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ヒーロー:
アンディ・ガルシア
ジーナ・デイヴィス
ダスティン・ホフマン
飛行機事故に遭遇した離婚された泥棒が、乗客を助け逃げてしまったことから起こる大騒ぎ。「テルマ&ルイーズ」での、素晴らしい演技が印象的だったジーナ・デイヴィスが、ここでは優秀なTVリポーターとして、また、事件を作り出すブーマーとして、押し付けがましささえ感じられる人格を見事こなしてます。それと、救助したやつの替え玉になりすまし、名声を得ていく役には、これまた大好きなアンディ・ガルシア。この人は、もう黙っててもかっこいい人なんですが、独特の声がまたいいなぁ。
でも、何よりこの映画を単なるコメディ以上のところに持っていった演技のダスティン・ホフマン。主人公で、偏屈なルーザー・まけいぬを演じてるのですが、彼の心の屈折に注目してこの映画を何回も見ていると、現代の中年以上の世代が共通して持つ挫折感や正義感が見えてきます。
一見、コメディです。でも、その底に流れるのは「人への信頼」を切望しているアメリカだと思います。
ナチュラル:
ロバートレッドフォード
音楽:ランディ・ニューマン
野球の話です。天才スラッガーになり得た少年が、スカウトされ契約した球団に向かうたびの途中に事故で死にかけてしまいます。それから彼は十数年メジャー・シーンからは姿をけし、かろうじてメジャーに残ってる弱小球団のテストを受けに来たときには、もうおじさんになっていました。物語の展開自体は単純なヒーローものです。でも、いいんですよ、この映画。
映画だからこんなに良くなったと言うべきですか。そう。映像がすばらしい。それと、いつくらいかな、1930−40年代の時代設定なんですが、そのころをきちんと想起させるランディー・ニューマンのオーケストラ・アレンジがすばらしい。彼のアルバムで言えば、「グッド・オールド・ボーイズ」あたりのサウンドです。
僕はアメリカの野球映画が好きです。それは、アメリカ人の野球と言うスポーツに対する深い愛情が感じられるから。例えばこの映画でも、何もそこまで、と思うくらいフィールドを美しく撮影する事へのこだわりが見られたり、観客がとても丁寧に撮られていたりします。これは、野球がアメリカ人の中では、単なる見に行くものではなく、プレイする人・運営する人・見に行く人・結果を伝える人などそれぞれの立場を、かつてみんなが体験した事があり、野球のもたらすすべての局面をほとんどの人が理解できるからではないかな。女性も全員プレーするってことは多くはないけどね。
アイリスへの手紙:
ロバート・デ・ニーロ
ジェーン・フォンダ
すばらしいラヴ・ストーリーです。少なくとも僕にはそうでした。
夫を亡くし、2人の子供と妹夫婦の世話に追われるアイリス。親孝行ですが、読み書きができないために人との接触を避けるスタンリー。どこにでもある街にすむ、ちょっと不幸せな2人が出会い、不器用な心のふれあいが始まります。ジェーン・フォンダ扮するアイリスは男性と話す事にも怖さを持ってるような境遇の女性を。デニーロ扮するスタンリーは、文盲であるけれども謙虚に生きていこうとする男を、誠実に演じています。
この映画は地味です。とても地味です。生活臭が映画の随所に溢れています。ごくありふれた僕らの日常に、かなり近い環境のなかで話は展開されていきます。はじめてみたときは、途中まで何度も「もう見るのやめようか。」と思うくらい、起伏の少ない始まりでした。でも、2人の心が近づいていくあたりから、小さなシーンでも目が離せなくなり、見終わったあとは、ホントに温かい気持ちでいっぱいになってました。僕はこの映画と「ミッドナイト・ラン」でロバート・デ・ニーロという人のスゴサを知りました。
この映画では名優の、名演が見れますよ。
トゥルーマン・ショー
TVを扱った映画では、今までは「クイズ・ショウ」がぶっちぎりでNO.1だったんだけど、これかもしれない、これからは。生まれたところは{周囲に海もある「島」のセット}の中。主人公は赤ん坊時代から毎日24時間体制で世界生放送で成長や苦悩の記録を放映されている事を知らない。島がセットである事も、その島の住人全員が役者で
ある事も知らず、放送は10万回を越えていきます。ところが、ある日主人公にすべてが作り物だと分からせる事態が起きて・・・。というストーリーだけでも面白いのですが、この映画には隠れたメッセージがいくつかあって、見終わったときには、僕はちょっと考えてしまいました。その辺は、作品のラストを軽く終わることで、この映画はあえてぼかしているけど、残るものは重いと思う。
