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立退き日記2004
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■2003年12月13日
AB社(大手住宅建設会社) のSとBC社(AB社に依託された立退き業務等の請負会社)
のAという二人連れの男が訪ねてきて、来年3月にアパートを壊すことになったので立ち退きの交渉に来たという。
大家さんの委任状を見せるので、以前にも大家さんの息子が大家さんに黙って不動産屋と共謀し、アパートの住人に立ち退きの書類を送ってきたことがあることを話すと、二人は今隣の人からもその話を聞いて驚いている、といってS氏が会社に電話を入れる。そして上司と相談したらしく、大家さんに確認してもらってもかまわないという。
BC社のAは温厚な感じの男である。僕がこの委任状はもらえるのかと訊くと、A氏はあわててこれは1枚しかないからといってカバンの中にしまう。
◆隣のCさんにはA氏がいきなり『今度3月にこのアパートを取り壊すことになったので準備をしてください』といって委任状をみせたという。(04年7/24日追記。以下◆青字の部分は追記)
二人が帰ってすぐに同じアパートのDさんが訪ねてきて、これから大家さんの所に行って確認してくるというので、帰ったら教えてくれるように頼む。
Dさんが帰って来て、話を聞くと、大家さんと同居している長男が応対して、大家さんはボケて寝たきりになってしまい、何時ぽっくりいって相続税を払わなければならなくなるかもしれないので、税金対策のためにアパートを建て替えることにしたと言ったという。そして、アパートの住人との交渉は全て弟に任せていると言ったそうである。
■12月14日
Eさん(亡くなったおばあさん)が隣の部屋のおじさんから立ち退きの話を聞いて、パニックになり飛んでくると3月にアパートを壊すというのは本当かと訊く。僕はアパートに住人が住んでいる間は勝手にアパートを壊すなんてことはできないし、あなたのことは僕が最後まで面倒見るからといってなんとか落ち着かせて部屋に帰す。
Eさんの隣の部屋のおじさんは新しいアパートを探さなければと言っていたという。
Eさんは翌日から毎日訪ねてくるようになる。
◆Eさんはこのアパートに来る前に住んでいた町のアパートで、ひどい地上げにあいこのアパートに逃げて来た。それが今もトラウマになっていて、以前に大家さんの息子(次男で今回は表に出てこない)が住人を騙そうとして立ち退きの書類を送ってきた時にも半狂乱のようになったが、その時には、息子が勝手にやったことだとすぐに判明して収まった。
■12月26日
Eさんによれば、最近、隣の部屋のおじさんは居られる間は出ていかないと言っているという。
夕方、風呂屋に行こうとすると、ちょうどS氏とA氏がやって来たので事情を説明し、Eさんを訪ねて行かないように頼むと大家さんと話し合ってみるという。
■12月27日
Eさんに二人が直接Eさんを訪ねていかないようにと話したことをいうと涙ぐむ。
そして、Eさんは以前、Eさんが夜アパートの前に立っていると、背が高く、太った酔っぱらいの男がやって来て、アパートから出ていくようにと言ったという。Eさんがあなたは誰かと訊ねると、男はこのアパートの2階に住んでいるといって2階に上がって行ったという。
◆アパートの2階にはそんな男は住んでいないので、これはEさんの妄想。
◆7、8年前、Eさんの上の部屋に市役所から紹介された障害を持った男が入り、その男が2階からションベンをしたり、まな板を上から落としたり、また、夜中にドスンドスンと大きな音を立てたりするので、Eさんが大家さんに何とかしてくれと言って、大家さんが役所に苦情を言いに行くと、役所の係はションベンをしているところの証拠写真を持って来いと言って何もしてくれなかったという。Eさんは私におちんちんの写真を撮れっていうのよと言って泣いていた。
この男は酔っぱらって送ってきたパトカーの警官とも平気でケンカをしたりするが、僕の言うことはわりと素直に聞いたりするので、僕が何度か注意するがやはり同じことの繰り返しで、結局大家さんまで神経がおかしくなり、夜眠れなくなったといって僕のところに相談にくるが、大家さんも追い出すことができず、Eさんがあたしが我慢すればいいと言っているうちに98年2月に男は自分の部屋のドアの前で死んでいるのを発見された。
◆この時の記憶が2階に住んでいる男の妄想を生んだのではないかと思う。
◆男が死ぬ少し前にアパートの管理を大家さんの息子(次男)が任されることになり(これは大家さんが上の男のことで息子に相談してそうなったと、大家さんに聞いたような気がする)、この息子と懇意の新しい不動産屋から15年ぶりに更新の契約書が送られてくる。そして、この息子がその2年後に大家さんに内緒で立ち退きの書類(契約書)を送ってきた。
◆立ち退きの書類が送られてきたのはアパートの住人全員ではなく、書類を送られて来なかった人もいる。しかも、その年の3月からは家主側に有利なように法律が改正され施行されることになっていた。
◆この時息子のたくらみを知った大家さんは、わたしの目の黒いうちはこのアパートを壊すことはないし、今後息子が何か言ってきても一切取り合わなくてもいいと言っていた。
■12月28日
103号室のおじさんと道で会ったので、話を聞くとアパートを出て行くという。
Eさんの話をすると、市役所にまかせればいいのじゃないかという。今日Eさんと話をして、Eさんが大家さんは私たちに冷たいと言っていたという。
