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| あなたは「あの世」が 存在することを知っていますか? |
特殊相対性理論
特殊相対性理論は慣性系による直線等速運動に対してのみ適用される。
車を運転する場合、アクセルを踏んで速度を上げる(+加速度)こと、また、ブレーキを踏んで減速
(−加速度)すること、それから、カーブを切ることは、御法度(ごはっと)である。速度を加速させると、
後ろに反っくり返るほどに、後方に力がかかり、ブレーキを踏むと、前方に倒れるように力がかかる。
また、左に曲がれば、右側に、右にカーブすれば、左側に、遠心力により振られる。
このように、力がかかることを加速度系という。カーレースでは、よく「g」がかかるという表現」をする
が、正に、その「g」が加速度である。(第1図、第2図参照)
加速度系を扱う場合は、一般相対性理論の範囲に入るので、これは除く。あくまでも、道を真っ直ぐ
に30kmでも、100kmでも良いから、 一定の速度に保つことである。ただし、行ったきりで、戻っ
てきてはならない。Uターンすると、加速度系になるからである。このように、一定速度で、直線的に、
行ったきりの運動をすることを、直線等速運動という。
日常的には、不可能な特殊な分野を扱うので、特殊相対性理論といわれる所以である。
ただし、円運動でも、地球を周回するスペースシャトル(内部)のように地球引力と遠心力とが、つり
合った環境での無重量(人間が浮いている状態)の場合は、力がかからないので、一応、慣性系と
なり、特殊相対性理論が適用される。
また、エレベータのロープが切れて、それが自由落下をしているエレベータ内部も無重量状態であ
るので特殊相対性理論の範囲にはいる。
人工衛星の場合は、地球表面に沿って、自由落下していると考えることができるので、エレベータの
場合と同様に内部は慣性系であるが、これら二つは、地上(外部)から観測すれば、加速度系とな
る。慣性系とは、車が静止している時の物体の運動状態と、車が直線等速運動をしている場合の
物体の運動状態は同じである。例えば、止まっている電車の中で、上に飛び上がると、元の位置に
戻るが、直線等速運動をしている電車の中で、上に飛び上がっても、完全に元の位置に戻り、位置
がずれたりはしない。うそだと思う人は、実際、試してはいかがですか。ただし、スピードが変わった
りすれば、その限りではない。スピードが上昇している場合は、後部座席に、ブレーキがかかって減
速している場合には、前部座席にぶつかるかも知れません。(加速度系)
慣性系では、その運動状態を見ただけでは、電車が止まっているか、直線等速運動をしているかの
判断をすることはできない。
完全な慣性系を求めようとすれば、宇宙空間の中で、重力の影響を及ぼさない無重力状態の個所
を探すことである。その場所でロケットが静止しているか、等速直線運動をしているかである。ただし、
慣性系はどのような個所でも局所的で、限られた時空においてのみ発生する。このような場所では、
通常、短い光パルスを用いて思考実験される。
特殊相対性理論では、
1.物理法則はすべての慣性系で同じで、その運動は相対的である(同等性の原理)
2.真空中の光速度はいかなる慣性系において、30万km/秒で、観測者の運動に関わらず常に一
定である。(光速度不変の原理)から成り立つ。ここでは、静止の世界と準光速の世界について説
明する。その相対的関係は
(1) 時間の遅れ 準光速の世界では時間は、1/√(1−V2/C2)倍に延び、ゆっくり進む。
(準光速の真の時間は、静止の時間より√(1−V2/C2)倍遅れる)
(2) ロ−レンツ収縮 準光速の世界では長さは、√(1−V2/C2)倍に短縮する。(電車の横幅
の辺は傾くが、全体的には回転したように見える。ここでは,この回転の説明
は省く)
〈3) 質量の増加 準光速の世界では質量は、1/√(1−V2/C2)倍に増加するのと、エネ
ルギと質量の等価性(E=mC2)
である。( Vは物体の速度、Cは光速、mは質量 )

(1) 時間の遅れ
第3図のように止まっている電車の中で、AとB2人が光速でボール投げをしていると仮定する。その
距離をCToとする(Cは光速、Toは電車が静止している時のボールの到達時間で1秒)。 その時、地
上で観測している者もボールはAからBに放たれていることが判る。
ところが、電車が等速運動Vにて走っている場合は、電車の中に乗っている人はAからBにボールが
投げられていることを確認できる(到達時間は1秒)が、電車の外、地上から眺めるとボールはAから
Cに向かって斜めに飛んでいることが観測される。なぜなら、速度Vにて電車はBからCに移動するか
らである。
