阿部映花句集-2-

ーーーーーー---ーーーーー <茨の実誌より>ーーーーー平成15年12月号〜16年12月

-平成15年12月号 ーーー師走の日の光 -平成16年1月号 ーーー- 蘇
年の瀬の都心の公園あたたかく つつがなき愛誌めでたき去年今年
よきことの兆し師走の日の光 屠蘇を汲むひ孫愛らし片えくぼ
城南の落暉おろがむ年の空 人日の日ざしあたたか句集読む

-平成16年2月号 ーーー- -平成16年3月号 ーーー--
芳春の草木ささやきそめにけり 二羽の鳩語らふ庭の春うらら
丘の月ほのぼののぼりあたたかし それぞれの色に膨らむ木の芽かな
さざ波のきらめく浜の春はじめ 黒土の大地かきわけ下萌ゆる

-平成16年4月号 ーーー- -平成16年5月号 ーーー--
春寒や絵馬淋しらに鳴る夕べ ひー孫の指先踊る踊子草
トランプのひとり遊びや窓朧 夏に入る合せ鏡の我がうなじ
笑む母の面影ゆらぐ芹の水 暮なづむ空彩づきし桐の花

-平成16年6月号 ーーー-- -平成16年7月号 ーーー-
吾を待つ竹の子そっと大地割り さんざしの名残の一花夏の月
縁側の松越し雲の峰飽かず 見はるかす青嶺に午後の日ざし濃し
達人の追慕切なき梅雨最中 老鴬や鎖づたひのラバ(溶岩)の坂

-平成16年8月号 ーーー-- -平成16年9月号 ーーー-
立秋の風の木陰に憩ひけり 露天風呂火山を仰ぐ十三夜
八千草の絨緞やはし華胥の夢 つつがなき八十路の坂の葛の花
霧湧いて湧いて火の山かくれけり 語らひの森に語らふ初茸

-平成16年10月号 ーーー- -平成16年11月号 ーーー--

住み古りし都去りゆく秋の人 迷ひつつナビゲーションの冬の旅
浮雲の流れの早き十三夜 電線の雀とまどふ叢時雨
片虹のあだしのやはら秋深し その中の口紅色の落葉手に

-平成16年12月号 ーーー- - ーーー--
ゆく年を惜しみきらめく月と星
極月の雲純白にたなびけり
数へ日やまどかな月にたくす夢

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