長するかどうかという程度であり、しかも利益が出ても0.5%で頭打ちという哀しいファンドなのです。