2910 ロック・フィールド

2004/05/08

1.当初購入した経緯
 ロック・フィールドを知ったのは、当時、大阪大丸のデパ地下で買って食べたのがきっかけです。
 当時の市販の惣菜といえば、油っこい、しょっぱいで、とても食べられたものではありませんでした。そのような時代に、「惣菜にしては割と作りたてのようでおいしい」というのが印象でした。
 品質に対する社長のこだわりにも魅かれました。農場との関係の緊密化、工場の清掃など、「これでもか」というほどの徹底ぶりです。
 ロック・フィールドは平成10年12月から買い始めました。その頃、私はローカル銘柄を探していたので、業績、成長率が高く、価格が安いので目を付けました。この頃は、大証単独上場でした。
 価格が安いといっても、2000円超の1000株単位銘柄なので、簡単に手を出せません。そこで、ミニ株で100株ずつ増やし、その後、100株単位に変更されてからは10株ずつ増やし、最終的に400株になりました。
 400株に達した2000年(平成12年)頃、価格がとても高くなったので、買い増しをいったんやめました。ちょうどその頃、東証にも上場しました。
 その頃から雲行きが怪しくなり始めました。価格が下がり始めたのです。でも、業績見通しも、業績そのものも悪くないので、気にもしていませんでした。
年月末 売上(10億円) 1株益(円) 株価(円)
99. 4(H11) 26.6 80.6 2,500
00. 4(H12) 29.4 101.3 5,740
01. 4(H13) 33.7 73.0 3,770
02. 4(H14) 36.3 68.1 2,220
03. 4(H15) 38.8 84.6 1,420
 しかし、株価は正直で、そのうち株価の後を追うように、業績も落ちてきました。まだその頃は、回復を信じていました。でも、その頃を境に、株価も業績も下がり続けました。
 最近、株価は少し持ち直しているようですが、市場全体が持ち直していることもあって、本当に業績回復を反映しているのか、きちんと検証することにしました。
2.惣菜業
 ロック・フィールドは総菜屋です。
 最近は「中食」という言葉も出てきて、惣菜がブームになっています。
 では、惣菜の老舗であるロック・フィールドの業績は、それを反映してよくなっているのでしょうか。
 あまりよくなっているようではなさそうです。なぜでしょうか。
 自分が惣菜を買うときの状況を考えて見ましょう。
 「○○社の店」を探してわざわざ買いに行きますか?
 自宅あるいは職場の近所で、おいしい店があれば、それで事足りるでしょう。さらに、安くて営業時間が長ければ言うことはありません。たとえば、近所のコンビニでもいいではありませんか。
 そういう点で、惣菜にブランドはあまり関係していないように思います。
 おいしければリピーターになるし、おいしくなければ二度と行かない。ただ、それだけのことです。
 ブランドを確立している中食としてはマクドナルドがあります。
 マクドナルドには、初めて行った外出先でも寄ってみようと思います。でも、コンビニ・スーパー(あるいはRF1)で惣菜を買おうと思いますか?
 マクドナルドとコンビニ惣菜とは何が違うのでしょうか?
 大きな違いは、「外食」できるという点です。店内で食べることもできるし、食べ歩き(!)もできる。でも、コンビニ惣菜は外で食べるにも、座る場所とテーブルを確保する必要があります。マクドナルドとは市場が違うようです。
 このように考えると、惣菜にブランドは必要ないようです。
 「あ、またRF1がある」くらいなものではないでしょうか。
3.ブランド力の効果が薄ければ
 ブランドが有利にならないのであれば、競争相手には真っ向から勝負するしかありません。そのとき鍵になるのは、
 立地・価格・味・営業時間
他にもあるかもしれません。
 これらのうち、ロック・フィールドは価格に訴求したようです。
 玉川工場はトヨタから人を招いて、ムリ・ムダ・ムラのない生産方式を実現したそうです。
4.トヨタ
 「玉川工場はトヨタから人を招いて作ったから、すばらしいものができた」ということのようです。
 でも、「トヨタから人を招いた」などということを、わざわざ株主に言う必要があるのでしょうか。
 郵政公社をはじめとして、最近はトヨタから人を招くのが流行のようです。
 「ジャスト・イン・タイム」か「カンバン方式」か知りませんが、トヨタのやり方は、無駄を省くためには当たり前のことばかりです。何もトヨタから人を招いて学ぶ必要などありません。
 自分で考えればいいのです。考えられるはずです。
 わざわざ「他人に教わりました」と言っているのは、「自分は無能で、自分ひとりでは問題解決できません」と言っているに等しいです。
 それとも、郵政公社のように、外部者の意見でなければ改革を実行できないのでしょうか。
 それに、私はトヨタを好きではありません。(その理由は機会があれば。)
5.まとめ
 総菜屋にはブランドが有利に働かないようです。かつては、ロック・フィールドも株主に対して食材へのこだわりを盛んに訴えていましたが、顧客には伝わっていなかったように思います。単なる「高級惣菜屋」という印象しかありません。
 その中で利益を上げるには、原価を下げるしかありません。そのためには、生産効率を上げる必要があり、それを受けて玉川工場ができました。平成15年10月中間事業報告書では、玉川工場は製品の品質を上げるためのものだと言っていますが、私にはそうは取れませんでした。
 でも、その一方で、相変わらず「ブランド価値を高める」と言っています。
 いったい、どちらを目指しているのでしょうか?
 そして、トヨタの名を借りなければならない状況になったのです。これは「自分たちだけでは何もできません」と言っているようなものです。
 残念ながら、ロック・フィールドは見切らざるを得ません。
 ロック・フィールドは「神戸コロッケ」で大成功しました。それを足がかりに、「総合惣菜店」への転換を図ろうとしていました。
 残念ながら、私にはそれが失敗ではないにせよ、投資対象として価値があったとは思えませんし、今後成功する見込みを持つことができません。
 ファーストリテイリングも然り、ローカル企業が全国展開を考える段階に至ったときには、よくよく内容を吟味する必要があると痛感しました。