■2004年1月1日
昨日は家賃を収めに行く日なのだが、30日からEさんが帰っていない。
31日の午前中には自転車がなくなっていた。29日には僕を訪ねてきている。
■1月2日
夕方、Eさんが訪ねてくる。一杯飲んでいてこれから大家のところに行くという。
帰ってきて、Eさんが応対した大家さんの息子(長男)に、立ち退きの話がでているけど本当かと訊いたら、息子はそんなことは考えていないと言って、帰りに息子のお嫁さんがミカンをくれたという。
◆僕は長男夫婦が気を使ってくれているのだなと思う。
■1月11日
BC社のA氏が103号のおじさんの所にきて、部屋の中の荷物を見せられている。その後、隣の部屋を訪ねてきてドアをノックする。
■1月17日
昼、BC社のA氏が訪ねてくる。どうしても、3月いっぱいで壊すので交渉をしたいという。Eさんが言っていた存在しない男が訪ねてきた話と、以前に2階の男に被害を受けていたことを話すと、A氏はそれはEさんの方にもなにかあったんじゃないですか、Eさんが神経質で、そんなことをさせるようなことをと、まるでEさんに原因があるというような口ぶりである。Eさんのことは我々がちゃんと面倒みますからと言うので、追い出そうとしている奴なんか信用できないと言ってやる。
僕が4年前のことがあるので、A氏に今回の立ち退きの件は誰がやっているのかと訊ねると、三男のF氏だと答える。
午後、Eさんの姿が見えたので声をかけると、案外しっかりしている。1、2年は(出ていかなくても)大丈夫だよね と言って僕にもちをくれる。Eさんが201号のGさんに訊いたらGさんにはまだなんの連絡もないと言っていたという。
■1月18日
Dさんがきて、昨日、A氏が来たのでDさんがみんなが出て行ったら出ると言うと、それならみんなが出て行って1週間後に出れるかというので、それはわからないと答えると、ぶつぶつ言いながら帰って行ったという。
Dさんは大家さんの三男はとてもいい人だという。
◆Dさんは30年前、アパートが建った頃からこのアパートに住んでいて三男とは仲がよかった。他の人たちもほとんど僕よりも古く、CさんやGさんはアパートが出来た当初からの住人である。
■1月19日
昨日、CさんとGさんのところにA氏が来たという。GさんはA氏のノックのしかたが異常だったので出ていかなかったらしい。
Cさんが契約や居住権の話をすると、A氏は意外だというような顔をしたという。Cさんが公団なんかにも当たってみると言うと、それでは時間がかかるというのでCさんが2、3年かかるかもしれないですねと言うと、A氏はそれではお金の話をしたいと言うので、Cさんがそんなことを言っているのではないというとすごすごと帰って行ったという。
■1月20日
AB社がアパートにやってきて測量をする。
■1月24日
昼すぎ、A氏が訪ねてきて滞納家賃をチャラにして、引っ越しの実費を(50万くらい)だせば出て行くかという。僕は引っ越し代まで貰えるとは思っていなかったので、それなら出て行くとすぐに答える。
Eさんに紹介してもらえないかと言うので、今度外で会ったときになら紹介すると答える。
A氏は他の人たちの契約書も持っていて、電話番号もみんな知っているのだという。
■1月31日
Eさんが家賃を持って行くとまた息子が応対して、立ち退きの件はなにも言わなかったという。
A氏が紹介してくれと言っていたことを伝えると、何の用があるのよと言って会うのを嫌がる。
■2月3日
昼、A氏が訪ねてくる。Eさんをどうしても紹介してくれと言うので、できないと言うと勝手にいきますよという。 大家がかまわないから直接行けといったのだという。
もしEさんに何かあったら、AB社とBC社と大家さんを訴えるからねと言ってやる。
◆2月4 or 5日
Dさんが一緒の時、Eさんにもう一度、僕が一緒に立ち会うからA氏に顔だけでも見せてくれないかと頼むと、顔を合わすだけならいいと承知する。(3/29追記)
■2月6日
A氏が訪ねて来てまたEさんに会わせてくれないかと言うので、Eさんが承諾したことを話して、Eさんのところに連れて行き紹介する。『直接訪ねて行かないこと』『交渉は全て僕がすること』をEさんの前で約束しA氏から礼を言われる。
◆これ以降、A氏は3月15日までEさんを一度も訪ねていない。(3/29追記)
■2月9日
103号のおじさんが荷物を運んでいる。
■2月15日
A氏が訪ねてきて、Eさんにアパートはいつか壊すことを話しておいてくれと言われる。
僕がEさんからいつまでもこのアパートを引っ越さないでねと言われたので、僕は家賃を滞納しているのでいつか追い出されちゃうんだよと、話したことを言うとA氏は大槻さんはそんなことも話してくれているんだと嬉しそうな顔をする。
僕が他の人たちはどうなっているのかと訊ねると、他の人たちとの交渉状況も皆同じようなもの だという。
◆僕は大家さんとは普段からとても仲が良かったので、滞納している家賃は、お金のある時にいつでもいいですよと言われていて一度も催促をされたことはなかった(ただし、そう言われたのは家賃をまだそんなには滞納していない時である)。
■2月22日
103号のおじさんが赤帽の車で荷物を運び出す。
■2月24日
Eさんが昨日から帰って来ない。夜、帰宅。
■3月1日
103号を見に来たついでだと言ってA氏が訪ねてくる。僕に仕事をする気が無いのかと言うので、何か紹介してくれるのかと訊くと、おれが紹介してもらいたいくらいだという。
その後すぐにEさんがやって来て、また大家さん(の息子)は何も言わなかったという。
◆3月10or11日頃?
