5232 住友大阪セメント
2003/12/ 30
1.再検討の目的
住友大阪を購入したのは6年前の平成10年2月、川重と同様、株にのめり込み始める初期です。
今回も、この銘柄が今後保有するに値するかどうかを考えたいと思います。
2.当初、購入した理由
あの頃は、各業種を一通りそろえたくてたまりませんでした。いわゆる「分散投資」というやつですね。独自のインデックスを作ろうなどと考えていました。
各業種からは特徴のある銘柄を選んでいました。だから、三菱重工ではなく川重、太平洋セメントではなく住友大阪を選びました。でも結局、「最大手を選ばなかった」というだけのことで、見出した「特徴」に見合った成果は出ていません。
住友大阪は、私が大学の学部生だった時の、ゼミ論文で「樽見鉄道」(岐阜県)の存廃の是非を分析した時に知りました。当時の住友セメントは樽見鉄道の貨物輸送における大口顧客でした。
また、滋賀県出身の私は、彦根や伊吹に行くと、しょっちゅう「大阪セメント」というタンクも見かけていました。
「住友大阪セメント」は住友セメントと大阪セメントが合併してできた会社なので、「ああ、そういう会社なのね」と何となくイメージを持てたことから、親近感を与えられました。
3.現状を踏まえての再検討
セメント業界は、産業そのものが衰退フェーズに入っていると思います。セメントを大量に使う土木工事のプロジェクトは終わったと思います。そのため需要は頭打ちしており、それどころか、不景気で建設作業そのものも、大口需要家である政府の事業も減っています。
苦しい時期です。何とか生き長らえねばならない。社長も大変です。
そのような環境下で、住友大阪は、8割を占める主力のセメント事業での合理化に取り組んでいます。その目玉が、伊吹工場の閉鎖です。6工場のうちの1工場を閉鎖することで、スリム化と採算性の向上を図っています。その点で、なかなか抜本的な合理化に踏み切れない死に体の大企業とは、一線を画しています。
とても思い切った対策です。立派です!頑張れ!
と、応援したくなりますが、よく考えてみると、これくらいできて当たり前ではないでしょうか。こんなことすらできない、他社がダメなだけです。しかも、こんな程度では根本解決になっていないようです。(何もしないよりマシではありますが。)
住友大阪もスリム化ばかりを計っているわけではありません。期待される代替事業があります。
ひとつはセメント事業の売上の1割を占める輸出。主に中国向けです。とはいえ、中国でもセメントそのものは供給過剰だそうです。唯一、高純度セメントは供給不足だそうです。でも、もともと中国向けは単価がバカ安いので、収益の柱にはなりえません。
もうひとつは光電子事業。光通信用のある部品では最大手といわれています。しかし、通信事業は他に類を見ないほど競争が激しいので、いくらその筋で大手とはいえ、これを収益の柱にすることも、やはり無理があります。そもそも、住友大阪で光電子事業が売上に占める割合は1割もありません。
このように、いい材料は揃っていませんが、住友大阪は個人的には応援したい企業のひとつです。業績は良くないものの、売ってしまっては、頑張っている社長が気の毒です。ここは、今の経営方針を応援していることを伝える意味で、HOLDといたいと思います。
4.株価水準
15年12月30日(大納会)の終値は210円でした。その他、03年9月の中間決算の結果と、2年先までの業績見通しをまとめてみました。
03.9中(年換算) 04.3(予) 05.3(予) 1株益 5.4円 10.3円 11.7円 PER 38.9倍 20.4倍 17.9倍 ROE 2.1% 4.0% 4.6%
ところで、業種平均PERは26.6倍なので、予想PERはかなり低めです。これは投資家がこの業績予想を信じていないことを示しています。PERが平均並だとすると、投資家の予想1株益は7.7円程度と見ていることがわかります。この背景には、02年3月期の1株益を5.9円と予想しておきながら、実績は3.4円だったことを踏まえているのかもしれません。
とはいえ、会社予想を信じるなら株価は安いめです。中間決算の様子を見ると「本当に達成できるのかな?」とも思えますが、04年3月期の本決算の結果を待ってみてもいいかもしれません。市場見通しよりも下がらなければ、株価が大きく下げることはないでしょうから。(03.9中をもとにした年換算数値を見ると不安になりますが・・・)
5.結論
04年3月期の決算発表を待って行動をすることにします。
04年3月期で予想を未達成であれば、そのときに売ることを検討します。予想に達しなくても、1株益が7.7円程度であれば株価も大揺れはしないでしょう。だから、そのときに売っても損はしない。
逆に予想を達成していれば、株価はさらに上がっていることでしょう。でも、この場合には売りません。今の社長が頑張る限り応援するつもりです。