オキュート(=まがりもち)を作る |
当地では3月から5月頃まで『オキュート』を魚屋さんやスーパーで見かける。
海藻の加工食品で、一見、抹茶ようかんにも見えるが、食感は海の香りとほのかな塩味のするトコロテンといったところだ。
宮崎県地方では『まがりもち』ともいい、語源は未確認。福岡県では『オキュート』といい、大飢饉(ききん)の際にこの海藻で飢えをしのぐことができたところから『お救人』というようになったとの説もあるようだが、個人的にはその説が好きだ。
ところでその海藻ですが『オキュートグサ』や『えごのり』ともいうそうで、イギス科紅藻類に属し、九州から日本海沿岸で採取されるとか。しかし、宮崎県沿岸で見かけるその海藻は福岡県などで採取されるものに似てはいるが、下の画像のように微妙に異なるように思える。
また、加工方法にしても宮崎県地方では乾燥することなく、採取後はできるだけ新鮮なうちに加工し、製品も濃い緑色に仕上がる。採取時期も3月から4月頃であり、他の地域とは異なるようだ。
という訳で、宮崎限定版のレシピを作ることにした。
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| 【材料】オキュートグサ・水【道具】ボール・オタマ・鍋・ミキサー・バット |
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まず、海岸へ
目指す海藻は干潮のときでも先端が少し見える程度。大潮の干潮をねらって出かけよう。
今回の現場は日南海岸の青島から南へ数キロの海岸 |
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どこにでも生えているものではありません。繁茂場所をさがすのもたのしみのひとつで、ついでに大きなウニやミナ(ニシキウズ貝科の貝『しったか(尻高)』)を獲りながらの作業です。
茶色に見える海藻が『オキュウトグサ』です |
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さらに近づいてみると数種類の海藻が群生しているのがわかる。 |
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根に近い部分は硬い。
採取する際は根を岩からはぎとらないよう、草を刈り取る要領で採取する。 |
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【作り方】宮崎地方限定版
1 採取したままのオキュートグサは洗う前に、根に近い部分を取り除く
2 大きめの容器に水を張り、素早くもみ洗いをする。3回程度繰り返し、水を切る。
3 鍋に移して水を加える。ポイントは水の量ですが、強く押さえても水を確認できないほど少量の水で充分です。 |
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4 火にかけ水温の上昇とともに、オキュートグサ自身が溶け出します。オタマでよくかき混ぜ、まんべんなく熱が通るようにします。
5 茶色だったオキュートグサが少しずつ緑色に変化していく。
調味料は一切なし、味付けはオキュートグサに含まれる塩味だけです。 |
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6 全体が緑色になろうとする頃、鍋の底からブクッブクッと泡が出始めたら火を止める。この時点でオキュウトグサは完全に溶解している必要はありません。 |
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7 素早く適量をミキサーに移し、スポットで2〜3回(計2秒〜3秒)かける。長くかけると固める際に気泡が入ってしまいます。気泡が目立つ場合は容器に流し込んで、固まり始めるまえに数回振動を与えると少しだけ改善されます。 |
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8 容器に流しこむ。表面は数分で固まり始め、2,3時間もすると充分な硬さになってきます。冷めたところでラップをして冷蔵庫へ。 |
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9 固まったオキュウトは簡単に容器からとりだすことができます。
左はクッキーの型抜きを使った盛り付けですが、なかなかいい感じに見えませんか!?
口に含むと、アルカリを強く感じる中にもまろやかな塩味と海の香りが伝わってきます。
そのままでもじゅうぶん美味しいと思いますが、ワサビ醤油、ポン酢、酢味噌、マヨネーズもおすすめです。 |
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10 今回の副産物。『しったか(ミナ)』はよく洗って、水から炊く。高温で湯がくと身が固くなり奥へ引っ込んでしまいます。私は70度前後で湯がいています。 |
| ミキサーを使わない方法 |
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前6の溶解時間を数分少し長めにした後、ボールなどの容器にザルでこす。 |
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熱いうちにボールから容器に移し、冷めてから冷蔵庫へ。 |
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