Eさんが時々管理を頼まれて行っている、マンションのオーナーの知り合いが入院することになったので杏林病院の場所を教えてくれと言うので、地図で調べて三鷹の場所を教えてから、電話をかけて入院しているか確かめたらどうかと、電話帳で病院の番号も調べて教える。Eさんが家に戻り電話をするが、そんな人は入院していませんと言われたと言いにくる。僕がまだ入院していなくてこれから入院するのかもしれないから、またしばらくして電話を入れてみればいいと言うと納得して帰って行く。(3/30追記)
■3月15日
帰宅するとドアにBC社のHという男の名刺がはさまれている。
すぐにDさんがやってきて、A氏と担当を交代したと言っていたという。105号のTさんは今月いっぱいで引っ越すことで話がついたらしい。お兄さんが保証人になっていて、そちらと話をつけたとH氏が言っていたという。
◆夜にまたEさんが飛んでくるだろうなと思っているが来ない。翌日も留守で自転車が置いたままなので杏林病院へ入院の見舞い(付添い)に行ったか、あるいはその知人は身寄りがないと言っていたので、マンションの管理を頼まれて泊まりに行っているのだろうと思う。名刺もドアにはさまれたまま。留守にしていれば、Eさんが新しい男と顔を合わせなくてすむのでちょうどいいと思う。(3/29追記)
◆Eさんが姿を見せなくなったのは14日頃。(6/26追記)
◆この頃には、Eさんは『最近はこわい人が来なくなったね』といって、精神状態もすっかり良くなっていたので、僕はもう大丈夫だろうと安心していた。
■3月18日
昼前、BC社のH氏が訪ねてくる。A氏は営業に回されたという。Eさんを訪ねたことに対して文句を言うと、平然とした態度で訪ねて行きますよという。何故A氏と約束したことを破るんだと言うと、A氏は渋谷なので連絡がとれないという。最初から話をしてやっと直接Eさんを訪ねていかない約束を取り付ける。この男は話が全く通じない。Eさんのことは僕が最後に*説得するというと、Eさんを出ていくように説得してくれたら僕にお礼を出しますからというので、僕はあなたたちの立場には立たないと言ってやる。
※僕はA氏に他の人たちが出ていったら、Eさんをこのアパートに一人残しておくことは出来ないので、僕が説得して他のアパートを探してあげると話していた。僕はどのみち追いだされてしまうだろうし、他の人たちもいずれ出て行くだろうと思っていた。
Eさんはとても立退き料の交渉や、(老齢なので)新しいアパートを探すことは出来ないだろうから、それは僕が替わりにやってやろうと考えていた。
■3月20日雪。
Cさんが訪ねて来て、今電話がありH氏がこれから来ると言っていたと言うと、アパートの入口にH氏が姿を現す。僕がCさんと話をしているのを見て嫌な顔をする。(Cさんは電話番号を教えていない)
大家さんがCさんには特別にお金を多く払ってもいいと言っていたとH氏が言ったという。契約書がないので借りているひとの立場が弱いとも言ったという。A氏はこういう嘘はつかなかった。
■3月25日
Eさんの隣のおじさんも今月いっぱいで出ていくことで話がついたとH氏が言っていたので、Dさんがこのおじさんに今月いっぱいで引っ越すのかと訊ねると、おれは引っ越さないよ誰がそんなことを言っていたんだと言ったという。
■3月26日
外で女の人の話し声がするので外を見ると、Eさんの部屋の前で女性が携帯で話をしている。しばらく様子を窺っていると、部屋のドアが開きEさんが顔を出す。あわててEさんのところに飛んで行くと、その女性がこれからEさんを医者に連れて行くので保健証を探しているところだという。
Eさんはずっと部屋に隠ったまま水だけを飲んでいたらしく、だいぶ衰弱しているらしい。僕がEさんいるの?と声をかけると話をしていた女性がドアを閉めようとするので、大槻が来たと言ってくれというと、大槻さんですってと中に声をかけてくれる。すると、中からそれがどうしたとかえってきたという。女性がドアを閉めてしまい、僕がしかたなく外で待っていると、しばらくして若い女の人が車でやって来て部屋の中に入って行くので、ドアをノックして今部屋に入った女性に外に出てもらい今までのことを説明すると、事情をよく知っている人だと言ってくれるが、さきのおばさんは会わせられないという。(今までのことをその女性に説明した時、Eさんが最近はこわい人が来なくなったといっていたと話すと、その若い女性もそう言っていましたねといい、ドアに名刺がはさまっていたのも見ていたという)昨日からあまり寝ていなかったので僕の顔つきがひどかったのかもしれない。
◆Eさんは今まで僕をおにいちゃんと呼んでいたので僕の名前は知らなくて、今回のことがあってからEさんに僕がドアをノックしたら開けるので、名前を教えてくれと言われて紙に書いて教えたが、A氏と訪ねていった時に名前を名乗ったがEさんはやはり忘れていた。(7/5日追記)
夕方、Eさんの部屋から声がするのでEさんの所に行くと、昼間のおばさんが帰るところで、話を聞くと、血液検査をして明日結果がでるという。精神的には話もできて大丈夫のようである。
■3月27日
昼前、H氏が来て5月いっぱいで出るという合意書にサインしなければ、強制退去の手続きをとるという。家賃滞納分と10万か15万ぐらいで出て行けという。他の人は敷金の返還だけで出て行った人もいるという。前にA氏と合意したことは一切無視している。
先に、Eさんが昨日病院に連れていかれたことを話し、何故訪ねていったのかと問い詰めると、Eさんの所へはA氏と一緒に行って自分はついて行っただけで会っていないという。ドアはノックしただろうと言うとそれはしたという。
最初にH氏に会ったときは、A氏は営業に回されて渋谷と新宿なのでA氏とは会っていないと言っていた。こいつが言うことは全てでたらめである。
Eさんがこんなことになっているのに出ていけるわけがないだろうと言うと、5月で出ていかなければ裁判の手続きをとって、2、3ヶ月で追い出せるがそれでいいんですねと言うので、それでもかまわないと答える。
夕方、買物に行くためアパートを出ると、あのおばさんが来ているので話をすると、後は私たちがやりますからと言ってEさんに会わせまいとする。差し入れのお弁当も食べないらしい。今度、市会議員に来てもらうと言うので、ちゃんと、また追い出されない所に入れてくれますかと訊くと、市会議員がそんなところに入れるわけがないじゃないですかという。さらに僕がEさんに立ち退き料も貰ってあげてくださいねというと、おばさんは『大家さんは6ヶ月前に通知をすればいいんじゃないですか』という。*今は大家さんの立場が強くなったので立ち退き料を払わなくても追い出せるのだという。
追い出されない所に入れると言っていながら矛盾しているし、このおばさんは全くEさんの立場に立っていない。
そして、最後に僕がEさんはこのアパートを出るのをとても嫌がっていましたから、話を持ち出す時には言葉に気をつけてくださいねと言うと『Eさんは出るのを嫌がっているんですか?』と訊いた。
※昔から、通常の立退きでも家主に立退き料を払わなければならない法的な義務はないらしい。
◆前日、若いほうの女性と話をしたときに、女性が市会議員に頼んで、Eさんをその議員が所属する政党が持っているアパートに入れようと思っているといっていたので、僕はその政党がアパートの立ち退きで困っている老人達のためにアパートを提供しているという話を聞いたことがあり、Eさんはその政党と関連の深い宗教団体員だし、Eさんが承知すればその方がいいかなと思っていた。
Dさんに話しに行くと、H氏が大槻さんは話にならないと言っていたという。DさんにはA氏は会社をやめたと言ったそうである。
■あのおばさんは誰?僕を絶対にEさんに会わせまいとする。『6ヶ月前に通知をすればいい』なんてことは普通の人は知っているはずがないし、僕が家賃を滞納しているので追い出されることになったので、後(Eさんのこと)をよろしくお願いしますと言った時も、別に驚いた様子を見せずに何時頃?と訊く。僕についてなにかの情報を誰かから得ている。
■Eさんが部屋に隠るまでは、このアパートを出たいとは一言も言っていなくて、絶対に出るのは嫌だと言っていたのだから。Eさんの気持ちも確かめないうちに、何故アパートを変えさせようとしているのか?