その時のボールの飛んだ距離はCTである(Cは光速、Tは地上から見た時の電車の中のボールの到
達時間)。電車は速度Vにて走っているので、進む距離はVTである。
ここで使用する数学は高校程度の知識があれば理解できるが、どうしても、数式が嫌いな人は
数式のみを無視して先に進んで下さい。

第3図において、CTを斜辺とするCToとVTに関する直角不等辺三角形はピタゴラスの定理より
C2T2=C2To2+V2T2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−(1−1)
C2T2−V2T2=C2To2 、(C2−V2)T2=C2To2 、T2=C2To2/(C2−V2)
である。これをTについて解くと T=To/√(1−V2/C2)と表せる(T:電車が速度Vで動いている
時のボールの到達時間、To:電車が静止している時のボールの到達時間)。電車内の真の時間はTo
=1秒(To=T√(1−V2/C2))であるから、このTは、地上を基準にした場合の地上の時間に相
当する。地上の時間をT=1秒にした場合、電車内の真の時間は、To=T√(1−V2/C2)倍遅れ
る。特に、特殊相対性理論では光速は一定という条件がある。その速さは30万km/秒であるので、
(1) 電車が26万km/秒の速度で走っていると仮定すると、T=2.00秒である。(CT1)
(2) 電車が28.5万km/秒の速度で走っていると仮定すると、T=3.20秒である。(CT2)
(3) 電車が30万km/秒の速度で走っていると仮定すると、T=∽秒である。(CT∽)
(1)の場合、ボールを投げた距離CTo、30万km(電車の幅は30万km)に対してCTの距離は60万
kmである。光の速度は一定(30万km/秒)であるので、CTは光速にて2秒かかったことを意味
する(光速が2倍になって一秒かかったのではない。光速は30万km/秒以上にはなり得ない)。
この時のCTをCT1とする。A,B2人が電車内でボール投げをした時間はTo=1秒であるが、地上
から観測するとT=2秒(T1)かかるので時間が延びたことになり、ゆっくり進む。この時、電車内の
時計は1秒を指しているが、地上の時計は2秒を指している。電車内の時間1秒は地上の2秒に相
当する時間に引き延ばされているので、電車内の真の1秒は地上の2秒より1/2倍短い。ゆえに、
地上の時間より遅れる。
電車が進んだ距離は52万kmである。電車の速度は26万km/秒であるので、光速の86.666
−−%の速度である。
(2)では、電車の速度を光速の95%(28.5万km/秒)で走った時の、電車内のボールの到達時間
で、約3.20秒かかっている。この時のCTをCT2とする。光速に近ずくにつれボールの到達時間
が遅くなることが解る。電車内の1秒は地上の時間の3.20秒に相当する時間に引き延ばされる。
電車内の時刻は1秒で、地上の時刻は3.20秒経過している。
(3)は電車が光速と同じ30万km/秒の時の電車内のボールの到達時間であるが、Aから放たれた
ボールは永遠にCには到達しないことが解る。この時のCTをCT∽とする。電車内の1秒は∽に
引き延ばされ、永遠に時間が経過しない。電車内は1秒、地上では、無限の時間が流れている。
以上が、地上から見たときの電車の速度Vによる電車内のボールの到達時間である。このことから、
光速に近い速度で運動する宇宙船の中を地上(静止の世界)から眺めると、時間が延び、ゆっくり進
むように見えるので、宇宙船内の真の時間(To)は遅れる。
(2) ロ−レンツ収縮
今、ここに静止している電車が横たわっているとする。この電車の長さはLo=30万kmである。
中央から発光
A[←――――――――|――――――――→]B ←電車
C
中央から発光した光を静止している電車(Lo=30万km)の中、または地上から見た場合
静止している電車の中で、中央から発光するとAとBには同時に光が到達する。また、速度Vで動いて
いる電車のなかで観測すると、中央から発光した光は、AとBには同時に到達する。(同時刻)
速度V→
中央から発光
A[←―――|―――→]B ←電車
| C
中央から発光した光を速度Vで動いている電車(L=15万km、(V=26万/kmの時))の中で見た時
速度V→
L/2 L/2
| A[←―――|―――→]B ←電車
VT1
CT1 CT2
|→|←
|―――――→|
|←―→
|←―→|―→|
L/2 C L/2 VT2
↑
中央から発光
速度Vで動いている電車の中で中央から発光した光を地上から見た場合
走っている電車の中を地上から見た場合、中央から発光した光は速度Vで進行しているので、電車の
後部Aに先に到達して(CT1)からすこし遅れて電車の前部B(CT2)に到達する。この時、AとBには
