東京マラソンと 楽しい出会い
2月18日朝 冷たい雨の降る中 大勢の人が 東京都庁脇の ホテルのわずかなひさしの下に寄り添うように 集まって 東京マラソンの 出発を待ち構えていた。自分たちも参加したかったのに抽選もれで果たせず 仲間の出発を見送る人たち、はるばる福岡から定年を迎え長年の夢のフルマラソンへの参加をしたご主人を見送る奥さま、愛する息子を見送る私、人々は様々な思いで その出発を見送った。雪に変わりそうな氷雨も ひとびとのその熱気で 溶けて行きそう。
バンバンという花火の音でスタートが切られたらしい、私たちには何も見えない、何やら動き出した気配で 集まっていた人々は三々五々どこへともなく散らばっていった。さあこれからどうしよう?折角このために山梨から出てきたのだから 1日この子のために私も 走ってみようと メトロの周遊券を買い まず 浅草 雷門まで出かけた。何となく近くにいた 福岡の方とおしゃべりを始め
それからゴールまでご一緒することになった。東京はほとんど始めてとおっしゃる其の方、東京に長年住んでいた私でも地下鉄などまったく詳しくない私だったが 彼女と一緒に マラソンコースに沿って地下鉄で移動した、雷門の提灯の下に着いた時には マラソンの先頭に近いランナーが 通るところだった。浅草も初めてということだったので 浅草寺の門前どおりの お店を見て回った。雨が激しく降っていて カメラのシャッターを切ろうとしても 水にぬれてしまって シャッターが動かなくなってしまった。壊れてしまったのかと諦めたが 乾いたらまた動き出した。息子の凱旋の雄姿を2枚とれただけでも幸いと思う。地下鉄の電車内ではカナダから このマラソンに参加した方にも出合った。30キロのコースで 今浅草でゴールしたという。疲れも見せずに 続いて ビッグサイトのゴール地点まで 仲間に会いに行くとか、それぞれの思いで 大勢の人がマラソンのために動き回っていた。
もう少し 銀座あたりで沿道から声援を送ろうかとも思ったがそんな時間もなくなった。歩きながら携帯電話でマラソンの本部へゼッケンをいれると いまその人がどこを走っているのか わかる仕組みになっていた。ランナー 一人ひとりが靴の中にチップをはめ込みそれが対応するらしい。初めの1時間くらいは すぐ通じたがそれを過ぎた頃から 問い合わせが殺到し返答がなくなった。新橋からゆりかもめで 東京ビッグサイトまで行った。大きなドームの中には 何やら催しものもあったようだ。
PCが沢山備え付けてあり そこで例のゼッケンかフルネームをパソコンに入れると今どこを走っているか教えてくれる。12時30分ごろ
息子は 35キロ地点のあたりを走っているようだった。ご一緒した方は もうすぐそこまで来ていた。1時15分頃には ゴールイン、びっくり。67歳と言う話だったが その健脚ぶりは プロ級。ホノルルマラソンや 国内のマラソンは はじから挑戦し上位何人かに入ったこともあるとか、すごい方だった。40キロ近くまで来ていたので 少し早めに ゴールのところで 待ち受けた。そのころになるとゴールは完走者で 押すな押すなのラッシュになっていた。わが子を見落とさないように必死で その群集を見守った。
元気に手を振りながら入ってくる人、倒れそうになっていきも絶え絶えの人、そしてゴールのときに係りから頂いたバナナや飲み物も口に入らないらしく あげますと言っておいていく人、でも其の顔には疲れの中にもえもいわれぬ満足感が感じられた。誰彼となく ご苦労様、よく頑張りましたねと大きな声で挨拶をおくった。
そばで大会スポンサーの係りのお兄さんが 何時間も ご苦労様でした、ご苦労様でしたと大きな声で声援を送っていた。いつやめるかなと思って気にして聞いていたが 休むことなく続いていた。あれは走ってきたランナーと同様すごい根性だったと思う。だんだん声もかれてくる、気の毒に思って私はその人の分と思ってご苦労様と大きな声で言ったのだ。私が言っているときくらい少し休めばと思ったのだが 彼はさらにつづけていた。
わが子は 福岡の方に遅れること3時間あまり それでも完走した。あと2キロ位のところから、なかなか 来なかった、後で話を聞けば 最後は脹脛が破裂するかと思うほどの痛みで 一歩一歩足を進めるのがやっとだったとの事、大変だったようだ。これまでに20キロくらいは走ったことがあったが それ以上 続けて走った経験はなかったという、その後ニュースを見ていてなんと98%の人が完走した事を知り、半分はお祭り騒ぎのイベントかと思いきや みな真剣で われと思わん人ばかりのランナーだったことを知り、びっくりした。出来たらまた来年もと性懲りもなく言っている、そして其の話を聞いていた次男坊も それなら僕もやってみると 兄弟対決を夢見ていた。この母は 来年も元気で 息子二人の対決を見極めなくてはならない・・・
子供の頃から頑張り屋だった息子は50歳近くなっても まだその性格は変わっていない、衰えていないと思うと何やら 嬉しいような気がした。
今日 その福岡の方から ご自分の山で採れたたけのこや ふき、わらび、つわぶき、つくしと
春の香りをどっさり送ってくださった。暖かい暖かい贈り物、東京マラソンの思わぬ副産物、楽しいことがあるものだと、改めて 春の到来に感謝している。