その重さの原因は、一つは人間自身で人の人生を創れる所までの段階に、確かに来てるよなぁという気づきです。クローンなんて言葉が日常に出てくる社会ですもんね、今は。分かってるけどやらないのは、そこにまだ畏怖すべきもの(宗教・超自然現象などからの倫理観)をもててるからってだけの理由だとすると、逆にいつ誰がやってもおかしくない訳で。
もう一つは、ものを創る人間のエゴについて、です。このことは「ALL THAT
JAZZ」という映画でもちょっと過剰なくらい描かれてましたけど、結局回りの人間が辟易するくらいのエゴが、創作者にはあるなぁ、という事。まあ、人とは違うものを創ろうとする訳ですから、方法論も変わって当たり前なんだけど。そんな中で創作者についていく人は、彼の人格ではなく創り出す才能にのみ惹かれてるのではないのか。なんて所まで考えるのは、僕の悪い癖かもしれないけど。
とにかく、コメディタッチの皮をかぶった、ヒューマニティあふれる映画です。
レインメーカー
若い弁護士志望の男が、いろんなケースの「現実」を見ていく中でもまれ、成長していく話です。本当に日常的に話が進みます。で、だんだんと物語の核になる事件を大きく扱っていくのですが、けしてその事件だけではなく、主人公が抱えてる事件すべてを同時に進行させながら行きます。このことがこの映画の自然な日常性を作ってると思います。平凡の非凡さ、ってやつですかね。
若い弁護士は、貧弱な相棒と2人で、社会的ステイタスの高い弁護団と戦う事になっていきます。正義、この1点を裏切れないという、彼の思い込みだけで。負ければ、もう社会的抹殺が待つばかりという状況になっても、弱者の側に立って正義を通そうとする彼と、最後に待ってる「現実」。このエンディングが物語の「最後の一はけ」になりました。つまり、単なる法廷ものではなく、僕らの社会基盤の脆さみたいなところまで言及した、すばらしいエンディングを、コッポラは描いています。
また、何度もみそうな映画ですね、これ。
グース
息子が中学校の映画で見てきた日に、「おとうさん、よかったで。」と言ってたので、一度見てみようと思い、WOWOWを録画してみました。…いやあ、これは子どもを持つ親としてはグっとくるものがありました。おおまかなストーリーは単純で、親を無くした鴨たちの「ワタリ」を女の子が手作りヒコーキで一緒に飛ぶことで助けてやろうというもの。
そのメインプロットのほかに、両親の離婚とか環境問題、科学の目などの要素が絡んできたとき、この映画は普遍性を持ちました。
ストーリー展開のテンポのよさやストーリーそのもののオモシロさ、そしてこれが実話であったということの驚き。…しかし、それらすべてをも超えてしまう魅力がこの映画にはあります。それは、映像の美しさ。カナダからアメリカにカモたちが編隊飛行するシーンは勿論、日常の何気ないシーンでも、きわだった美しさがあります。それはふんだんに出てくる自然を、デフォルメせずにありのまま撮っただけでも、こんなに世界は美しいんだよ、といった無言のメッセージとなって僕らに響きます。カメラワークにテクニックが使われているかどうかは、ぼくにはわかりませんが、もしそうだったとしても、この映画の映像の作り手は、自然を愛してるだろう事がはっきりわかる作品です。
おとうさん、おかあさんに見てもらいたい映画です。
アンタッチャブル(リメイク)
ケヴィン・コスナーとショーンコネリー。忘れてならないアンディ・ガルシア。このリメイク版では、FBIは本当に等身大の人間です。正しい事をするのをためらう人々が、自らの勇気を振り絞り正しいことをしていくことの尊さをうたっています。普通の人々。そう、僕らのような。それが人間として生きていく中で容認してしまう「悪」を、葛藤を抱えながら克服していく。その過程を言葉ではなく演技で見せてくれる映画です。対立する「悪」の暗黒を体現するのに、この人ほどうってつけな人はいないだろう俳優ロバート・デ・ニーロを配置し、単なる勧善懲悪物を越えたドラマを成立させているのです。
ショー・シャンクの空に
ティム・ロビンスとモーガン・フリーマン。冤罪の主人公の、獄中でのさまざまな話と、感動的なラスト。どちらかと言えば静かな、しかし常に暴力が支配する緊張感がながれている空気の中で展開していくドラマです。モーガンフリーマンは、ナレーションでも大活躍です。この映画では、人間の意志の強さとか、極限状況での友情とかを考えました。音楽も素晴らしく効果的です。この映画をみながら、まるで「アイ・シャルビー・リリースド」じゃないか、と考えていたのは、僕だけじゃないはず。