同時刻にはならず、時間が異なることが判る。VT1は光がCから電車の後部Aへ到達したときの時間
に電車が速度Vにより走った距離である。またVT2は光がCから電車の前部Bに到達する時間に走っ
た電車の速度Vによる距離である。光が走った距離はCT1+CT2である。
上図より、左側へ走った光はVT1+CT1=L/2である。 T1=L/2(C+V)−−−−−
(2−1)
また、右側へ走った光はCT2=L/2+VT2である。
T2=L/2(C−V)−−−−− (2−2)
光が走った全時間は T=T1+T2=L/2(C+V)+L/2(C+V)=CL/(C2−V2)−(2−3)
である。
今、L=15万km、C=30万km/秒、V=26万km/秒とすると、
(2−1)式より、T1=0.134秒
(電車の後部Aに到達する時間)、(2−2)式から、T2=1.875秒
(電車の前部Bに届く時間)であり、AとBは同時刻にはならない。
T=T1+T2=0.134+1.875=2.009秒である。
「(1) 時間の遅れ」 の時に速度V=26万/kmで進行している電車の中を地上から観測すると、
2秒かかったことを思い出して欲しい。上式(2−3)式は、地上から見たときの電車の中をゆっくりと
走る光の、(1−1)式から導き出された T=To/√(1−V2/C2) と同じであることか解る。
(1−1)式の C2T2=C2To2+V2T2 を、CTo=Loとすると、T=Lo/√(C2−V2)−(2−4)
のように変形することができる。(CToは電車の横幅であるが、光が1秒で走った距離がLoである)
(2−3)式と(2−4)式から、CL/(C2−V2)=Lo/√(C2−V2)となり、
L=Lo√(1−V2/C2)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−(2−5)
(L:電車が速度Vで動いている時の電車の長さ、Lo:静止している電車の長さ)である。準光速にて電
車が走っているときは、止まっている電車の長さより(2−5)式に短縮する。これはローレンツ−フィッ
ツジェラルド短縮とも呼ばれる。
静止している電車の長さをLo=30万kmとしたので、
(1) 電車が26万km/秒の速度で走っていると仮定すると、L=15万kmである。
(2) 電車が28.5万km/秒の速度で走っていると仮定すると、L=9.4kmである。
(3) 電車が30万km/秒の速度で走っていると仮定すると、L=0である。
以上により、準光速で動いている電車の速度が光速に近づくにつれ長さがだんだん縮小し、光の速さ
になれば、つには長さが0になることを意味している。
〈3) 質量の増加
今、ここに電車の中に粘土の塊があるとする。その粘土の塊に向かって、質量mの野球のボールを
速度v(v=光速)で投げ込んだと仮定する。野球のボールは粘土の塊の中にめり込むが、そのめり込
み方は電車が止まっていようと、速度Vで動いている電車の中で観測しようと、または、地上から速度
Vで動いている電車の中を見ようとも同じである。すなわち、質量(m)x速度(v)=運動量というが、そ
の運動量mvはどこで観測しようとも変わらないのである。
電車が速度Vで動いているとき地上から見たボールの速度と質量をそれぞれv´、m´とすると、
お互いの運動量は、mv=m´v´となる。
A―――――――――――――――――――――――――B
| 電車の中 |
| |
電車の中にて粘土の塊へ質量mの野球のボールを速度vで投げ込む
| (電車の中の野球のボールの運動量はmv)
|
| 野球のボール(v)――→ | 〇 | ←粘土の塊 |
| 電車の速度(V)――→ |
―――――――――――――――――――――――――
♀
地上から観測すると電車の中のボールの速度と質量がv´、m´に見える〈運動量はm´v´)
「(2) ロ−レンツ収縮」の(2−3)式から光速で進む野球のボールが電車の長さ、30万kmを進む
時間を地上から見た場合はT=CL/(C2−V2)である。Lに「(2) ロ−レンツ収縮」の(2−5)式
を代入し、また、Lo=CToとすると、
T=CLo√(1−V2/C2)/(C2−V2)=CTo/√(C2−V2)=To/√(1−V2/C2)−(3−1)
(T:電車が速度Vで動いている時、ボールが電車の長さLo=30万kmを進む時間(地上から見た場
合)、To:電車が静止している時のボールの電車の長さLo=30万kmを走る時間)
にゆっくりと進むことを知っている。のろのろ進むとは、速度が減少することを意味している。それなの
に運動量が同じであるということは、その速度減少分を補うのに質量が増加すると考えざるを得ない。
静止している電車または速度Vで動いている電車の中では、野球のボールの速度はv=Lo/Toであ
