鈴 木 紅 映 の 俳 句 で 綴 る 北 海 道

<2003/冬の記録>
ー2003年4月15日upー

-降りしきる雪に歩きし日の遠し
-雪しんしん降り積む海へ続く道
-戸惑ひつ氷の海に捨てしもの
-息ひそめ命つなげる冬の森
-違はずに冬芽育む日の光
-黙々と雪積む森の息づかひ
-風死して時空も凍る海の色
-雪塊にうづもる町の吐息かな
- 石蔵の氷柱寡黙に灯を映す
-うづ高く雪積む路地の窓明り
-吹き荒ぶひと夜の雪に喘ぐ町 
-ただひとり深雪を踏む靴のあと
-極月の白き大地の透徹と
-雪止みて藍深みゆく港町
-ななかまど一房ごとの雪のかさ
-ほの白きランプ灯せる駅凍つる
-上気して戯むる雪の深さかな
-大塊と化して無残や雪の城
-立ちすくむ頬に凍風つきささる
-ことごとく枯れし大地の眠りかな

<2003/夏から秋へ>ー2004年4月7日upー

- 欲得もなき旅の果てサビタ咲く
-涼しさや遥か支笏の湖 (う み)光る
-昆布干す人影もなき漁師町
-ワタスゲの果穂奏でをる北賛歌
-うら癒す森深々と清水汲む
-清冽にふもと潤ほす山清水
-ひと日ごと秋更く山の見える町
-錦秋の果てなき森にいざなはれ
-秋闌くる湖 (う み)より溢る水の色
-山清水集めし川の冬隣る




<2004/冬から夏へ>ー2004年11月9日upー

-風花や露天の湯気に消え失せり
-耳を突く風のうなりや雪しまく
-襲ひ来る地吹雪に町押し黙る
-北国の季(と き)を刻める水芭蕉
-茫漠と野にほとばしる雪解水
-清冽な流れ眩しきリュウキンカ
-ハマナスの水に映せる紅深し
-夏雲を映しゆるゆる漁川
-谷合ひの苔の褥(しとね)や清水汲む
-滴りのやがて母なる海の底