■今までEさんの相談にのっていたとは、考えられない。僕はEさんからそんな話を聞いたことがないし、若いほうの女性は僕から話を聞いて『事情をよく知っている方』と言っていたのだから、あのおばさんは少なくとも僕よりは事情を知らない。
◆Eさんは普段から誰か見知らぬ人が部屋をノックしただけでも、すぐに僕のところに言いに来ていた。
■3月29日
12時前、外でドアの閉まる音がするのでEさんの部屋のほうを見ると、Eさんを3人の女性が車に乗せてどこかに連れてゆく。一人は先日の若い女性らしく、よろしくお願いしますと言って車には乗らずに自転車で帰って行く。残った女性がドアを閉める前にちゃんと、Eさんに『ドアを閉めるために鍵をお借りします』と言っている。福祉関係の人?
夕方、Eさんのところに見知らぬおばあさんが訪ねて来て、声をかけているので留守だと教え、話をするとEさんをこのアパートに紹介した、大家さんの遠縁のKさんである。病院に連れて行ったと聞いて訪ねて来たという。もう一度その人に訊きに行くという。少したって、またKさんが訪ねてくる。僕がベランダから見ているとEさんは病院から帰って来ていて、今電話で話をしたという。ドアが開きEさんが顔を現わす。
■3月30日
11時頃、また福祉の人が訪ねてきてEさんを病院に連れて行く。
昼過ぎにDさんが来て庭で話をしていると長引き、1時前にEさんが帰ってきたので声をかけるとEさんは何の反応もみせず、福祉の女性が点滴をしてきましたと答える。
僕に全く反応しないのは神経がやられているのじゃないかと思い、あわてて外に出てその福祉の女性に、今Eさんは僕になんの反応もしなかったですよねと言うと、体調が悪いからという。
Eさんのことについて話をしたいと言うと、もうひとりの女性が僕の名前を訊いて今度話を聞きに来てくれるという。
後で精神科に連れていってもらおうと思いつき、市役所の福祉課に行くと若い男の応対が非常に悪く、いくら説明してもEさんの担当はわからないという。そこで、隣の女性の職員に訊くと担当の女性の名前はすぐにわかり、本人もEさんが精神的に病んでいることは把握しているという。
市の担当はMさん。もうひとりは特別養護老人ホームのYさん。
■3月31日
図書館に行く途中、特別養護老人ホームのYさんを訪ねる。
Yさんに今までの経過を全て話し、Eさんを病院に連れていったあのおばさんたちは大家さん(の息子)に頼まれたふしがあると言うと、それは大槻さんの推測ですね、証拠があるわけじゃないですよねという。そして、大槻さんはEさんの交渉役になられたのだから、Eさんにアパートを出て行くように交渉するのは当然ですよねという。
僕がくわしいことは話さずに裁判にかけられることになったことを話すと、即座にそれは当然でしょうねと吐き捨てるようにいう。
Yさんは僕が追い出されることをあのおばさんに話したら、それはいつですかと訊かれたことについて、普通はそんなことは訊かないですよねと言うと、声を荒げてそれは誰でも訊くんじゃないですか、それだけEさんのことを心配している大槻さんが出て行くのですからと言って、それでいつ出て行くのですか?と訊く。
そして、Eさんに立退き料を貰ってあげてくださいと言ったら、おばさんが最近は大家さんが強いから6ヶ月前に通知すれば追い出せると言ったというと、そのことには答えず大槻さんは法律にくわしいのですか?と訊く。
Yさんは最初から僕の説明を真剣に聞こうとはせず、露骨に時計を見て僕にさっさと帰るように催促をする。
しかし、最後にEさんはちゃんと話もでき、自分の状況も把握していて市のほうでもいざとなったら動くでしょうというので、しばらく静養していればEさんの容体も良くなるだろうし、何かあればこちらで適切に対応してくれるだろうと考え、後は任せて帰ることにする。
Yさんは僕を送りながら、Eさんは女の人が来てくれて安心したと言っていたという。そして、
私は心理学専門ですからと言って、ここを誰に聞いて来たのですかと訊くので、僕は市役所で教えてもらったのだと答える。
■4月1日
午前中、昨日言い忘れたEさんの妄想のことを知らせに特養ホームに行き、男性の職員にメモを渡す。
■4月2日
昼前、EさんのところにKさんが訪ねてくる。時々来てくれているようである。
Cさんが市民相談の弁護士に相談すると、大家(の息子)たちのやっていることは話にならないと言っていたという。
■4月3日
昼前、EさんのところにKさんが3度訪ねてくるが3度とも応答がない。
しばらくして、Eさんの部屋のドアの前にコートを着た背の高い女性が立っている。Yさんのような感じの女性で、中には入らずすぐに立ち去る。僕のほうを見るが挨拶はしない。(後日Yに確認すると本人である)
それからまたしばらくして、今度は男の人がドアを叩いている。返事があったみたいで話を聞いているとKさんの旦那さんのようである。すぐにまたKさんが訪ねてくる。
午後、出かける前にEさんのオリヅルランの世話を、Eさんが元気になるまで僕がしてあげようと思い、声をかけるとKさんが出てきて僕の顔を見て嫌な顔をする。最初に会ったときとは態度が違う。部屋の中の花の鉢の話をすると、部屋の中のことはあたしがやりますからと断られる。
わざわざありがとうございますと礼をいわれるが、僕を煙たがっている様子である。
帰宅すると、またEさんの部屋の前にKさんと中年のおばさんが立っている。執拗に声をかけるが応答がない。3時過ぎ。しばらくして、やっと返事がありドアを開けるといっている様子だがなかなか開かない。この時Kさんたちが中に入った気配はない。
■4月4日
