TATNEFT(タトネフチ)

2004/08/24

1.ロシアに資金を投下したい
日本では中国の陰に隠れてしまっていますが、ロシアはインドと並んで経済成長が見込まれると踏んでいます。
そう考えるのは、以下の理由からです。
(1)1998年の通貨危機を乗り切って安定してきたこと。
(2)エネルギー・金属資源が豊富であること。
(3)プーチンさんの指導力が強大であり、そのプーチンさんが経済力を高めて米国に対抗したいと考えていること。
ロシアを考えるに当たっては、(3)が重要です。ロシアは米国を覇権国から引きずりおろしたいと考えています。それは、イラク戦争が始まるに当たって、ロシアと、同じく米国を覇権国から引きずりおろしたいと考えているEUが共同して、イラク戦争に反対していたことからもわかります。
そして、米国に対抗するには経済力が必要となります。
アンチ米国をスローガンにするプーチンさんが、ロシアでは絶大な権力を握っています。だから、プーチンさんに逆らわなければ、ロシアの経済成長の波に乗れるわけです。
2.投資方法
(1)為替ポジションをとる
ロシアに資金を投下するに当たって、最も素直な方法は、ルーブル通貨そのもの、あるいはルーブル建債券(または預金)を持つことです。
とにかくルーブルを持っていれば、そのうちロシアの経済成長とともにルーブルが強くなったときに大きな収益を得ることができます。
為替が強くなることで得られる収益の大きさは、円が1985年には1ドル240円程度だったのが、わずか10年後の1995年には3倍の80円程度になったことからもわかります。
でも、残念ながら、預金も債券も日本にいながらにしては入手する方法を見つけられませんでした。
ルーブル現金を持つ方法もあるでしょう。でも、やはり、これだけのために旅券を取得したり、場合によっては海外の銀行まで口座開設に行ったりという手間ひまを考えると、現金で持つという方法も、見送らざるをえません。
(2)ロシア経済成長の波に乗る
為替ポジションにプラスして、ロシアの経済成長による利益も享受したければ、ロシア株式のインデックスへの投資を考えることができます。
ロシアにはRTSとROSという2つの株価指数があります。でも、インターネット上の検索では、この名前ではヒットしませんでした。
仕方がないので、代替手段としてロシア株ファンドを見つけました。Brunswickという投信会社から2本出ています。ここは、ロシア専門の投信会社として世界で唯一だそうです。
でも、今回は見送りました。その理由は、最低購入金額が5万ドルからだということです。
せめて5,000ドル程度、できれば1,000ドルから始めたい、私のようなゴミ投資家はお呼びではないようです。試しに「5,000ドルからでもいいか?」と聞いてみるのもいいのですが、購入の真剣さを疑われかねないので、深追いはやめました。
こうして今回は、株価インデックスや株式ファンドへの投資も見送ることにしました。
(3)やっぱり個別株
ロシア株ファンドをインデックスの代替として使うのはムダということであれば、やはり落ち着く先は個別株投資になってしまいます。では、投資対象をどうやって選べばよいでしょうか?
原点に戻ると、「ロシアに資金を投下したい」ということでした。ですから、余分なリスクはできるだけ取りたくありません。
投資対象選びの基準は、「ロシアの国益を担う、潰れなさそうな企業」ということにしました。
そういうわけで、イラク戦争のきっかけとなり、今でも中央アジアでの覇権をめぐって対立する原因となっている、ガス・石油の中から探すことにしました。
3.投資対象企業探し
ガス・石油企業から良さそうなものを選ぶ、とは言え、実は日本で買えるものは限られています。
いろいろな証券会社を調べてみましたが、日本の証券会社では、最低ニューヨーク市場(NYSE)でないと扱ってくれないようです。紹局、いつもお世話になっている大和証券さんを通じて購入することを前提に、NYSE上場企業から選ぶことにしました。
選ぶと言っても選択肢はありません。何と、ロシアのガス・石油企業でNYSEに上場しているのは1社しかありませんでした。それがTATNEFT(タトネフチ)でした。
他にOTCやPORTAL、あるいはロンドン上場というものもありましたが、大和証券さんでは取り次ぎしてもらえませんでした。かと言って、わざわざこれだけのために外国にある証券会社に口座を開くのも、手間と費用のムダだと判断しました。
そして、次に紹介するように、タトネフチを調ベてみて、「ま、これでいいか」という気がしたので、これでいくことにしました。
4.タトネフチとは
タトネフチは売上規模で、ロシアNo.1のルコイルの1/4程度、タタールスタン共和国(ロシア内の共和国)の半ば国営企業です。
なので、「ロシア企業」というには地域色が強いですが、ここは目をつむりましょう。さらに、イラクの利権にも絡んでいる企業で、フセイン時代の契約が反古にされてしまう恐れもあります。
経営状態を見ても、利益が急増しているわけでもないし(むしろ昨年は減少している)、PERも高いのか低いのかわかりません。そもそも決算がまともになされているかどうかも怪しいです。
とは言え、タタールスタン政府(バックにはロシア)が関与しているので、経営危機で潰れることも、プーチンさんに潰されることもなさそうです。(その分、利益が急増することもなさそうですが。)
ここは、ルーブルが強くなるのをじっと待ちましょう。結果が出るのに10年以上かかるかもしれません。
5.迫伸
8月3日に100株買いました。
ところが、今になって気付いたことがあります。
石油銘柄の業績は、ロシアの経済状況よりも原油価挌に影響されやすいということです。
さらに、原油取引はドル建でなされるのが主流です。そうだとすると、ルーブル上昇→利益減少(ドル建てでは変わらず)となってしまいます。
紹局、ただの石油会社と何ら変わらないのでは…? 得られたのは「ロシア株を持っている」という満足感だけ?
とは言うものの、タタールスタン内での石油の利権をどれだけ有利に使えるか、で他の石油会社とは少しは違うかも、と考えることもできます。
勘違いに気付いたことでがっかりして、すぐに売り払うのではなく(現在株価上昇中!)、しばらく様子見ですな。
 これだけのリスクを侵しても、元本がやっと0.5%成長するかどうかという程度であり、しかも利益が出ても0.5%で頭打ちという哀しいファンドなのです。