8591 オリックス

2004/01/21

1.当初、購入した理由
 オリックス株は平成10年7月と8月に分けて、ミニ株で20株を購入しました。その後、平成12年5月には株式分割で24株に増えました。その時は「当たった!」と喜んでいましたが、その後しばらくは株価は低迷していました。最近持ち直しているようですが、低迷していた理由や、最近になって株価は急回復しています。
 以前にも言いましたように、当時は自分流のインデックスを作りたかったので、そのために各セクターから20万円程度ずつ銘柄を選んでいました。金融セクターからは、当時のオリックスの株価が9,500円程度だったので、20株ということになりました。そもそも、なぜ金融セクターからオリックスを選んだかというのは、次のとおりです。
 まず、オリックスは業績が非常にいい企業でした。この規模なのに、売り上げが毎年5%〜10%ほど伸びています。さらに、私がファイナンシャル・プランに興味をもっていた頃(今でもやっていますが)、「オリックスPFS」というサービスを知りました。そのサービスを利用して、ファンになったのです。
 オリックスPFSは金融自由化や将来の不安への対応を非常にスマートに提案しています。普通の金融業者が出すファイナンシャル・プランの案内では、「年金では足りない」などと将来のライフプランに不安を煽っておいて、「すぐに○○を購入して対策を!」と来ます。ところが、オリックスPFSはとても穏やかなのです。その姿勢を非常に好きになりました。とは言いながら、自分の知識が向上した今となっては、やや物足りない気がして、退会してしまいましたが。
2.オリックスの魅力
 オリックスの魅力は、その経営姿勢にあります。まずは宮内社長の金融サービス業の捉え方、次にそれを実践している実行力です。
 まずは、宮内社長の金融サービス業の捉え方です。
 宮内社長は「金融サービス業とは資金の流れに付加価値をつけて収益を上げていく・・・資金の加工業者」であるとおっしゃっています。「金融」とは「資金の融通(やりとり)」のことです。ただ、情報通信の発達で、単なる取次ぎ(たとえば、社債発行と購入の取次ぎ)サービスは存在価値を薄めています。それを考えると、金融サービス業の存在意義は、資金の加工に見出されます。それは例えば、満期が異なる資金需給の仲介(預金など)、保険による(加入者から保険会社への)リスク転嫁、リースによる(利用者からリース会社への)保有コストの転嫁、などがあげられます。宮内社長は、単なる取次ぎではなく、資金の加工が自分たちの収益源であると明言しています。古くからあるたいていの金融機関が昔ながらの取次ぎビジネスから抜け出せていない中、オリックスは収益力が高いビジネスに一歩先んじるわけです。
 その結果、事業バランスとしては、
リース 30、不動産 20、保険・銀行 30、海外 20
と、とてもバランスよく分散しています。
 また、宮内社長は資産保有リスクを認識し、「投資銀行的な提案で、手数料ビジネス化を図る」とおっしゃっています。ふつうのビジネスでは、資産保有リスクの見返りに収益を得るのですが、それが認識されていることはあまりないようです。宮内社長はそのリスクを認識し、収益が割に合わないと判断されたようです。単に流行で手数料ビジネス化を図っているのではないことが、十分に伝わってきます。
 さらに、新規投資先の厳選と投資先のモニタリング強化を明言し、そして実行しています。そのためにファイナンスリースは02年から03年にかけて、伸びが大幅に鈍っています。それでも収益性を重視するわけです。肝の据わっていない経営者なら、恐くてこんなことはできないでしょう。
 これらの事例はすべて宮内社長の金融サービス業の捉え方から出ています。これらは非常に研究者的(教科書的)発想ですが、それを実現しているところが、さすが経営者。学者とは違います。私の大学院の後輩の中国人がオリックスに就職し、とても満足しています。金融をかじったことがある人にとって、金融論を理解する経営者というのは、とても魅力的に感じられるのです。
 この他、宮内社長の考え方は研究者に止まらず、MBAでもあります。たとえば、SEC基準の会計で透明性を確保しようとしています。その結果、株主に占める外国人の割合は45%にも達します。海外からも評価されているということです。さらに、宮内社長は総合規制改革会議の議長も務めておられます。金融ビッグバン(表現が古い?)、自由化を仕掛け、しかも、それを実践する人であります。
3.収益力
 では、実際のところのオリックスの業績と見通しを見ておきましょう。
単位: 10億円  売上  営業利益  利益 
01.3 586 57 34
02.3 658 73 40
03.3 683 38 30
04.3(予) 730 70 48
05.3(予) 750 72 49
平成16年1月20日の終値は9,332円でした。その他、05年3月期の業績見通しをまとめてみました。
PER 16.1倍
ROE 9.1%
配当利回り 0.3%
 これを見ると、とても優秀な企業である割に、ずいぶんと放置されています。
4.でも買えない
 それでも、私には買えません。
 買えない理由のひとつは、そもそも生活する上で、リースになじみが薄いので、オリックスがいくら優秀な企業だといわれても、ピンとこないからです。
 また、リース、不動産、保険といった、それぞれの事業は「金融」という観点で共通してはいるものの、私にはそれらをすべてフォローできる力がありません。オリックスは「投資先をモニターします」と言っていますが、私がオリックスをモニターできないのです。それを考えると宮内社長はすごい方です。
 「わからないものには投資しない」と宣言した以上、ここに投資することはできません。オリックスは優秀な企業ですが、私の手には負えません。私にとって、オリックスは経営に参加するよりも、従業員として参加するほうがいい企業なのかもしれません。

その後
 1月20日にさっそく売りの手配をしました。ミニ株なので、21日朝の寄付きでの売却となります。