CさんのところにHがきて新しく建てるアパートにCさん、Gさん、Eさんを優先的に入れるというのもひとつの選択肢だと言ったという。ピアノも可とのこと。家賃や契約については何も言っていないという。
◆このアパートは音大生をターゲットにした『ピアノ可』のアパートで、家賃もかなり安いのだが防音設備などは一切していなくて、築年数もたっているため今では建築当初から住んでいるCさんのような何人かの住人しかいなくなってしまった。(息子たちが新しい人を入れないように断っていた)
◆僕はCさんに大家さんがボケてしまった以上、アパートが出来た時から住んでいるCさんたちを、騙して追い出そうとする息子たちがやがて家主になるようなアパートは、立退き料をたくさん貰ってさっさと出ていったほうがいいと勧めていた。
■4月5日
昼前、Dさんが来て、昨日Hが訪ねて来て今度は家賃6万円として、全部で50万ぐらいでどうかと言ったという。
大槻さんのところには行けませんとか、Eさんについて特養ホームから訪ねて行くなと電話があったのでもう行けないと言っていたという。
夜、帰宅するとDさんが飛んできて、Eさんが死んだという。
駅前の交番に行き、事情を説明して小金井警察署に電話を入れてもらい、これからそちらに花を持って訪ねて行くからEさんに会わせてくれと言うと、身内以外には会わすことはできないし、死因についても話せないという。そして、僕が3日にEさんに会った時の話を聞きたいと言うので、僕はEさんが部屋に隠っているのを発見されてから、一度も会わせてもらえていないと話すとそれならいいと言われる。
最初はこちらに来てくれという口調だったが、途中、電話の向こうで誰かが話を挟んできて、話が中断される。しかも初めは電話口は遮断されず向こうの話し声も聞こえるが、すぐに向こうの会話がこちらに聞えないように受話口がふさがれ、それから相手の刑事の態度が急に変わる。
帰ってからこの記録を見ると、3日にYさんらしい女性やKさんの旦那が訪ねて来ていて、僕が鉢の世話をしましょうかとKさんに話しているので、その3日の記録を持って再び交番に行き話をしたいと言うと、さっきの担当の刑事は電話口にも出ず交番の警官に話をしろという。しかたないので、Kさんたちが訪ねてきたことなどを交番の警官に話す。
■Dさんによると、KさんはEさんが死んでいるのが発見された時に飛んできて、『わたしは立ち退きの話なんて聞いたことがない。今初めて聞いた』と言ったという。
Eさんは立ち退きの話が出てすぐにKさんのところに話しに行ったら、Kさんはそんな話は大家から聞いていないと言っていた、とEさんが僕に言っていた。
僕がKさんに最初に会った時にも今までの経過は全て話している。それで、KさんからEさんが色々お世話になりましたと礼を言われているのだから。
■4月6日
午前中、Eさんの遺族の人たちがアパートに来たので、声をかけると迷惑そうな顔をする。
僕がいきさつについて話すのをやめて立っていると、おじいさんが話し掛けてきて、しばらく話をしていると3日に『老衰』で死んだと教えてくれる。僕は老衰というのはおかしいと思い、僕がEさんの死んだいきさつを知っているので、何か気になることがあったら連絡をくれるようにと言うと、住所と電話番号を訊かれ、メモに書いておじいさんに渡す。Eさんの死に顔は安らかでしたかと訊ねると、顔が変わっちゃっていてねという。僕が昨日花を持って行くからEさんに会わせてくれと言っても、身内以外には会わせられないと小金井署にことわられたことを話すと、Eさんは3時半に多磨霊園で荼毘にふされると教えてくれる。
僕が部屋に戻ってからしばらくして、R(Eさんを病院に連れていった若いほうの女性)と40代くらいの男がやって来て、遺族の人たちと話をしている。(男がいつ来たかはわからない)
午後、友人の家に行きパソコンを操作していると、頭の左上にEさんの笑顔が浮かんでいるのが見える。2時半〜3時頃。
◆夜、仕事から帰った隣のCさんが僕を訪ねてきて、普段は冷静な僕が、昨日はかなり興奮していた様子だったので心配になって見に来てくれたのだいう。
僕はEさんは息子たちに殺されたと思っているので、やはりかなりの興奮状態だったのだと思う。
◆以下の文章は感情的で、冷静さに欠けているところがあるが、その辺のことを汲み置いて読んでほしい。
■4月7日
特養ホームのYを訪ねる。あの時の大槻さんのお気持ちから察して、今の大槻さんのお気持ちはよくわかりますが、もう私たちの管轄を離れているので市の福祉課のほうに行ってくれという。
BC社のHのほうからYに連絡をしたらしく、Yは『とても丁寧な対応をしていただいたと思っています』という。こいつはアホである。自分から連絡を入れたわけではなく、向こうから来たらしい。
3日の昼前、Eさんの部屋の前に立っていたのはあなたかと確認すると、顔を引きつらせながらもうなずく。
僕がKの名前をだすとよく知っていますよという。そしてKが警察が来た時に『わたしは立ち退きの話なんて聞いたことがない。今初めて聞いた』と言ったというと、Kさんは立ち退きについて認識していなかったかもしれませんねという。最初にEさんがKさんに話しに行ったことと、僕が今までのことを説明したら、世話になりましたとKに礼をいわれたと言うとYはだまる。
あなたは心理学を学んだと言っているが、それでも死因が『老衰』で納得するのかと訊くと、私個人としては立ち退きのことも原因になっていると思っていますという。こいつにはなにをいっても無意味だと思い、もういいですと言って席を立つ。
■BC社のHは何故、特養ホームのことを知っているのか。Rたちと大家が通じているということだろう。電話番号まで知っている。
◆もしYのほうからHに電話を入れたとしても、YはBC社の電話番号を誰から聞いたのだ?