る。速度Vで動いている電車の中を地上から見たとき、野球のボールの速度はv´=Lo/Tとなる。
(3−1)式のT=To/√(1−V2/C2)を代入して、
v´=Lo√(1−V2/C2)/To=v√(1−V2/C2) −−−−−−−−−−−−−−−(3−2)
(3−2)式より、運動量は、mv=m´v´=m´v√(1−V2/C2)である。これから、
m´=m/√(1−V2/C2)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(3−3)
となる。(m´は電車が速度Vで走っている時の地上から見たボールの質量、mは電車が静止している
時の質量である。m´を慣性質量、mは静止質量と呼ぶ)
(1) 電車が26万km/秒の速度で走っていると仮定すると、m´=静止質量の2倍
(2) 電車が28.5万km/秒の速度で走っていると仮定すると、m´=静止質量の3.20倍
(3) 電車が30万km/秒の速度で走っていると仮定すると、m´=∽である。
準光速で運動する物体の質量は速度の増大につれ増加する。光速と同じになると質量は∽になり、
加速できなくなる。
(3−3)式のm´の慣性質量をmに、mの静止質量はmoに変更すると、
m=mo/√(1−V2/C2)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−(3−4)
となる。(3−4)式の分母は √(1−V2/C2)=(1−V2/C2)−1/2 と表せる。
ニュートンが考案した2項定理(1+X)N=1+NX+N(N−1)X2/2!+N(N−1)(N−2)X3/3!+ −
−−−− の級数を適用すると(金融機関ではX=r(利率)と置けば(1+r)nは複利計算の基本公式)、
(1−V2/C2)−1/2=1+V2/2C2+3V4/8C4+ −−−−である。
したがって、(3−4)式は、
m=mo(1+V2/2C2+3V4/8C2+ −−−−)=mo+moV2/2C2+3moV4/8C4+ −−と展開
できる。 両辺にC2を乗じると、
mC2=(moC2+moV2/2+3moV4/8C2+ −−−−−)−−−−−−−−−−−(3−5)
更に、moC2を左辺に移項すると、(m−mo)C2=moV2/2+3moV4/8C2+ −−−−となり、右
辺の第2項以降は無視できるほどに小さい。したがって、
(m−mo)C2≒moV2/2 と近似できる。
左辺の(m−mo)C2をEkとすると、Ek≒moV2/2で右辺はニュートン力学の物体に働く運動エネ
ルギを示している。(物体(電車)の速度Vが光速より非常に小さい場合)
上記に示した(3−5)式は運動エネルギを含む全エネルギを表す。全エネルギをE、静止エネ
ルギをEoとすると、
E=mC2=moC2+moV2/2+3moV4/8C2+ −−−
第1項のmoC2は静止エネルギEoで、静止している物体でも、静止質量に対するエネルギを持って
いることを示している。第2項以降の総和、moV2/2+3moV4/8C2+−−−−は上記に表した
ように、(m−mo)C2分で、相対論的運動エネルギEkである。以上をまとめると、
E=mC2=moC2+moV2/2+3moV4/8C2+ −−=moC2+(m−mo)C2=Eo+Ekと
なる。したがって、物体の持っている全エネルギE=mC2は静止エネルギと運動エネルギとの和で表
される。
また、(3−4)式から、Ek≒moV2/2≒(m−mo)C2=moC2((1/√(1−V2/C2)−1)である
ので、Ekは相対論的運動エネルギであることが解る。
全エネルギE=mC2は、かの有名なアインシュタインのエネルギと質量の等価性であるが(エネルギ
は質量の増加に比例する)、これが速さVの物体が持つ全エネルギである。この時生ずる質量mは高
速の場合で、Eが非常に大きくなっても、質量(m)はわずかである。すなわち、とてつもなく大きなエネ
ルギ(E)がわずかな質量(m)と等価であるということを示している。
なぜならば、質量はm=E/C2であり、C2((3x1010cm/sec)2=9x1020cm2/sec2)で割るか
らである。
全エネルギEの一般式は(3−4)式の両辺にC2を乗じて、
E=mC2=moC2/√(1−V2/C2)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(3−6)
で表される。(3−6)式において、V=Cとすると、Eは無限大になり、物体は動けなくなる。ところが、
光子は静止質量moが0の粒子である。V=Cであれば、(3−6)式に代入すると、E=0÷0で不定と
なるが(0ではない)、量子力学によれば、光子のエネルギは有限の値E=hf(h:プランク定数h=6.
