ベンチャー投資法人
 8720 ベンチャービジネス投資法人投資証券
 8721 ベンチャー・リヴァイタライズ証券投資法人

2004/07/11

1.ベンチャー投資法人
株式投資で一攫千金を狙うなら、やはりベンチャー企業への投資です。
新規起業には失敗する可能性がつきものですが、その分、成功したときには大化けする可能性もあります。もちろん「それなり」の利益しか出ないこともありますが・・・
でも、そのような企業に投資するのは、老舗の上場企業からは絶対に出てこない収益率を得られる可能性を持っています。
ベンチャー投資法人は、そのような新規起業をするベンチャー企業に投資する資金を取りまとめる法人です。法人だといわれると、やや引いてしまいますが、要するに投資信託です。
ベンチャー企業に投資したい人たちが個別にベンチャー企業に投資するのではなく、ベンチャー企業に投資する組合(法人)を作った上で、資金をまとめてベンチャー企業に投資する仕組みになっています。投資家はこの法人の株主(のような立場)になります。この仕組みを「会社型投資信託」といいます。
2.上場している投資法人
大証二部に上場しているベンチャー投資法人を2つ見つけました。残念ながら、見つけた経緯は忘れてしまいました。
ともかく、老舗の上場大企業への投資では、要求収益率を達成できない私にとっては、リスクをとって高収益を期待できる投資先を探さなければなりません。
その状況下で、ベンチャー投資法人は魅力的に映りました。
その2つとは、次のものです。
8720 ベンチャービジネス投資法人投資証券
8721 ベンチャー・リヴァイタライズ証券投資法人
8720は、この投資法人が直接投資するというよりも、他の投資組合への出資が多いようです。8721は自分で投資先を探しているようです。
さて、どちらに投資しましょうか? ワクワクします。
3.投資法人って?
でも、よく考えたら、最初に私自身が説明しているように、これらは投資信託です。いわゆる会社型投資信託であり、しかも市場で売買できるという特徴を持っているというものの、投資信託であることに変わりありません。
以前に何度も言っているように、投資信託には信託報酬という負担が発生します。これまでは、その負担が大きすぎるという判断で、新規の投資信託購入を控え、すでに持っている投資信託も解約するという方針で臨んできました。
では、これらの投資法人の信託報酬はどうなっているでしょうか?ホームページに掲載されているディスククロージャーによると次のとおりです。
8720 ベンチャービジネス 8721 リヴァイタライズ
純資産額 45億円 37億円
運用受託会社への報酬 0.5億円 0.4億円/年
(年間信託報酬率) 0.15%以下 1.068%以下
その他関係者への報酬 0.3億円 0.2億円/年
年間報酬/純資産 1.58% 1.72%
運用受託事業者 三井住友AM SBI AM(ソフトバンク)
主要投資主 不明 ソフトバンク・インベストメント
大阪産業振興機構
相変わらずいい商売になっていますね。投資法人が負担する委託報酬は1.6〜1.7%。これは純資産残高に対して計算されます!
その割には、運用受託会社の懐には4,000万円程度しか入りません。この程度だと、運用受託会社の利益、間接経費を差し引いて、優秀とはいえない程度のファンド・マネジャーを2人雇えるかどうか、という程度の報酬でしかありません。
4.信託報酬の決め方
さて、もう一度報酬の決め方に戻ります。委託報酬はすべて、純資産残高に対して、何%というように計算されます。つまり、
「ファンドの価値が上がろうが、下がろうが、彼らの懐には必ず報酬が入ってきます!」
ファンドの価値が下がると、投資家は損しますが、運用受託者にとっては、懐に入る額が減りはしますが、減ったなりにも報酬はもらえます。
ファンドの価値を下げていながら、報酬を手にする・・・こんな理不尽なことが許されていいのでしょうか!?
もっとも、このことは、この投資法人に限った話ではなく、多くの投資信託について同じことが言えます。
その昔(もうかれこれ7年くらい前)、私は大和証券を通じて、ヘッジファンドを購入しました。
当時、2種類のファンドを紹介されました。信託報酬の決め方が、一方は、多くの投資信託と同じく、純資産残高に対して何%というものでした。
もう一方は、何と、資産価値増分の20%〜40%を運用受託者が報酬として持っていく、というものです。
担当さんの話では、委託報酬の高さが毛嫌いされて人気がなかったとのことでした。しかし、よく考えると、これは投資家と運用受託者の利害を一致させるための絶好の報酬体系であることがわかります。
なぜなら、資産価値を上げなければ、運用受託者は報酬をもらえないからです。運用に自身のある運用受託者でなければ、このような報酬体系での運用を受託できないでしょう。
5.ベンチャー投資は魅力的だが・・・
ベンチャー投資は魅力的ではありますが、この報酬体系と報酬率の高さ、その割りに報酬の絶対額は安い・・・運用受託会社が本当に真剣に運用に取り組んでくれるのか不安で仕方がありません。
なぜなら、ベンチャー投資では、資金を提供して放ったらかしにしてはいけないからです。
ベンチャー起業家は、自ら突っ走るのは得意ではあります。しかし、企業が大きくなる中で、社内分業体制をとったり、ファイナンスをしたりと、社長のワンマン会社から、上場できる企業としての体裁を整えるという面で、十分な能力を持っていないことが多いためです。
ベンチャー・キャピタルには、その点でCFO(最高財務責任者)としてのサポートが求められるのです。ところが、投資先が相当数(9720では11、9721では8)ある中で、マネジャーを2人かそこらしか割り当てられないようでは、本当にしっかりとベンチャー企業に対するサポートができるのか、疑問を感じます。
さらに、両投資法人ともに、大阪府下の企業に20%〜30%を投資するとしています。これが何を意味するのか「?」です。
さらに、何ゆえに大証二部に上場しなければならないのかも「?」です。通常のベンチャー投資では、上場するまで資金を引き上げられないので、投資資金は相当期間固定されてしまいます。それを嫌う投資家からの資金を狙っているのかもしれません。投資法人を上場すれば、投資家も市場で権利を売却することができるからです。でも、なにゆえそこまでして資金を集めなければならないのでしょうか。
報酬体系が気に入らないのと、最後の2点(なんで大阪? なんで上場?)が不安なことから、このファンドへの投資は見送りたいと思います。