■4月8日
午後3時頃Eさんの所に『Kのおやじ』『R』『しろぶた』『交番のおまわり』が来て話をしているので、出かけるついでに『R』に声をかけ、Eさんのことを訊きたいというと私は何も知りませんよ、私だってあれからEさんに会っていませんからという。あわてふためいている。
最初に僕の顔を見て敏感に反応する。一度会っただけなのに僕が誰かよくわかっている。僕が遺族に伝えてもらいたいと言ったら警察からことわられたことを話すと、今お話ししたらどうですかと『しろぶた』と声をあわせていう。すると、その『おまわり』が、この間聞いたよなと不機嫌な声で僕にいう。僕が先日話をした警官ではない。
僕がこの間部屋に入れてもらえなかったことを言うと、ふたりが声をそろえて『Eさんが大槻さんに会うのを嫌がっていました。Eさんに聞いてください』という。『僕を嫌がっていた』をふたりで強調する。『しろぶた』(この女とは全く面識がない)はなにも関係ないだろ。面識がないのに何故お前まで僕の名前を知っている?つまり、協議してそうういうことにしたわけだ。
あの時のおばさんは誰かと訊くと、近所に住むEさんの知り合いだと言って、もちろん詳しいことは教えない。『R』が『なにを知りたいのですか?』と訊く。つまり何かを隠しているということだ。後ろめたいことがなければ、そんなに声を荒げて逃げることはないじゃないか。
■『R』と『おまわり』が話しているのを聞いていると『R』が『わたしはとばっちりで巻き込まれただけなんですから』と言っていた。
なんの『とばっちり』なんだ?Eさんが心配で見に来たのではないのか?
■Eさんと仲の良かったというおばさんはその後姿を見せず、死んだと聞いても現れない。
とばっちりで巻き込まれた『R』だけが後始末をするのか?『わたしだってあれからEさんに会っていませんから』というのに。
『Kのおやじ』は僕の顔を見て露骨に嫌な顔をする。
■『R』もEさんとはなんの関係もないだろ。とばっちりで巻き込まれたと言っていたのだから。
大家が姿を見せずこいつらに頼むというのは密接な関係があるということだ。
■こいつらにも良心というものがない。あわてふためいているのか?しかしYのように用心深くない。
■4月9日
市役所にMさん(福祉課の女性)を訪ねて行くと、先日の女の子が、Mさんは普段は○○○のほうにいると教えてくれる。
○○○に行くと、Mさんは出かけていて留守なので連絡をくれるように頼んでくる。市役所の女
の子も、○○○の女の子も真剣に応対してくれる。
16時前にMから電話。
大槻さんがなんの目的で、やって来るのかわからないという。私たちは入院の方向で考えていて、Eさんが僕に会いたくないと言っていたのだという。本当に僕に会いたくないと言ったのかと確認すると『あの時そちらにいた二人の男性に』『誰にも』会いたくないと言っていたと言葉を濁す。そして、どちらの言うことが正しいのかわかりませんからという。
Yは、Eさんは女性が来てくれて安心したと言っていたと言っただけである。3日に死んだというと私たちはそんなことは聞いていない、そんなことをいうのは問題だと言って、誰に聞いたのですかという。Eさんはあなたには関係ないでしょとさえいう。僕が遺族に聞いたというとだまる。警察が遺族に嘘を言って遺族が僕に嘘を言ったというのか?おまえが問題にされるのが困るだけだろう。
Eさんが死んだことについて、1日放置したことについては問題だとは言わない。
■容体が悪かったので入院の方向で検討していたが、身元引受人が見つからず、中々入院させれなかったが、なんとか入院させようと思っていた矢先だったらしい。
■Mは嘘はついていない。しかし、1
日放置されていたことについては口をつぐむ。おそらくKから私が面倒をみると申し出があり、喜んで任せたのだろう。自分たちから頼むわけにはいかないはずだから。
◆どちらの言うことが正しいのかわからないというのはおかしくはないか?。Eさんと僕なら当然Eさんの言っていることを聞くのがあたりまえだろう。つまり、Rたちが僕とEさんと会わせないように何かを言ったのだろう。そしてRたちの言うことを鵜呑みにしてKに世話をまかせた。
そして、KはEさんの死後1日放置して『私は立ち退きのことは知らない』と言った。
■4月15日
S法律事務所から『契約解除』と『建物明け渡し請求』の内容証明の通知が送られてくる。
■4月19日
テレビでイラクの3人の人質のPTSD『心的外傷後ストレス障害』について。『血液循環不全』。
■4月24日
CさんのところにHが訪ねてきて、50万を提示してきたという。家賃7.5万の所に引っ越してもらう5ヶ月分だという。CさんがEさんのことを言うと、私も2、3週間ショックだったと言っていたという。そして、私が最初から立ち会っていたら、もっとケアできたのにとまで言ったらし い。Eさんの隣のおじさんは今月いっぱいで出ることになり、僕とDさんは別の方法で出てもらうことにしたという。
僕とCさんが話をしていると、Hがやってきて2階に上がってゆく。
しばらくして、Dさんがやって来て、HがAB社から僕に送った内容証明を見せてもらったが、あれはひどいと言っていたという。もっと、柔らかく交渉してもいいのにとも言ったらしいが、Cさんにはあれ(僕のこと)はもうやめましたと言っていたという。
Hは大家さんの息子とはまだ一度も会ったことがないとDさんに言ったらしい。
■4月26日
夕方、帰ってからアパートの写真を撮っていると、アパートの前の家の奥さんがやって来て、おばあさんは何で死んだのと訊ねてくる。大家さんの親戚なので当然知っていると思っていたが、何も知らされていないようである。おばあさんはこの間まで元気で風呂や買い物にも行っていたんだよと僕にいう。
だいたいのいきさつを話し、おばあさんがきれいな笑顔で現れたことを話して、僕がおばあさんは成仏したと思いますと言うと、おばあさんは親切にしてくれてありがとうと言っているよと言ってくれる。
■4月29日
Dさんの所にHが来て、金額も大家のサインもない白紙にサインをしろと言ったという。