自由、その値を考えたい人のために。
未知との遭遇
アメリカ映画で、パニックものや宇宙ものでいいなあと思うものは、まず必ず平凡な日常を丁寧に描いておいて「事件」に持ち込むことで、事件自体の大きさや深刻さを言外に匂わせる手法のものが多いです。この映画なんか最たるもので、主人公の男性は普通のおじさんだし、UFOを感じた人々が、押しなべて平凡な人々だということが物語りの奥行きを深くしてると思います。コンタクトでは「素数」だったUFOとのコミュニケーションは、この映画では「音」だということもOKです。客観性があるから。
ところで、君はUFOを信じますか? 僕は信じたいです。
テルマ&ルイーズ
夫にいじめられてて、生きる張りを失いかけてるテルマ。テルマの友だちで、食堂で働いてる暗い過去のあるルイーズ。2人は週末、気晴らしに泊りがけでいい自然のあるところに車で出かけますが…。ほんの数日で、別人になっていく2人の女性の話です。
時間の経過・事件とともに、2人の顔つきが変わっていきます。それは、自らの意思で人生を選択していくカオに、です。若き日のブラッドピットに恋したジーナ・デイヴィス扮するテルマが、映画後半で「ワタシは、今初めて自分を生きている気がする。」と、スーザンサランドン扮するルイーズに言います。
僕はこの映画から、ロックを感じました。おしゃれじゃないけど、最高にカッコイイ部類の映画です。
コンタクト
ここ何年か、この映画を見つづけています。ジョディ・フォスターは、「ネル」くらいからやっと好きになってきたんですが、このコンタクトで大好きになりました。この映画のコンセプトは、「平坦な視点を変えよう」ということに尽きると思います。時間概念・科学と宗教などの語られていくテーマのほかにも、まだ何か隠されてるような気がして、もう少し僕はこの映画を見ていくと思います。地球外生命を探す組織が本当にあることもコレで初めてしったし、SETI@のソフトを動かそうと思ってフリーズさせたり。付随する体験でも楽しんでます。
ミッドナイト・ラン
デニーロともう一人の男優が、ひょんな事から旅するロードムービーです。この場合の「旅」は条件付でしかも2人は敵対する関係で出会っての旅。
ここでのデニーロは、ちょっと情けないけど男気のあるアウトサイダーです。この映画は、話が面白いのでこれ以上いわないほうがいいでしょう。
マッチョじゃない男くささむんむん。痛快です。
パンチライン
トム・ハンクスが好きになったのは、かみさんの影響。まず「BIG」を見たときの好演ぶりでした。この映画もとても好きです。監督がペニー・マーシャル女史。才能あるなあ、この人。誰もがふっと考えるけど絶対に出来ない事を題材に映画とらせたら、天下一品ですね。
おっと、パンチラインですね。これは、NYあたりに今もうごめく、スタンダップコメディ芸人のお話です。ある小さなお店で、売れない芸人が芸を磨いていくのですが、彼らの人間模様と少しの恋愛ムードがあります。お話は、みてのお楽しみ。で、トム・ハンクスの芸達者ぶりがこれでもかというほど、その才気が恐いくらい出ている映画です。音楽をやる人にも絶対に参考になる「ステージに立つということ」「パフォーマンスすること」を、考えさせられる映画です。これはいいよ。30歳以上は、MUST!
再会の時
なんかピーターバラカンの本で知ったんですけど、この映画ってアメリカの現在50歳前後の世代にブームを起こしたらしい。まあ、そうでしょうね。何といっても60年代の友人の再会がテーマですもんね。この映画は、人によったら大嫌いになると思う。「なーにかっこつけてんねーん!」と言われそうです。ただ、60年代に大学生でいたかったなぁと思える人にはグググってくるでしょう。60年代音楽ファンの人は、間違いなくこの映画のROCKの使われ方が気に入る。おしゃれです。
青春デンデケデケデケ
フー達みたいにカッコイイ青春は日本にはなかったけれども、ロックはこんな時代のこんな所にまで降っていた訳です。この映画は大好き。まんま日本でしょ。親子関係・学校・友達・・・。で、このささやかな物語が66年当時の平均的高校生だとするなら、村上龍が「69」で書いた基地の町佐世保の高校生は、また違う緊張があっただろうし、・・・と考えていくと、昭和35年くらいから50年くらいの地方って絶対に面白かったと思います。もっと個性的ではなかったのかな。人も街も。
あえて音楽映画のところに入れなかったのは、ちょっと違う印象が残るからです。多分テーマが「グローイング・アップ」だからでしょうね。和歌山に酷似している風景も必見です。