625x10ー34Js.f:光の振動数)になる。また、運動量はP=hf/C(C:光速)である。したがって、光
子は静止状態では存在できず、光速でしか飛べない粒子であると言える。慣性質量はm=E/C2=
hf/C2となる。Eo=moC2は上述したように静止エネルギであるが、物体が静止(V=0)していても
エネルギが存在していることを示している。つまり、質量moの物質を完全に消滅させれば、moC2の
エネルギが生ずる。これが原子力エネルギである。Eo=moC2をアインシュタインの質量公式という
@核分裂
ウラニウム235に中性子をぶっつけて核分裂を起こした場合、次式のように、バリウムとクリプトン
0n1 + 92U235 → 56Ba141 + 36Kr92 + 30n1
中性子 ウラニウム バリウム クリプトン 中性子
静止質量→1.00867 235.0439 140.9139 91.8973 1.00867
の2個の原子核に分裂し、2〜3個の中性子が発生する。その中性子が次のウラニウム235を分裂
させるという過程を繰り返し次々と連鎖反応が起こる時、上式の左辺の質量が右辺の質量より僅か
に大きい。これを質量欠損というが、Δmで表すと、上記、静止質量を使って、
Δm=(1.00867+235.0439)−(140.9139+91.8973+3x1.00867)=0.2154
(u)←原子質量単位、uをkgに変換すると、Δm=0.2154x1.66x10ー27kg=3.577x10ー28
(kg)となる。ウラニウム原子1個のエネルギは
ΔE=ΔmC2=3.577x10ー28x9x1016=32.193x10−12(J)(201MeV)である。
ウラニウム1モル(235g)には、6.023x1023個の原子が含まれる。ウラニウム原子核1kgを使
用すると(6.023x1023/235)x103=2.56x1024個のウラニウム原子がある。これに相当す
るエネルギは32.193x10−12(J)x2.56x1024=8.2x1013(J:ジュール)になる。
TNT火薬1kgは4x106(J)であるので、TNT火薬に換算すると、約20kt(20キロトン、TNT火薬1
トンを1トン爆弾とすれば20,000発)である。これが広島に投下された原子爆弾の威力である。こ
のエネルギを徐々に取り出すのが原子力発電である。
A核融合
水素Hの原子核どうしをくっつける方法であるが、通常の水素原子は電子が核を回っているので、安
定していて、正の電荷を持つ原子核どうしを結合するのは容易ではない。そこで電子と原子核をバラ
バラにして、原子核を丸裸にする。これをプラズマというが、その状態で原子核どうしを高い温度で衝
突融合させるのである。重水素(水素Hの同位元素)どうしの核をくっつけるのには約1億度という温
度が必要である。核融合は太陽などの恒星で起こっているが、人工的には水爆が有名である。水爆
の熱核反応は次式で表される(D−T反応)。(地球上では水素Hの核融合は不可能である。重水素
または次式に示すように重水素と3重水素の混合気体が用いられる)
1H2 + 1H3 → 2He4 + 0n1
デュ−テリウム トリチウム ヘリウム 中性子
(重水素) (3重水素)
静止質量→2.01410 3.01605 4.00260 1.00867
水素Hは陽子1個と電子1個。重水素1H2は陽子1個、中性子1個と電子1個。3重水素1H3は陽子
1個、中性子2個と電子1個であり、重水素と3重水素は水素Hの同位元素である。
上熱核式は、重水素と3重水素による核融合でヘリウムと中性子が生成される。特に核融合の場合
中性子が発生するのが特徴的である。上式の核融合反応での質量欠損は、
Δm=(2.01410+3.01605)−(4.00260+1.00867)=0.01888(u)←原子質量単位
uをkgに変換すると、Δm=0.01888x1.66x10ー27kg=3.13x10ー29(kg)となる。 ヘリウム
1原子当たりのエネルギはΔE=ΔmC2=3.13x10ー29x9x1016=28.2x10−13(J)(17.6M
eV)である。
重水素1モル(2g)には6.023x1023個の原子があり、1gでは3.0115x1023個、その40%は1.
