エゾジカたち

2004年12月26日
inコッタロ湿原第1展望台付近


鶴居村からヒッチハイクで塘路をめざした夕暮れ時。「あっ,鹿たちがあんなすぐそばに!」
あと先も考えず,心配顔の運転手にお礼を言って,車からおろしていただいてしまった。
ほぼ満月の月が,あたりを明るく照らし出してくれていた。鹿たちもおとなしく草をはんでいた。
時々大型のダンプも走行して行くおかげで,シャッターを切るまでは全く警戒されていなかった。


シャッターを切った瞬間,鹿たちは素早く反応した。「何物だ?危険だ!」
かん高い鹿たちの声が森をこだました。視線がハッキリとこちらに向けられていた。
20m程の距離にいた鹿たちが,サクサクッサクサクッという音を残して皆ブッシュへと移動を開始した。
好奇心旺盛な?若い鹿たちは,すぐには動かずにこちらを観察し続けていたが,
再び「キュゥン(早く来い)!」のかん高い声に従うかのように,サクサクサクと歩き始めた。

約30分間の,鹿たちとの今冬最初のご対面。
夢中になっていたが,ここがコッタロ湿原であることを思い出し,あわてて荷物をまとめた。
最寄りの駅である釧網線の塘路まで,ここから約10km。
月がかげると,あたりは真っ暗。人家の明かりも見えはしない。
おまけに,背中には約25kgの荷物。写真器材がやたらと重く感じる。
ありがたいことに,風はほとんどなかったが。日暮れと共に気温もどんどん下がっている。
冷気の忍び寄りに,すっかり弱っちくなった足腰を励ましながら,歩いた。
こんな時に限って,塘路へ向かう車は1台も通りはしない・・・・

2時間程歩いて,最終列車の1本前の便に辛くも間に合い,釧路へ。
車内の暖かさに,どっと汗をかきながら,溶けて眠りに引き込まれていく身体・・・・




2004年12月27日
in塘路〜二本松展望台付近

真っ暗な中を歩いた昨夜と同じ道を,今度は塘路駅から歩いて向かう。
昨日の今日で,足腰が言うことを聞かず,二本松付近を散策することにした。

まずは,二本松へ。頂上手前の台地で,お出迎えしてくれた2頭。
ややお兄ちゃんらしい左の鹿は,振り向いた姿勢を崩さずに見つめ,
私が立ち去るまで,このままだった。

風に飛ばされてしまった雪(元々そんなに雪深くない釧路地方)が
散らばり,まさに同系色となる鹿は発見しにくい。
二本松から下りていて,背後が気になり振り向くと・・・いた。
 
カメラを構えると,レンズの反射光やシャッター音に反応して,
軽やかに遠ざかっていく。
こんなシーンを,山の上(写真では左上)から見てみたいものです。


二本松凍湖付近
※勝手に名付けています。正式な名前をご存じの方教えてください。

子鹿と語らう姿(左)がほほえましくて,ずいぶんと見とれてしまいました。
視線を右に移すと,母親のお尻に隠れるように,そして甘えている子鹿の姿も。


春のような日ざしの中で,鹿たちも三々五々,動き回ったり草をはんだり遊んだり・・・・


日も傾いてきた午後,塘路へ戻ろうとすると,お見送り?
そんなわけではないのでしょうが,ぞろぞろと出てきて,
私の後ろ姿を見つめているようです。
・・・「早く帰れ」と言いたいのかもしれませんが・・・





2004年12月31日
in塘路〜二本松展望台付近
再び

二本松展望台からの釧路湿原の展望。この写真の中にも鹿がいます。
私がよく向かうのは,写真中央左の森の中が白く見えるあたり。
ここに凍った湖(川)が広がり,鹿たちものんびりしている場所です。
 
鹿の寝床。SCP福田師匠が鹿になりきってここに入ってみました。
「風が来なくて,暖かい」。さすが,自然と生きる鹿たちの知恵です。
(写真の上にマウスを置くと,私の写真と旅の師匠が登場します。ご覧になりたい方はどうぞ。)



二本松の山の裏では,鹿たちの通路が線路を横切っています。
カーブで見通しのよくないこの場所ですが,鹿たちは当たり前のように歩いていきます。
鹿も,JRの運転士さんも,気をつけてください。


今回も3度訪問した,湿原と鹿たち。夜の鹿たちに囲まれると,
本当に人間って弱いものだなと感じさせられました。
自然と共に生きている者たち(鹿)の知恵や強さも感じられた今回,
よりいっそう,鹿たちが大好きになってしまいました。

春夏秋の姿には会えないのが残念ですが,
年末まで訪れることが出来ませんが,
それまで,お元気で!