Cさんのところには駅の近くのマンションのちらしが数枚入っていたという。
Gさんは電話にも、ドアを何度も叩かれても出なかったらしく、HはGさんが会おうとしないので、次の手を考えなければいけないと、Dさんに言っていたという。
■Hは今までEさんのことはネックになっていたので、皆で良いほうにと考えていたと言っていたという。
■5月8日
昼前、HがDさんの所に来るのを待ち伏せてやろうと、庭に出て待つがなかなか現れない。
Hはすでに来ていたらしく、Dさんの部屋から声が聞こえてくる。
Hが降りてきて僕が見ているのに気づき会釈をする。そして、こちらにやって来るので『よく人を殺しておいてしゃあしゃあとやって来れるよね』というと、私はEさんを一度も訪ねていないんですよ。あなたの言っている意味がよくわかりませんという。
僕がEさんの件は素人がやったので、ボロボロといろんなものが出てきたというと、あなたの言っていることは名誉棄損にあたりますととぼけたことをいう。あなたの言っている意味がよくわかりませんといいながら、僕が言っていることを理解している。
Hが帰ってからDさんがやって来てHがAB社の弁護士から、僕とはもう交渉するなと言われていると言っていたという。
■5月10日
午後7時前S法律事務所から電話。若い男。誰に頼まれてやっているのかと訊いても答えない。明け渡しをしてくれるか確認しただけだという。大家さんはボケてしまったと聞いているし、大家さんはそんな(訴訟を起こすような)ことをする人ではないというと、それは裁判でそう主張すればいいと言って、近いうちに書面を送らせてもらいますとすぐに電話を切る。
■5月22日
夕方、CさんのところにHから電話があり、前回は50万と言ったがもう少し上乗せしてもいいと言ってきたらしい。Cさんが委任状のコピーをくれというと、コピーでいいんですねと言って今度くれると言ったという。お金を払うのは誰かと訊くと、大家さんは痴呆状態で話すこともできず息子たちが合法的にやっているのだと言うので、とにかく責任の所在をはっきりさせてほしいといって電話を切ったという。
■最終的な責任は誰がとるのかと訊いたら、そんなことを私に言われてもと言ったそうである。
■5月23日(日)
Cさんが留守の間にHがやって来て、またマンションのチラシを入れていったらしい。委任状のコピーは入っていなかったという。
Gさんのところにもチラシと、連絡をくださいというメモが入っていたという。
◆Gさんは以前にHから部屋のドアに張り紙をされている。
■5月29日
DさんがEさんの隣のおじさんにもう一度アパートを出ていくのかと訊いたら、やはり当分出る気はないと言っていたという。
おじさんは、CさんとGさんも出ていかないんじゃないかと言っていたという。
■6月6日
夕方、帰宅すると、ちょうど大家さんの息子のF氏がDさんを訪ねてやって来る。
僕がF氏に話をしにDさんの部屋に行くと、立ち退きの件は兄弟みんなで話がついているようである。親父がこのアパートを建て替えたいと言っていたのは、私も聞いていましたからという。Eさんの所に『かまわないから行け』といったのは本当かと確かめると、そういうふうには言っていないが、行かなければ交渉できませんからねと言うので、僕がEさんの交渉役を頼まれたことを言うと、それは書類として残っているんですかと訊く。
宗教団体の人たちがやって来て、Eさんを他のアパートに移そうとし、僕をEさんからブロックしていたことを言うと、あの人たちが勝手に行ったんじゃないですかととぼける。
僕が、滞納家賃をチャラにして、引っ越しの実費で出ていくことに合意をしたことは聞いていないのかと訊ねると、全く知らない様子である。そして、何故僕が合意をしていたのに、それを反古にして裁判にかけたのかと訊くと、僕がみんなを煽動してこの立ち退きの話を壊そうとしていると、AB社の人が言っていたからだという。BC社の担当が変わったことも全く知らないという。BC社のA氏とは1度くらい会ったこと
があるかもしれないという。
■後でDさんが来て、F氏が僕と初対面なのにあんな口の聞き方をして、反省していると言っていたという。そして、F氏が9日に今度、初めて弁護士に会うと言っていたという。
■6月7日
午前中、Dさんに昨日F氏が弁護士に会うのは今度初めてだと言ったことを、確認するとF氏がそう言ったかどうかはよく覚えていないという。
EさんはCさんにも夜が怖いのと言っていたらしい。そして、Cさんが大丈夫よ取り壊しなんてなくなったんでしょと言うと、その時は気を持ち直すがまた翌日にはおびえていたらしい。
夜、F氏の家に電話をすると、奥さんが出てF氏はまだ帰って来ていないという。10時過ぎになると言うので、そのころにまた電話をしてもいいかと訊くと、遅いのはかまわないと言うので、Dさんのことで話したいことがあると伝えてくれと言って電話を切る。
10時過ぎにまた電話を入れるが、ずっと話し中になっていて全く通じない。
■6月11日
委任状の件で、Gさんは最初にA氏が訪ねてきた時に委任状の請求をしたが、次にA氏が訪ねてきた時、委任状はありますかと訊くとないと言うので、それではお帰りくださいと言って、それ以後一度もBC社の人間とは会っていないという。
■6月14日
市役所の法律相談に行くと6月29日まで予約でいっぱい。『法律援助センター』を教えてもらう。
■6月15日
『法律援助センター』に行くと、弁護士は僕に全く勝ち目はなく、先に合意したことを強調して、強制退去の費用を引っ越し代として貰うことで和解をするしかないという。
■6月23日
Dさんが来て話をしていると、Eさんが発見されたとき、Dさんは警察に立ち退きのいきさつを全て話し、それまではEさんは元気だったことも話したという。
■6月30日
八王子地方裁判所へ。裁判官と係の人はとても丁寧に諭すように話してくれる。裁判官は異例の答弁書だと言って、Eさんのことはよく読ませてもらったが、この裁判では取り上げないという。(答弁書にはこの記録に書かれていることを、裁判になるまでの経過とEさんが急死したこと等も書いた)