2046x1023個である。また、3重水素1モル(3g)には6.023x1023個の原子があり、1gでは2.
0078x1023個、その60%では1.2046x1023個となる。
重水素と3重水素の混合気体1gの各原子は1.2046x1023個の組ができる。
重水素と3重水素の混合気体1gの原子のエネルギは28.2x10−13x1.2046x1023=34.0x
1010(J)である。重水素と3重水素の混合気体1kgでは34.0x1010x103=3.4x1014(J)と
なる。
計算を簡単にするには次のようにする。上熱核式の左辺と右辺の静止質量をkg単位にて使用する。
Δm(kg)=(2.01410+3.01605)kg−(4.00260+1.00867)kg=0.01888(kg)
左辺も右辺もそれぞれ約5kgである。左辺の混合気体1kgを使用することは、それぞれを1/5す
れば良い。したがって、質量欠損はΔm(kg)=0.01888(kg)/5=0.00378(kg)である。開放
エネルギはΔE(kg)=ΔmC2(kg)=0.00378x9x1016=3.4x1014(J)である。
これは重水素0.4kg使用した時のエネルギである。もし、重水素が1kgである時のエネルギ
は、(2.01410/2.01410+3.01605/2.01410)kg−(4.00260/2.01410+1.0
0867/2.01410)kg=(1+1.4975)kg−(1.9873+0.5008)kg=0.0094kgが質量
欠損である。開放エネルギはΔE(kg)=ΔmC2(kg)=0.0094x9x1016=8.5x1014(J)とな
る。混合気体1kg時のエネルギ(重水素0.4kg)をTNT火薬に換算すると、3.4x1014/4x106=
85x106=85kt(85キロトン、85.000トン)にもなる。
核融合では放射能は出ないが、水爆は1億度の温度で点火する時に原爆を使用するので多量の放
射能が飛散する。核分裂と比較すると、4倍ほどであるが、実際の水爆は上記核分裂の1,000倍
の威力を持つ、TNT火薬換算20Mt(20メガトン→2千万トン)に匹敵するエネルギに対応する混合
気体の原料が使用された。重水素は自然界に存在するが、3重水素は自然界には存在しない。した
がって、人工的に生成する必要がある。重水素は水1リットルの中に43mgある。重水素どうしの核
融合(D−D反応)によれば、水1リットルに含まれる重水素が完全に核融合すると、ガソリン300g
に相当するエネルギが得られると言われている。地球の海洋全体から取り出される重水素の核融合
によるエネルギは、地球を450個並べた体積のガソリンの量に匹敵するそうである。人類は永遠の
エネルギを手に入れることができる。
以上までの説明が、次図の第4図における観測者が地上から、速度Vで走っている電車の中を見たと
きの一連の観測結果であるが、今度は次図の第5図のように、地上でAとB2人が光速でボール投げ
をしているのを、速度Vで走っている電車の中から観測した場合は、どうなるであろうかを考えてみよう。

第5図のように電車が速度Vで右側方向へ進行していると仮定すると、地上側は電車の進行方向とは
逆方向、左側へ速度Vで走っているのを確認することができる。日常的には、電車の進行方向とは逆
方向へ電柱が、または、景色がどんどん後方へ流れて行くのを経験したことがあると思う。第4図では
光速のボール投げ(CTo)は電車の進行方向へ傾斜する(CT)が、第5図では、そのボール投げ(CTo
)は電車の進行方向とは逆方向へ傾斜する(CT)。
速度に関しては、完全なる相対性であるから、第5図の場合は、電車が静止していて、地上側が速度
Vで進行していると考えても差し支えはないのである。観測者は静止している電車の中から、速度Vで
走っている地上側を見るのであるから、第4図のように、今まで述べてきた一連の観測結果と全く同じ
になるはずである。
準光速で走っている電車の中を地上から見た場合(地上基準)(地上の時間は普通に感じる)
