2736 サダマツ
2003/11/28
1.ものを売るとは
小売業とサービス業の違いは何でしょうか?商品を売るか、サービスを売るかの違いです。では、その売り方に違いはあるのでしょうか?小売であれば「いい商品なら黙っていても売れる」と言われるかもしれません。サービスでも「いいサービスなら黙っていてもお客様は集まる」と言われるかもしれません。でもお客様は、どのようにして、それらの商品・サービスが「いいもの」だと知ることができるのでしょうか。
商品やサービスを売るためには、最初に必ず「売りたい物をお客様に説明し、ご理解いただく」というステップがあります。今回投資を考える対象は、このファースト・ステップを誠実に実行している企業です。
2.お客様との信頼関係を築く
ここで、「まずはお客様にご理解いただく」という売り方がどういうものなのか、具体例を紹介します。
まずは、こちらをご覧ください。http://www1.ttcn.ne.jp/~coaching/16.html
これは私がいつも読んでいるメールマガジンのバックナンバーです。中でも、このフレーズに感動しました。
− 「売上」イコール「お客様からの感謝の拍手」と考えると、自分の仕事が誇らしいものに思えてきませんか?
このメルマガはアパレル店長だった筆者が、いかにして後輩を育ててきたか(コーチング)の経験談です。でも私の感想としては、このメルマガは、商売をする者にとっての基本的な心がまえをズバリと指摘しており、コーチする人・コーチされる人の双方にとって有意義なメルマガだと思います。
また、別の号(http://www1.ttcn.ne.jp/~coaching/30.html)では
− 「観察」→「気付く」→「言いたい」→「伝える(心にタッチ)」→「相手喜ぶ」→「お互いに嬉しい」→「信頼関係」
さらに別の号では、商品を買ってもらうには、その商品ではなく、販売員とのやり取りに満足していただくのだとおっしゃっています。(どの号だったか忘れました。)そうやってお客様との信頼関係が築ければ、多少無理があってもおすすめの商品を購入してくださると、この筆者はおっしゃっています。
3.サダマツのCRM
サダマツは宝飾小売業で九州地区トップです。
サダマツの特徴は、「宝飾小売業というより接客業」と社長が宣言している点にあります。接客したお客さんの属性をすべてデータ化して、買ってもらえそうなタイミングや薦め方を考える材料にしているそうです。要するに「CRMをきちんとやってます」ということです。でも、CRMをきちんとやること自体、結構先進的で、宝飾業界では会社を上げてやっているのはサダマツだけだそうです。
そして、お客様満足を第一とし、「お客様志向」ではなく「お客様思考(お客様の立場で考える)」のがことを目指していると、社長はおっしゃっています。これが本当に実践されていれば、すばらしい企業だと思います。「その場で買ってもらえなくても、このお店のファンになってもらえば、そのうち買ってくれるはずだ。」頭ではわかっていても、実践するには度胸がいります。「本当に後の売上につながるの?」度量のない経営者なら、そこで懐疑的になることでしょう。
一応、財務指標と会社沿革を示しておきます。
財務状況 2001年8月 2002年8月 2003年8月 売上高(億円) 36.0 40.0 42.3 当期利益(億円) 1.0 1.5 1.8 1株当り利益(円) 58.56 39.44
大正9年 時計修理業として開店・・・その後、時計のクオーツ化で修理業は下火に
昭和52年 眼鏡店に(2代目)・・・単価下落で下火に
平成2年 眼鏡より市場が大きい宝飾に業態転換
平成14年 ジャスダック上場
ちなみに眼鏡市場は6,000億円、宝飾は1兆4,000億円。これでもバブル期の3兆円よりも縮小しています。市場が縮小するなかで、増収増益を果たすのは、並大抵ではありません。
サダマツはCRMがしっかりしているので、宝飾に先が見えて、次に他の業態に転換するにしても、その業態で十分有望だと思います。社長も40歳と若いので、このさき10年程度はこのまま成長を続けるのではないでしょうか。
4.株価水準
非常に魅力的なサダマツですが、株価水準はどうでしょうか。11月4日時点では440円、PERで11.16倍です。他と比べると随分安いかもしれませんが、もう少し安くならないか(できれば390円を割った辺り)と思います。他に優良・割安企業がないかもう少し探してみてから、サダマツに戻ってきてもいいかもしれません。
5.結論
購入するための資金を工面することにします。資金繰りが付き、400円程度まで安くなったら購入することとします。まずは、資金捻出のために、業績低迷株の損切りを考えることにします。