裁判の初めに、裁判官が相手側の弁護士に訴訟法に関することになりますがと、大家さんのことについて訊ねると、弁護士のNはこの間事務所のものが大家さんを訪ねて行って、大家さんが話ができることを確認していますと答え、裁判官はそれで納得をする。
裁判は裁判官がすぐに和解を勧め、僕が*同意をすると相手も立ち退いてくれるならと同意をしてあっけなく終わる。
次回までに話し合っておくようにと言われ、裁判の後に弁護士のNと話し合うことになる。
Nは最初から、嫌な顔をして滞納家賃以上の立退き料は出せないという。
A氏って誰かととぼける。Hも知らないという。私は今回の件で新しく雇われただけだという。
Dさんが、HがAB社の弁護士から僕に送った内容証明を見せられて、あれはひどいと言った話をしていたと言うと、あのDさんってまだいるんですかと思わず口をすべらせる。
※僕は6月19日の時点でアパートを出ていくことを決めていた。滞納家賃がチャラになるなら立退き料もいらないと考えていたが、こいつらの今までの対応に腹を立てていたので、少しでも多く取ってやろうと思っていた。
■7月2日
大家さんの息子は訴訟を起こすことができないのかを確認するため先日の『法律援助センター』へ行く。
いきなり弁護士にどんな事情があるか知らないが、5年も家賃を滞納しておいて、あんたには何も要求する資格なんか無いんだよと罵られるが、僕が息子は訴訟を起こせないのかと訊ねると、最初は、ボケたといっても程度があるし、立証がむずかしいからなどと言って、なかなか僕の言っていることに答えようともしないが、やっと最後に姉の保証人の件は却下され、大家さんがボケてしまっているということは書面に書いて提出したほうがいいという。
■7月5日
夜、8時前にNから電話。やはり、滞納分の免除だけで 8月いっぱいで出て行けという。訴訟が無効だと言うとあわてている。大家さんがボケたら息子には訴訟を起こせないのかと確認すると、大家さんが遺言状を残している場合があると言うので、大家さんは遺言状を残しているのかと
訊くとそれには答えず黙る。引っ越し費用をためるまで1年間居させてもらうのはどうかと言うと即座にそれは絶対にだめだという。
Nは姉のほうに電話をすると言って電話を切る。
■7月8日
昼、DさんのところにHがきて、大槻や女たちはグルになって委任状のコピー、委任状のコピーって言っているけど、委任状は見せてもコピーまで渡す義務なんてねえんだよと、吐き捨てるように言ったという。
そして、僕のことは裁判の時に、姉か妹が必ず説得をして僕に出て行ってもらい、毎月少しずつでもお金を払っていきますと言っていたと、訳のわからないことを言っていたらしい。
■僕が委任状の話をしたのは5日にNに話したのが初めてである。
■7月13日
Dさんがテレビで、奥さんが旦那の名前を勝手に使って裁判を起こし、それがばれて弁護士が逃げてしまったという番組をやっていたと教えてくれる。
◆法廷委任状の偽造は弁護士の資格が剥奪されるらしい。僕の訴状に連名で名前を連ねている弁護士は省庁の委員会の委員や大学の顧問もしている。『ベンチャー企業の支援』もだって!
■7月16日
八王子地方裁判所へ。1 時間強で到着。時間がだいぶあまったので、302号法廷を覗くと裁判官が若くてすごい美人。
時間がくるまでソファーでNと話をする。資料として裁判所内の写真を撮りたいというと嫌な顔をする。
調停になると委任状の件は提出できるような雰囲気ではなく、裁判官は家賃チャラというのは破格の提示だという。10月なら出て行けるかというので、僕が大家さんの委任状を持った交渉人と合意したことは認められないのか、僕は今でもこの裁判は大家さんが起こしたとは思っていないと言うと、8月で出ていくなら相手にお金を払うように裁判所のほうから言ってあげるという。8月で出ていくなら20〜30万の立退料。9月なら家賃チャラで立退料なし。10月以降なら僕がペナルティーを払うという調停案。裁判官は裁判所としては出血サービスだと言って、ご機嫌がよさそうである。Nは大家に相談するので持ち帰るという。Nの機嫌はすこぶる悪い。
次回は7月29日。帰り際に、Nが和解するので姉にそう伝えておいてくれという。
■7月17日
Cさんに8月でアパートを出ることになったことを話すと、CさんがHの夢を見たという。
Hがアパートの廊下にショボンとした様子で立っていて、交通事故か何かで怪我をしたらしく腕をつり、Cさんに部屋は見つかりましたかと訊くので、Cさんがまだだと答えると、そうですかとしょげて帰っていったという。
■7月22日
Cさんが昨日弁護士に依頼に行き、今日、着手金を振り込んできたという。弁護士はAB社たちがやっていることはめちゃくちゃだと言っていたという。
■7月23日
Cさんの弁護士が、大家宛にCさんから依頼をされたという内容証明を送ったという。
■7月24日
夜、あわてたNから電話。大家さん(の息子)は裁判官の提示を了承したという。僕が裁判官の調停案を受け入れるというと急に*声が明るくなり、 29日に細かいところを詰めて和解するので、姉にも裁判所に来るように伝えてくれという。
※僕は今までに、これほど安堵した人間の声というものを聞いたことがない。
■7月29日
あっけなく和解成立。
最後に裁判官から、これからは大変ですががんばってくださいと言われる。
■8月5日
裁判所から和解書が送られてくる。
■アパートは2005年4月末に、最後まで残っていたGさんが引越しをして取り壊され、現在は新しいアパートが建っている。管理はアパートを建てた大手住宅建設会社グループの管理会社がしている。
■2005年の12月24日に実名入りのこの日記を、『サンデー毎日』の編集部にメールで送ったが、その後、編集部からは何の連絡もなく記事になった様子もない。
■2008年3月、スルガコーポレーションに頼まれた山口組系の地上げ屋『光誉実業』が、弁護士資格がないのに法律事務の立ち退き交渉をしたとして、社長らが逮捕された。
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