(1) 時間の遅れ 電車の中の時間は、1/√(1−V2/C2)倍に延び、ゆっくり進む
(電車内の真の時間は、地上の時間より√(1−V2/C2)倍遅れる)
(2) ロ−レンツ収縮 電車の長さは、進行方向に対して√(1−V2/C2)倍に短縮する
〈3) 質量の増加 エネルギ−と質量の等価性(E=mC2)において、電車の中の質量は
1/√(1−V2/C2)倍に増加する
準光速で走っている電車の中から地上を見た場合(電車基準)(電車内の時間は普通に感じる)
(1) 時間の遅れ 地上側の時間は、1/√(1−V2/C2)倍に延び、ゆっくり進む
(地上側の真の時間は、電車の時間より√(1−V2/C2)倍遅れる)
(2) ロ−レンツ収縮 電車の進行方向に対して、地上側の空間が√(1−V2/C2)倍に短縮する
(電車の進行方向を座標系のx軸とすると、x軸に対してのみ空間は縮まり
x軸と直角方向のy軸とz軸は短縮しない(空間をx、y、zで表した場合))
〈3) 質量の増加 エネルギ−と質量の等価性(E=mC2)において、地上側の質量は
1/√(1−V2/C2)倍に増加する
以上が特殊相対性理論の基本原理であるが、速度合成法は、ここでは省略するので、他の本で会得
して下さい。最後に、宇宙線の素粒子が地球上層部の空気の原子と衝突して発生するミューオンにつ
いて、特殊相対性理論を考えてみる。ミューオンは光速度の99.95倍の速度で飛び出すが、その寿
命は100万分の2.2秒である。その間、ミューオンは電子と反電子ニュートリノ、ミューニュートリノに
崩壊する。ミューオンの寿命が尽きるまで走る距離は、30万kmx0.9995倍x2.2x10ー6秒=660
mである。ところが、このミューオンは地球上空約20km(成層圏)で発生し地上に到達している。
地上を基準にした場合、ミューオンの寿命は2.2x10ー6秒x1/√(1−0.99952)=6.96x10ー5
秒となり、本来の寿命の31倍も長生きする。したがって、走る距離は30万kmx0.9995倍x6.96x
10ー5秒=21kmとなる。
一方、ミューオン側では、空間がミューオンの走る方向へ、21kmx√(1−0.99952)=660mに短
縮すると同時に、空気層(対流圏界面)(下図)も11kmx√(1−0.99952)=350mに縮まる。また、
地球も押しつぶされ、煎餅のようにぺタンコになる。
ミューオン発生(寿命は6.96x10ー5秒) ミューオン発生(寿命は2.2x10ー6秒)
――――――
空気層(成層圏) ―――――――空気層(成層圏)
↑ ↑
21km 660m
――― 空気層(対流圏界面) ―――空気層(対流圏界面)
↑
↑
11km 350m
↓
↓ ↓ ↓
―――――― 地上 ━━━━━━━ ←地球も短縮してぺタンコになる
//////
地上側
ミューオン側
地上を基準にするとミューオンの寿命が延びたように考えられるが、ミューオン側の時間は普通に刻
んでいるので、本来の寿命(2.2x10ー6秒)で、660mを走って地上に到達したにすぎない。
ゆえに、特殊相対性理論では寿命が延びないことが解る。ただし、準光速では空間が縮むので、
早く、目的地に到達することができる(尺度が異なる)。
(地上を基準にすると、地上の時間は6.96x10ー5秒にて、ミューオンは距離21kmを進む(地上の
尺度。この時ミューオン自身は、√(1−V2/C2)倍短くなっている)。
ミューオン側から見ると、ミューオン時間は地上の時間6.96x10ー5秒の√(1−0.99952)倍遅れ
て、2.2x10ー6秒になり、空間も短縮して、21kmx√(1−0.99952)=660mの距離を進む(ミュ
ーオン側の尺度)。
準光速で動いている方が、静止の世界(上記のミューオンの例では地上側)より、√(1−V2/C2)
倍、時間と空間が短縮する)
それでは、これで特殊相対性理論を終了します。
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COPY RIGHT BECK
OHLLA 1999